齋藤海幕長が定例会見 米国出張、退職自衛官への支援強化、水上ドローンなど(7月14日)
- 日本の防衛
2026-7-16 12:26
防衛省 海上幕僚監部は令和8(2026)年7月15日(水)、前日の14日(火)16時00分~16時09分に防衛省A棟10階会見室において行われた齋藤聡(さいとう・あきら)海上幕僚長の記者会見の要旨を以下のように公表した。
海幕長発表事項
本日私から1件ございます。アメリカへの出張についてです。6月29日(月)から7月7日(火)までの間、アメリカに出張しておりました。まず、ホノルルで米海軍、韓国海軍をはじめとする、各国海軍高官との意見交換を実施し、その後、ニューヨークにおいて、米国建国250周年の節目に実施された関連行事に参加してまいりました。
ハワイでは、米海軍主催多国間共同訓練(RIMPAC2026)に参加中の護衛艦「こんごう」及びP-1哨戒機を視察し、隊員を激励しました。また、ニューヨークにおいては、遠洋練習航海の途上で米国建国250周年の関連行事に参加していた練習艦「かしま」、練習艦「やまぎり」の実習幹部や乗員と意見を交わす機会も得ました。
今回の出張では、一連の行事への参加を通じて、米海軍及び参加各国海軍参謀長等との2国間、多国間交流を通じ、海軍種間の関係を強化することができました。今後もこうした交流や協力を通じて、同盟国・同志国との連携を一層深めてまいります。私から以上です。
記者との質疑応答
アメリカ出張の成果について
記者 :
さきほど言及のありました今回のアメリカ出張の成果について、さらに詳細な部分があればお伺いしたいと思います。
海幕長 :
今回の出張は、記念行事への招待を受けて参加したものであります。海上自衛隊を代表してこうした行事に参加できたことは、米海軍を始めとする各国海軍との関係強化の観点から、大変意義深いものでありました。特に、海軍参謀長等との2国間及び多国間の懇談、交流を通じて、インド太平洋地域を取り巻く安全保障環境に関する認識を共有するとともに、海軍種間の相互理解を深めることができました。さらに、RIMPACに参加中の護衛艦「こんごう」やP-1、練習艦隊の「かしま」、「やまぎり」の隊員と意見を交わすこともできて、大変有意義であったと思っております。またニューヨークでは、国際観艦式の帰り際にタイムズスクエアで白い制服を見かけました。海上自衛隊の乗員かなと思って近づいていくと、やはりそうで、練習艦隊の音楽隊と練習艦隊の有志で編成された太鼓隊と会うことができました。残念ながら、時間の都合上彼らのパフォーマンスを見ることはできませんでしたが、タイムズスクエアで設けられたステージで彼らはその後に演奏等をしたということでした。そんな彼らと一緒に記念撮影等もできて、思い出深い1日であったと思っております。
退職自衛官・家族への支援拡充について
記者 :
退職した自衛隊員やその家族への支援の拡充について伺います。小泉大臣がこれまでに例えば退職自衛隊員家族支援庁のような組織をつくることも含めて検討すると述べておられまして、先般の法改正でも退職した自衛官への再就職支援を拡充することが決まるなど、支援はこれまでも行ってきているものかと思います。海幕長もこれまで数多くの退職された自衛隊員やその御家族の方をご覧になってきたかと思うのですが、自衛官ではない我々の立場からすると、どういう支援が必要なのかというのが、なかなかイメージがつきにくい部分もあります。個人的な見解だとなかなか難しいのかもしれませんが、自衛官の立場からご覧になって、支援の拡充の方向性というのはどのようにお考えでしょうか。
海幕長 :
まず大臣のイニシアチブで省一体として退職自衛官や家族の支援の強化に取り組むための委員会を立ち上げて、私もそのメンバーの一員でありますけれども、こういった検討を進めていただいたことに対して心から感謝したいと思いますし、隊員や家族にとって、とてもありがたいことだと思っております。私も部隊を回って各隊員と懇談したり、あるいは大臣も地方に回られたときには隊員と懇談したり、最近はポッドキャストで、隊員の家族から直接メッセージを受け取ったりしています。こういうことをやってほしいという要望等、幅広い内容であります。これらをしっかりと受け止めてですね、施策に反映できるように、私も委員の一人として積極的に議論に参画したいと思っております。
ウクライナ軍の水上ドローン作戦について
記者 :
ウクライナ軍が2000kmくらい航行できる水上ドローンで黒海を縦断してロシア軍の占領地に無人車両を上陸させる作戦を遂行したとウクライナ軍が発表しています。そもそも論ですが、敵の制空権下にあるところに強行上陸、反撃したことは、海自あるいは陸自にとって、見方によっては同じように有効に離島奪回作戦にも使える話ではないかと個人的に思ったのですが、海幕長は今回のウクライナ軍の作戦の有効性という点でどのように見てますでしょうか。
海幕長 :
今言われた部分だけではなく、ウクライナで行われている作戦というのは、大きな関心をもって日々分析しているところです。特に、今言われたような長距離を移動できるビークルについて、あるいは、なかなか長距離届くミサイルを各国から取り入れることができなかったところ、彼らは独自で長距離まで届くドローンを作ってそれで攻撃に使用している状況、こういったものについては目を見張るものがあると思っておりますし、非常に高い関心をもって分析しているところです。今いろんな技術が出てきておりますが、それをどう組み合わせていくかということも大きな課題だと思っておりますので、そういったものを1つ1つ分析しながら我々の防衛力整備につなげていきたいと思っておりますが、その装備1つ1つについて個別具体的な回答は控えたいと思います。
記者 :
今、海自の方でもいわゆる無人航走体の導入を始めていると承知していますが、どちらかというと機雷の掃海で遠くに出て見つけてくるという任務が中心だったと記憶しています。自分で攻撃能力を持つような水上ドローンのような装備化については現状どうお考えでしょうか。
海幕長 :
水中ドローン、水上ドローン、空を飛ぶドローン、すべてのドメインにおける無人機については、先ほどの繰り返しになりますけども、大きな関心をもって注視しております。また国内企業の中でもいろんな技術を駆使して、そういったものを生み出す素地がある企業もたくさんいらっしゃいます。そういった企業と意見交換をしながら将来の戦い方で我々はこういった分野が必要なのでこういったものを作って欲しいと、日々議論しているところでありますけども、細部については、防衛力整備に関わることですので、ここでは控えさせていただきたいと思います。
(以上)
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