軌道間輸送機(OTV)の開発にJAXAが補助金交付 三菱電機が開発へ
- 日本の防衛
2026-6-12 10:01
三菱電機株式会社は令和8(2026)年6月10日(水)、宇宙戦略基金事業「空間自在移動の実現に向けた技術」の補助金交付が決定したことについて以下のように発表した。
宇宙戦略基金事業「空間自在移動の実現に向けた技術」の補助金交付が決定 軌道間輸送機(OTV)の開発により、宇宙空間のさらなる利用拡大に貢献

三菱電機株式会社は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が実施する宇宙戦略基金※1第二期の技術開発テーマの一つである「空間自在移動の実現に向けた技術」(分野:衛星等)において、当社が代表機関として選定されていた技術開発項目「軌道間輸送機の開発」(以下、本技術開発項目)に関して補助金の交付が決定しましたのでお知らせします。
近年の宇宙開発の拡大により、軌道上で衛星などの組み立て・製造や燃料補給、点検、修理、部品交換などを行う「軌道上サービス」の市場規模は、今後、大きく成長することが見込まれています。このような中、宇宙利用のさらなる拡大に向け、軌道上サービスの一つとして効率的な物流手段の確立が求められています。
当社はこれまで、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV※2)や新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)、小型月着陸実証機(SLIM※3)、火星衛星探査計画(MMX※4)探査システム、静止軌道衛星など、多様な軌道を航行する宇宙機の開発に携わってきました。
今回、これらの開発を通じて培った、宇宙機を目的地まで移動させる航法誘導制御技術などを活用し、軌道間を自在に移動し衛星などの積み荷を輸送する軌道間輸送機(OTV:Orbital Transfer Vehicle)を開発します。
本技術開発項目では、特定の用途や輸送経路に限定せず利用者のニーズなどに柔軟に対応し、軌道間の航行や宇宙空間での積み荷の搭載・分離が可能なOTVの開発・実証を目指し、OTVの目的軌道と輸送経路を計画し、消費推薬量の削減や最適化を行う輸送軌道計画技術を開発します。また、物理AIやロボティクスなどを使用した自律的RPOD(Rendezvous, Proximity Operations and Docking)技術※5の実現性を検証し、宇宙空間でOTVが自身で積み荷を効率的かつ安全に搭載・分離できるオペレーションを確立します。
当社は、OTVを活用した宇宙の物流(スペースロジスティクス)の構築により、宇宙空間のさらなる利用機会の拡大に貢献します。
※1 内閣府、総務省、文科省、経産省が造成しJAXAに設置した、民間企業や大学の宇宙分野における先端技術開発、技術実証、商業化を支援する基金
※2 H-II Transfer Vehicle
※3 Smart Lander for Investigating Moon
※4 Martian Moons eXploration
※5 宇宙空間で高速に飛行する宇宙機同士を接近・結合させるランデブ・近傍運用・ドッキング技術
関係者コメント
研究代表者(三菱電機株式会社 鎌倉製作所 宇宙インフラシステム部 技術第二課 アソシエイトエキスパート)杉田 幹浩 コメント
「このたび、代表機関として宇宙戦略基金事業に選定されたことを非常に嬉しく思います。革新的かつ持続可能な物流手段として期待されるOTVの開発を通じ、宇宙空間の利用を支えるスペースロジスティクスの実現に貢献してまいります。」
本技術開発項目の概要
| 実施期間 | 2026年4月~2028年3月 |
| 研究代表者 | 三菱電機株式会社 鎌倉製作所 宇宙インフラシステム部 技術第二課 アソシエイトエキスパート 杉田幹浩 |
| 技術開発内容 | 目的軌道と輸送経路を計画し、消費推薬量の削減や最適化を行う輸送軌道計画技術の開発 |
| 宇宙空間での積み荷の搭載・分離に必要な自律的RPOD技術の開発 | |
| 多様な軌道間を自在に移動するOTVのフライトモデル製造および軌道上実証 |
今後の予定・将来展望
本技術開発項目の完遂により、開発したOTVを活用して、スペースロジスティクスを実現するとともに、軌道上拠点などのインフラ整備に必要となる、民間による宇宙空間での効率的な輸送サービスの提供を目指します。
(以上)
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