エアバスと川崎重工、ユーロドローン無人機の対潜型検討で覚書を締結(6月26日)
- 日本の防衛
2026-6-28 15:55
エアバスと川崎重工業は2026(令和8)年6月26日(金)、滞空型無人機「ユーロドローン」(Eurodrone)の対潜水艦戦用途への適用可能性について、共同で検討を進めるための覚書(MOU)を締結したと発表した。

ユーロドローンは独・仏・伊・西4か国が共同開発を進めている中高度長時間滞空型の無人機システム(UAS)で、2029年の初飛行を予定している。日本はこの計画に2023年からオブザーバーとして参加している。両社は今後、機体仕様やセンサー・兵装統合、日本産業界とのワークシェアを協議する。川崎重工はP-1哨戒機とのハイブリッド運用も視野に入れるとしている。
両社が発表したリリースの全文を、それぞれ以下に掲載する。
エアバス、日本向け対潜戦型ユーロドローンの検討で覚書を締結(AIRBUS)
エアバス(本社:仏トゥールーズ、最高経営責任者:ギヨム・フォーリ)は26日(東京時間)、川崎重工業株式会社と「U950ユーロドローン」の日本向け対潜水艦戦型の可能性を共同で検討する覚書を締結したことを発表しました。日本は2023年から欧州初の大型長時間滞空無人航空機システムであるユーロドローン・プログラムにオブザーバーとして参加しています。
ユーロドローンは、広大な海域を監視する必要がある日本のような国に最適な無人航空機です。同クラスの競合機と比較して、超長時間の滞空性能を誇り、対潜戦用ソノブイや魚雷など、より多くの装備品を搭載して飛行することができます。ユーロドローンによって、日本は既存の有人対潜戦フリートを効率的な無人機で補完し、独自かつ持続可能な方法で海上の安全保障を強化することが可能になります。
今後エアバスは川崎重工との協議に入り、将来の日本向け対潜戦型ユーロドローンの設計、開発、および製品化における様々な可能性を探求します。想定される機体の仕様や、日本のセンサーと兵装の統合、製造や維持整備の段階における日本産業界とのワークシェアなどの可能性を検討します。これにより、日本がこのユーロドローンの導入を決定した際に、制限なく独自に運用を行うことが可能となります。
この日本との協業は、ユーロドローン・プログラムを促進すると同時に、欧州と日本の防衛協力の戦略的枠組みを発展させることになります。さらに、日本に特化した派生型の開発から得られる知見によって、将来の欧州海軍向けユーロドローンに、運用および後方支援上の大きな利点をもたらすでしょう。
ユーロドローン:長時間滞空可能な、幅広い任務に対応する無人航空機
ユーロドローンはドイツ、フランス、イタリア、スペインの4カ国による開発中のプログラムです。防衛装備協力共同機構(OCCAR)が管理を担い、2029年に初飛行が予定されています。インドもオブザーバーとして参加しています。航空情報収集、監視、目標補足、偵察から、早期警戒や信号情報収集、さらには海洋哨戒や対潜戦にいたるまで、幅広い任務に対応することができます。最大2.3トン(燃料を除く)のペイロードを搭載し、最長40時間滞空が可能です。また、民間飛行空域においても運用可能で、高い安全性と冗長性を備えているため、公海上での運用に最適です。
Airbus D&S社と滞空型無人機分野における協業検討に関するMOUを締結(川崎重工)
川崎重工は、Airbus Defence and Space社(以下、Airbus D&S社)と、滞空型無人機に関する協業の可能性について検討を進めるための覚書(Memorandum of Understanding:MOU)を締結いたしました。
本MOUは、欧州で開発が進められている中高度長時間滞空型無人機「Eurodrone」において、主に対潜用途への適用可能性を検討するとともに、当社がプライム企業として事業を進めているP-1哨戒機とのハイブリッド運用を含む新たな運用を検討することを目的とするものです。
近年、安全保障環境の変化を背景に、滞空型無人機システムの重要性が一層高まっています。当社は、長年にわたり哨戒機分野のシステムインテグレーターとして培ってきた技術と知見を活かし、将来のシステムの在り方について幅広い観点から検討を進めています。こうした取組みの一つとして、今回のMOUを通じて、Airbus D&S社と共に哨戒分野への貢献の可能性を検討していきます。
当社は今後も、高度な技術力を活かし、我が国の安全保障および防衛技術・生産基盤の強化に資する取組みを推進していきます。
(以上)
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