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森田空幕長が記者会見 NZ空軍本部長の招へい成果、在日米宇宙軍拡充などに言及(6月9日)

  • 日本の防衛

2026-6-12 09:02

 令和8(2026)年6月9日(火)14時30分~14時45分、森田雄博(もりた・たけひろ)航空幕僚長は、記者会見を行った。
 空幕長からの発表事項はなく、以下のように記者との質疑応答が行われた。

記者との質疑応答

ニュージーランド空軍本部長の公式招へいと成果

記者
 先日発表のありましたニュージーランド空軍本部長の公式招待についてです。6月2日から4日間、公式招待されたというところで、詳細内容ですね、あと具体的成果等、ご説明いただけたらと思います。

幕僚長
 ご質問がありましたとおり、6月2日から4日までの間、ニュージーランド空軍本部長ダリン・ウェブ少将を航空幕僚長として公式招へいいたしました。この公式招へいの具体的な内容としましては、ここ市ヶ谷基地において懇談及び意見交換を行うとともに、府中基地において宇宙作戦部隊の、入間基地において輸送機部隊の、そして浜松基地では教育部隊の研修をそれぞれ実施をいたしました。
 本招へいを通じまして、ウェブ少将には航空自衛隊の任務、能力及び教育体系等に関する理解を深めていただくとともに、幅広い分野に関する意見交換を行い、日本ニュージーランド空軍種間の防衛協力・交流の基盤を一層強化することができたと認識をしております。また、私自身、ウェブ少将とはこれまで国際会議等で何度かお会いする機会がありましたが、今回の公式招へいの3日間を通じまして、率直に意見を交わし、お互いの考えを共有し合うことで信頼関係を更に深めることができたと感じております。
 航空自衛隊につきましては、基本的価値を共有する重要な戦略的パートナーであるニュージーランドの空軍との連携を引き続き強化し、インド太平洋地域の平和と安定に寄与してまいりたいと考えております。

在日米宇宙軍の体制強化への受け止め

記者
 横田基地に司令部を置く在日米宇宙軍の件でお尋ねです。先週、新たな司令官にジョン・パトリック大佐が就任しまして、報道陣の取材に対して、現状20人規模の司令部は、来年にかけて4倍の80人規模に拡充していくような考えを述べられました。宇宙作戦団では重要なカウンターパートということになりますけれども、こうした在日米宇宙軍の体制の強化というのをどのように受け止めておられるかというところの見解をお願いいたします。

幕僚長
 まず、航空自衛隊につきましては、ご承知のとおり、令和2(2020)年の宇宙作戦隊新編以降、宇宙領域における防衛力の強化を段階的に進めてきておりまして、今年度中に、仮称ではありますが、航空宇宙自衛隊への改編も予定をしているところであります。また、令和6(2024)年12月には、横田基地に在日米宇宙軍が新編されるなど、日米間の宇宙分野における協力体制を着実に強化されておるところであります。
 初代の在日米宇宙軍司令官でありましたラートン大佐とはですね、航空自衛隊の宇宙作戦団を中心に、平素から密接に連携させていただきました。宇宙領域における日米協力の進化は、日米同盟の抑止力、対処力を向上させる上でも重要な意義を有すると認識をしております。航空自衛隊としましては、今回の司令官交代以降も、引き続き、第2代在日米宇宙軍司令官であるパトリック大佐を通じまして、在日米宇宙軍も拡大していくというふうに聞いておりますので、この宇宙分野での協力を一層推進をして、平素から有事まで切れ目なく連携できる体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

航空宇宙自衛隊改編後の米宇宙軍との協力分野

記者
 今後の改編を見据えたところで、具体的にどういった分野での協力を重点的に進めていきたいですか。あとは、想定し得る共同訓練の内容等がもし現状ございましたらお願いいたします。

幕僚長
 現在ですね、在日米宇宙軍がどのような形で規模が拡大されるか、その内容自体については承知はしていないもので、具体的にこれといったところではございませんが、これまで米軍と様々な分野でですね、深めてまいりました、宇宙分野での連携を深めていきたいというふうに考えております。

FCASの開発中止報道とGCAPへの影響

記者
 昨晩から今朝にかけて海外で大きなニュースがありまして、ドイツとフランスが、2017年に立ち上げて、その後スペインも加わった次世代戦闘機計画、FCAS、将来戦闘航空システムについて、この戦闘機部分の開発中止というのが海外で大きく報じられたんですけれども、これはヨーロッパ防衛の非常に大きな要となるような巨大プロジェクトというふうに見られていたと思うんですが、それが共同開発中止となったところで、日本がヨーロッパと防衛協力を進めていく中で、日本にも影響はあるかなと思うんですが、空幕長、何か受け止めありましたらお答えください。

幕僚長
 今、FCASの報道についてご質問がありました。この報道については承知をしております。この内容につきましては、私自身回答する立場にないため、お答えは差し控えさせていただきますが、引き続きですね、航空自衛隊としては、防衛装備庁と緊密に連携をいたしまして、GCAP、次期戦闘機のユーザーとしての役割を積極的に果たして参りたいというふうに思います。

記者
 改めて空幕長から戦闘機開発というのは、国産でやろうが、他国でやろうが大変だなというような印象なり何なり持たれているところでしょうか。

幕僚長
 開発については、どんな航空機であれ、どういう形態であれ、非常に様々な課題があるというふうに認識をしています。その課題を一つ一つ解決をして、最終的な開発につなげていくというのは、大変だなというふうには私自身は思っております。
 これは、今現在日本では、防衛装備庁を中心に、様々な部署で、また、航空自衛官も様々な形で携わっております。こちらのほうについては大変だなというふうに私自身も感じていますし、その携わっている人たちに非常に敬意を表しておりますので、航空自衛隊も引き続き協力をしていきたいと思いますし、それぞれの所で一丸となって開発を完遂できるように頑張っていきたいというふうに思っております。

記者
 ドイツはGCAPへの参加が兼ねてから取りざたされてきているんですけども、日英伊でやっているGCAPは、その3カ国はどちらかといえば海洋国家で、航空機に求める要件というものが似通っているところがあると思うんですけど、ドイツは陸国家、もし仮に観測どおりにドイツが来ても要件が違うんじゃないかなというように見受けられるんですが、航空機というのはそれぞれの国による国家の特性で要件が重要ですよね。

幕僚長
 それぞれの装備品に対するそれぞれの国の要求ニーズというのが様々違うというのは理解しています。仮定のご質問であったというふうに認識していますので、報道については、私自身も承知しておりますし、お尋ねの件については、お答えする立場にないということであります。そういったところで、回答は差し控えさせていただきたいというふうに思います。

熊谷基地での野外訓練中の熱中症搬送事案

記者
 6月1日に、空自の熊谷基地の隊員14人が野外訓練中に熱中症の疑いで搬送される事案がありました。空幕長の受け止めをお聞かせください。

幕僚長
 本件につきましては、6月1日の午前6時30分から実施をいたしました野外行動訓練における行進中に体調不良を訴えた隊員14名が、熱中症の疑いで部外医療機関へ搬送されたものであります。この救急搬送されました14名の内、12名は処置を終えてその日の内に帰隊をし、2名は入院となったものの、命に別状はなく、既に退院しております。こちらが事実関係であります。
 航空自衛隊といたしましては、隊員のご家族をはじめ国民の皆様にご心配をおかけいたしました、また、地方自治体にご負担をおかけしましたことを重く受け止めております。引き続き、訓練時の安全確保に万全を期して参りたいというふうに考えております。

記者
 これだけ暑い日が続く中でも、野外訓練を実施するかの判断は難しいものがあるかと思うんですが、今回の事案を振り返ったときに、実施の判断であるとか、教訓になったことがあれば教えてください。

幕僚長
 現在、様々な観点から原因分析を進めているところです。その上で、現在分かっていることを整理をいたしますと、訓練開始前におきましては、参加隊員の体調を確認をいたしました。また、気象条件についても、訓練実施に支障のない範囲であったというふうに認識をしております。こうした状況を踏まえましても、このように、体調不良者が多数発生したことについては、大変重く受け止めているところであります。
 繰り返しになりますが、現在、隊員個々の状況、訓練負荷、そして訓練環境の細部など、様々な観点から原因分析を進めておりまして、その結果を踏まえて必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。

ニュージーランドと空軍種間での防衛協力の意義

記者
 先ほど質問にあったニュージーランドの件で質問させてください。ニュージーランドは地理的にも離れていてですね、海であれば、オーストラリアも含めてオセアニア地域の国と連携を強化する意義は理解できるんですが、あの空軍種でですね、あの防衛協力をニュージーランドと進展させる意義をですね、あの日本の防衛とか防空の観点からはいかがお考えでしょうか。

幕僚長
 まず、ニュージーランドの国自体としましては、基本的価値を有する重要な戦略的パートナーであるといったところで、こちらの国としっかりと防衛協力、交流を進めていく意義はあるというふうに考えております。また、空軍種ということに関して言えば、航空自衛隊が約5万人弱、ニュージーランド空軍が約2000名強という話を聞いております。その中でも、先ほど防空という観点からお話をされたんですが、実は今、ニュージーランド自体は、現段階では戦闘機を有していないというようなところがあるというふうに聞いております。
 その中でもニュージーランドについては、宇宙分野、それから輸送分野、あと救難捜索、また、同様に日本の海上自衛隊が持っているような哨戒機も、機種は違いますが、哨戒機も持っています。そういったようなところから操縦者の養成などですね、そういったところについて我々航空自衛隊とも似通ったというか、参考になるような装備体系を持っております。数少ない人員で、そういった装備品をしっかりと運用できているニュージーランドというのは、非常に我々も、私自身、航空自衛隊の防衛力整備を担う者としてはですね、非常に参考になるところがあると思っております。
 そういった意味からもしっかりと協力を進めていきたいと思いますし、先ほど申し上げました宇宙機能、それから輸送機機能、そういったところで運用上の連携もできるんじゃないかというふうに考えています。

(以上)

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