茂木外務大臣が記者会見 ホルムズ海峡通過、日・フィリピンACSA承認など(6月19日)
- 日本の防衛
2026-6-23 15:27
令和8(2026)年6月19日16時02分から外務省会見室において、茂木敏充(もてぎ・としみつ)外務大臣が記者会見を行った。
内容は以下のとおり。
冒頭発言
(1)日本関係船舶のホルムズ海峡通過
冒頭、私から2点、最初に発表いたします。
日本関係船舶のホルムズ海峡通過についてでありますが、本日、ペルシャ湾に滞留していた日本関係船舶1隻が、ホルムズ海峡を無事通過して、ペルシャ湾外へ出たところであります。3名の日本人乗組員が乗船している当該船舶は、現在、日本へ向けて航行しているところです。
この結果、日本関係船舶の内、日本人乗組員が乗船している船は、全てペルシャ湾外へ退避したことになります。今回の船舶通過に当たっても、政府は、イランとの間で様々な調整を行なってきたところであります。
今回の米国・イラン間の覚書署名を受け、ホルムズ海峡における船舶の自由で安全な航行が速やかに再開し、残る37隻の日本関係船舶についてもホルムズ海峡を一刻も早く通過できるよう、政府としても、あらゆる外交努力を続けてまいりたい、こんなふうに考えています。本当に良かったなと、こんなふうに考えています。
(2)査証手数料の改定
もう1点です。少し、事務的なのですが、査証手数料の改定についてであります。本日の閣議におきまして、査証手数料等を定める政令の一部改正を決定しました。7月1日からの施行を予定しています。
今般の改正により、一次入国査証手数料は現行の3,000円から15,000円に、数次入国査証手数料については、現行の6,000円から30,000円に、それぞれ改定されます。新たな査証手数料は、先般成立した改正旅券法に基づく、旅券手数料の引き下げと同日の7月1日以降の申請に適用されるということであります。
私からは以上です。
記者との質疑応答
日・フィリピンACSA承認の意義
記者 :
政府が今国会に提出したフィリピン、オランダ、ニュージーランド各国とのACSA締結承認案が参議院本会議で可決されました。特にフィリピンについては、二国間協力を急速に深化させていますが、日比関係において今回のACSA承認の意義を伺います。また、今回初めて立憲民主党が賛成に回りました。取組への理解が拡大してきていると思いますが、所感も併せて伺います。よろしくお願いします。
茂木外務大臣 :
本日の参議院の本会議におきまして、三つのACSA、そしてカナダとの刑事共助条約が承認されました。これによりまして、今国会に提出した外務省関連のすべての条約が承認されました。国会での審議に感謝を申し上げたいと思っております。
お尋ねのフィリピンについて申し上げますと、国際情勢が、厳しさを増す中、シーレーンの戦略的要衝に位置し、基本的な価値や原則を共有するフィリピンとは、「包括的・戦略的パートナーシップ」の下、安全保障、防衛協力を強化してきているところであります。
フィリピンとの今回のACSAは、自衛隊とフィリピン軍の間で、物品・役務の提供を行う際の決済手続等の枠組を定めるものであります。これを早期に発効させることは、我が国の安全保障に資するのみならず、インド太平洋をはじめとする国際社会の平和及び安全に、より積極的に寄与することにつながる、このように考えております。
そして、本日、このACSAにつきまして、ご指摘のように、多くの賛成を得られて承認できたことについては、このようなACSAの意義に対する理解が広まってきたものと捉えておりまして、引き続き、丁寧な説明を心がけていきたいと思っております。
ウクライナ情勢(対露制裁)
記者 :
フランスで開かれたG7サミットについて伺います。G7首脳が地政学的課題に関する共同声明でウクライナ支援を拡大するとともに、ロシアに対する経済圧力の強化を強める方針で一致しました。高市総理はウクライナ関係のセッションで、ロシアに前向きかつ具体的な行動を迅速に取らせると発言したということですが、対ロシア制裁は今後も続けるということでよいのかどうかを確認させてください。今後、日本が追加制裁を科すかどうか、その可能性も併せて大臣のお考えを伺います。
茂木外務大臣 :
これは何度も申し上げておりますけれど、ロシアによりますウクライナ侵略、これは国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると考えております。我が国としては、早期の全面停戦及び公正かつ永続的な平和の実現に向けたロシア側の前向きな行動を強く求めてきておりまして、こういった一貫した立場に基づいて、これまでも国際社会と緊密に連携しながら、G7の場を含めて、この問題に取り組んできたところであります。
同時に、お尋ねの対露制裁につきましては、G7と連携しつつ、対露制裁を継続していく。これが日本の基本的な立場でありまして、この方針に従って適切に対応していきたいと思います。
駐インドネシア日本大使の任命
記者 :
駐インドネシア大使決定についてお伺いします。政府は今日の閣議で駐インドネシア大使に植野篤志、現カンボジア大使を充てる人事を決定しました。インドネシア大使をめぐっては、新政権発足を要因として、昨年11月に前任大使が退官した段階では臨時的に空席となっておりましたが、空席状態が半年以上続いた理由や、この間に生じた影響があれば教えてください。また、植野氏の起用理由についても併せてお伺いします。
茂木外務大臣 :
特に大きな影響があったとは考えておりません。駐インドネシア大使が空席であった理由については、人事に関する事項でありまして、また外交上のやりとりでもあるところから、お答えは差し控えたいと思います。
いずれにしても、在インドネシア大使館、大使が不在の間も明珍臨時代理大使の下、積極的かつ活発に外交活動を行う等、適正な体制の下で業務を実施してきていると考えております。植野新大使につきましては、私が前回大臣であった時は、確か中国の公使を務めておりまして、武漢からの退避オペレーションのヘッドとして頑張ってくれたと、非常に行動力のある人物だと考えておりまして、現在の駐カンボジア大使をはじめ、さまざまな重要ポストを歴任してきたベテランの外交官だと考えております。
インドネシアとは、我が国と基本的な価値や原則を共有する包括的戦略的パートナーでありまして、植野新大使に、さらに活躍をしていただいて、インドネシアとの間の一層の連携強化を図っていきたいと、こう考えています。
日本関係船舶のホルムズ海峡通過
記者 :
冒頭のホルムズ海峡からの日本人乗組員の退避について伺います。長期間の滞留になりましたが、健康状態についての報告はあったのかということと、あと、これまで7回、アラグチ外相と電話会談されていると思いますけれども、今振り返ってすべて退避できたということで、改めて受け止めを伺えますでしょうか。
茂木外務大臣 :
乗組員の方に大きな健康上の問題があったとは報告を受けておりません。ただ、長期間にわたる滞留ということで、心身両面で大変なご苦労されたのではないかなと思っておりまして、一日も早く、ペルシャ湾から抜けて、湾外に退避するということを極めて重要だと、ずっと考えてまいりました。
アラグチ外相との電話会談におきまして、外交上のやりとりですから、詳しくは申し上げられませんけれど、ホルムズ海峡における日本船舶を含めた船舶の自由で安全な航行の必要性、このことについては何度も私のほうから問題提起させていただいたと、こういう背景もありますし、イラン側も、そのことは十分理解してくれたのではないかなと思っております。
査証手数料の改定
記者 :
冒頭ご説明いただいたビザの手数料値上げについてお伺いいたします。大幅な引き上げとなりますが、これまで日本は諸外国と比べて低いという指摘もありました。今回の引き上げの意義や狙いをお伺いいたします。
茂木外務大臣 :
今回の査証手数料の額、これは1978年に定められたものでありまして、現在までの物価の上昇であったりとか、為替相場の変動に対応すべく、今般見直しを行ったところであります。様々な影響等々も考えた上で、やったところでありまして、これによって、すぐに例えばインバウンドに影響が出るとか、そういったことは考えておりません。
(以上)
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