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荒井陸幕長が定例会見 陸自オスプレイの佐賀配備1年、沖縄訓練など(7月14日)

  • 日本の防衛

2026-7-16 12:05

 防衛省 陸上幕僚監部は令和8(2026)年7月15日(水)、公式サイトにおいて、前日の14日に実施された荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長による定例記者会見の内容を公表した。内容は以下のとおり。

陸幕長からの発表事項

 本日は私から1点、第3海兵機動展開部隊司令官の交代式への参加について、お知らせをいたします。
 明日7月15日、私は、在沖米軍基地キャンプ・バトラーにおいて実施される、第3海兵機動展開部隊司令官の交代式に出席をいたします。同式においては、ターナー中将が離任され、後任としてワトソン中将が着任される予定です。
 ターナー中将は、現職務に着任以来、約2年5か月の在任期間、日米共同訓練等を通じた共同・統合運用の実効性及び相互運用性の向上を図る等、日米同盟による抑止力・対処力の強化に貢献されるとともに、陸上自衛隊と米海兵隊との連携強化に大きくご尽力いただきました。
 なお、ターナー中将の次期補職は米太平洋海兵隊司令官であり、これまで培ってきた陸上自衛隊と米海兵隊との信頼関係を、今後、より幅広いレベルで発展させていく上でも、大変意義深いものと受け止めております。
 陸上自衛隊としては、ターナー中将のこれまでのご尽力に改めて敬意と謝意を表するとともに、引き続き、一層の連携深化を図ってまいる所存です。
 また、第3海兵機動展開部隊司令官として新たに着任されるワトソン中将とも、これまでと同様に、強固な信頼関係を構築するとともに、米海兵隊をはじめとする米軍との緊密な連携を図り、日米同盟の抑止力・対処力の強化に努めてまいります。私からは以上です。

記者との質疑応答

退職自衛隊員・家族支援の拡充について

記者
 退職した自衛隊員やそのご家族の支援の拡充について伺います。小泉大臣が、最近ですね、例えば退職自衛隊員・家族支援庁のような組織の創設を含めて検討すると述べておられますが、先般の法改正でも退職した自衛官への再就職支援を拡充することが決まるなど、支援はこれまでも行ってきているものと思います。陸幕長もこれまで数多く退職された自衛隊員やそのご家族の方をご覧になってきているかと思うのですが、自衛官の立場からですね、その支援の拡充の方向性についてどのようにお考えかというのを伺えますでしょうか。
陸幕長
 まずですね、今お尋ねのありました件については、先月、防衛省で検討委員会を立ち上げまして、いわば退職自衛隊員・家族支援庁のような組織の創設を含め、退職自衛隊員やご家族の支援に係る施策及びその推進体制を検討しているところであります。その上でですね、まず諸外国には退役軍人の支援等を専門とする組織や部局が存在しているところであり、我が国においても、退職自衛隊員やその家族を支援する施策及びその体制について様々な選択肢を検討しているということなので、それは大変意義深いことと考えていると思います。その上でですね、この支援の具体的な内容については現在検討中ですが、今お尋ねがありましたような一般論として、その方向性としてですね、我々として非常に有意義だなと思うところはですね、やはり退職後の生活設計や再就職に関する支援の充実というものについて、退職自衛官本人のみならず、その生活を支えるご家族の安心にもつながるものというふうに考えておりますので、その方向でですね、やはり検討されることが意義があるというふうに考えているところであります。

陸自オスプレイの佐賀駐屯地配備1年について

記者
 陸上自衛隊のV-22オスプレイについて質問させていただきます。今、オスプレイ全17機が配備されている佐賀駐屯地は、7月9日で開設から1年を迎えました。佐賀空港を配備先とした意義や、この1年間で見えてきた運用上の利点・課題について教えてください。
陸幕長
 昨年ですね、陸上自衛隊佐賀駐屯地を開設をいたしました。木更津駐屯地に暫定配備していたオスプレイ全17機を佐賀駐屯地へ移駐しました。これにより、まず近くにあります相浦駐屯地などの水陸機動団の部隊と連携して、より効率的に運用できる体制を整えることができました。改めてですね、駐屯地の開設にあたり、地元自治体をはじめ、多くの関係の皆様にご理解とご協力をいただいたこと、また、隊員やその家族を温かく迎えていただいたことに対し、心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 その上でですね、意義、利点、課題でありますが、陸自オスプレイの佐賀駐屯地への配備については、先ほども申しましたとおり、水陸機動団の部隊と一体的に運用できる体制を構築し、我が国全体としての抑止力・対処力を高める上で極めて重要な意義を持つものであると考えております。また、この能力を使ってですね、災害対応あるいは急患輸送の観点からも非常に有益なことであるというふうに考えています。この1年間、駐屯地に所在する部隊は、各種訓練や任務に着実に取り組むとともに、安全確保に万全を期して運用能力の向上に努めてまいりました。地域の皆様との交流や情報発信にも努めてきているところであり、引き続き地域の皆様との信頼関係の構築に取り組んでまいりたいと思っております。
 課題的な話としてはですね、これは共通的に言えるんですが、やはり我が国防衛や各種任務の遂行に必要な能力を適切に発揮するという観点から、今後も引き続きですね、各種訓練、それから教育、これを着実に実施してですね、この部隊の練度向上及び運用能力の向上を愚直に図っていくことが重要であるというふうに考えております。
記者
 関連してなんですけど、先ほど練度のことを仰っていたと思うんですけども、これまで1年運用してきた中で、九州内での訓練ですとか、日米合同訓練、さらには、今月からは沖縄にもですね、訓練の空域を拡大して恒常的な訓練をしていくと思うんですけども、現在までどれぐらい練度が向上してきたのかというのと、今後どういうふうに訓練に取り組んでいきたいのかというお考えをお示しいただければと思います。
陸幕長
 輸送航空隊が主力部隊で佐賀駐屯地に駐屯しておりますが、この輸送航空隊については、我が国防衛のための各種任務に万全を期すべく、今お尋ねがありましたとおり、部隊の練度向上に継続的に取り組んでいるところであります。また、各種訓練、それから教育を着実に実施するとともに、陸自オスプレイを含む装備品の運用能力の向上に努めるなど、必要な戦力化を今段階的に進めているところです。訓練などを含めてですね、平素から各部隊との連携要領の練成、それから統合運用能力の向上に取り組んでおりまして、着実にこの1年間で練度向上が図られたというふうに認識をしております。
 具体的なですね、戦力化の進捗状況の詳細とか、何がどういうふうまでできているという部分についてはですね、部隊運用に関わる事項でもあることから差し控えをさせていただきますが、引き続き、この1年間の成果を拡充してですね、我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえて、与えられた任務を確実に実施できるよう努めてまいりたいというふうに思っております。
記者
 最後に関連してもう1点なんですけども、佐賀駐屯地の地元ではですね、開設前から騒音への懸念ですとか、事故が起きるような不安ですとか、いろんな声があってはいるところなんですけども、一方で自衛隊としては地域融和に注力をして地域活動を一緒にやったりとかやられているところだと思います。陸上自衛隊として共存共栄の思いですとか、市民や県民に伝えたいメッセージがあれば教えてください。
陸幕長
 今ご指摘がありました通り、駐屯地の開設、それから輸送航空隊の移駐に関しましては、様々なご意見、あるいはそのご関心も含めてですね、ご意見があったというふうに認識しております。そのような中ですね、今、先ほどの質問でおっしゃっていただいたように、駐屯地に所在する隊員は各種任務や訓練に取り組むとともに、地域の皆様との交流や情報発信にも尽力をしていたところであります。陸上自衛隊としては、地域の皆様のご協力なくして、円滑な部隊運用は成り立たないものと考えており、地域との信頼関係の構築は極めて重要であると認識しております。
 私も前職、西部方面総監として、昨年の駐屯地の開設、それから輸送航空隊の移駐準備等でですね、地元の皆様方との関係構築に努めてまいりましたところであります。佐賀駐屯地司令の青山1佐はですね、開設にあたりまして、「佐賀を愛し、佐賀に愛される駐屯地」という趣旨のことをですね、記者会見でも申し述べましたし、また、色々なところでそのようにお話をしているというふうに思っております。
 このようにですね、駐屯地の隊員についてはですね、引き続き、様々なご意見にも耳を傾ける謙虚さ、こういうものを持ちつつ、安全に留意した訓練により練度向上するという姿勢を忘れずにですね、臨んでもらいたいと思っています。そして、佐賀市民の皆様、佐賀県民の皆様に対しましてはですね、引き続きこのような姿勢で臨む佐賀駐屯地の隊員に対して、色々なお声がけ、時には叱咤、そして時には激励があると思いますが、どうかですね、温かくこれからも見守っていただければというふうに思っております。
 繰り返しになりますが、駐屯地の隊員自身がですね、やはり謙虚に様々な声に耳を傾けたり、地域に溶け込むという努力、これを続けるということ。それから安全確保には万全を期すこと。これがですね、我々の姿勢としては重要だと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

日出生台演習場における戦車事故の調査状況について

記者
 日出生台演習場で起きた戦車の事故からまもなく3ヶ月が経とうとしておりますが、調査の進捗や部隊運用の変更等、何か変わったところ、分かったところがあれば教えていただければと思います。
陸幕長
 まずですね、10式戦車の死傷事故からまもなく3ヶ月ということであります。この間ですね、様々な方面からですね、色々なご意見、それからそういうものをいただいたりしながらですね、駐屯地の隊員、それから陸上自衛隊としても、この安全管理、当面の安全具体策というものを関係部隊に指示をしまして、訓練等進めているところであります。
 今の事故調査の件ですが、既にですね、数回、西部方面総監部の方で設立をしました調査委員会の方でですね、事故調査の方は進めているところであります。現在調査をまだ実施中でありますので、その原因とかですね、細部要因については予断をもって回答することは差し控えさせていただきたいというふうに思っておりますが、以前も申しましたとおり、やはりこの事故調査についてはですね、適切に管理し、確実にやっていくことを前提としつつもですね、やはり可能な限り速やかに事故原因の究明に努めてまいりたいというふうに思っているところであります。

陸自オスプレイの沖縄県への訓練区域拡大について

記者
 陸自オスプレイの訓練区域が九州から沖縄に拡大される件について伺います。陸自として沖縄で訓練をする狙いについて教えてください。また、沖縄県は自衛隊、米軍を問わずオスプレイが飛来することに反対しており、玉城デニー知事は訓練計画見直しを求める考えを示しています。県民からも訓練拡大に反対の声が上がっています。県や県民の声に対する陸幕長の受け止めをお願いします。
陸幕長
 まずですね、1つ目ご質問いただいた事項からでございます。我が国周辺の海空域においてですね、周辺国等が活動を拡大・活発化させている中、沖縄県を含む南西地域における抑止力・対処力の向上は、喫緊の課題であると認識をしているところであります。このため、国民の皆様のご理解とご協力をいただきながらですね、南西地域において各種訓練・演習を着実に実施することは、沖縄県民の皆様を含む国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠なものだと考えております。その上でですね、陸自オスプレイは、我が国防衛や各種任務の遂行に必要である重要な装備品であります。この能力を適切に発揮するためにはですね、平素から必要な訓練を実施することが不可欠です。特に長距離の洋上飛行や離島の特性を踏まえた訓練を実施し、その運用能力向上に努めなければならないと認識をしております。また、陸上自衛隊のオスプレイについては、災害救援活動、離島における急患輸送にも有益な航空機であり、こうした訓練は災害対処能力の向上にもつながるものと考えております。いずれにしましても、引き続き、沖縄県の皆様を含む地元の皆様に対する丁寧な説明と適切な情報提供に努めてまいりたいと思っています。
 2つ目であります、陸自オスプレイは、ご承知のとおりですね、固定翼機のような速さと長い航続距離を持ち、ヘリコプターのように離発着もできる航空機であります。このため、南西地域をはじめとする島嶼防衛能力の強化のみならず、災害対応、それから離島における患者輸送にも極めて有効な装備品と考えているところであります。また、その能力を適切に発揮するためには、繰り返しになりますが、長距離の洋上飛行、島嶼部ごとの特性を踏まえた訓練を継続的に実施することが重要であります。こうした飛行訓練は、住民の皆様の命や平和な暮らしを守るために重要な取り組みとなるというふうに考えております。いずれにしましても、様々な声があることは承知をした上でですね、その声に真摯に耳を傾けるとともに、引き続き開示できる部分については丁寧な説明、それから適切な情報提供に努めてご理解をいただくような努力を続けていきたいと思っております。

訓練拡大のタイミングについて

記者
 関連してオスプレイの件についてお伺いいたします。沖縄県を含む海域への訓練を拡大させるという中で、佐賀駐屯地に17機が移駐して1年というこのタイミングで、今月から始めるこのタイミングとして、練度が高まってきたから沖縄県に拡大させたのか。それとも地元の理解が深まってきたから、このタイミングでやったのか。もしくは移駐から1年経ったこのタイミングがちょうどいいんじゃないかと考えて、今のタイミングで拡大させていくのか。なぜ7月から海域拡大を決めたのかというところをもうちょっと詳しく教えていただけたらと思います。
陸幕長
 まずですね、1年間経ったから急に沖縄県に拡大したとか、時期的なものと、それから地域的なものというものはですね、厳密な関係性というものはですね、そういうものは我々は特に考えておりません。
 その上でですね、やはり昨年7月にこの陸自オスプレイを運用する輸送航空隊が木更津駐屯地から佐賀駐屯地に移駐して、まずは、佐賀駐屯地を本格的な拠点として運用する観点から、その周辺においてですね、基本操縦訓練等を開始し、その後、佐賀駐屯地以外の九州各地の自衛隊施設・演習場及び民間空港への飛行訓練を実施するなど、訓練地域を段階的に拡大してきました。これはですね、スケジュール的にやるというよりは、しっかりと安全を確保しながら、その操縦手あるいは練度、機体の練度、こういうものを見ながらですね、拡大してきております。そしてこれまでの訓練によってですね、九州地域における飛行について、まず十分に慣熟ができたんだろうということでですね、先ほど来繰り返しをさせていただいてます、この装備品の能力をしっかりと発揮するためにですね、課目としては長距離の洋上飛行、離島の特性を踏まえた離着陸の訓練、これを行うためですね、6月ぐらいから、レゾリュート・ドラゴン(※1)の中で奄美大島にまず拡大をしたということであります。いずれにせよですね、この飛行の習熟度、これをですね、よく見ながらですね、これを高めるためにですね、訓練を拡大していくという中でですね、今般、沖縄地域、南西の地域で訓練をさせていただくということで考えているところであります。
記者
 この訓練の一環で、レゾリュート・ドラゴンでは在日米軍基地への飛来というのも初めて達成されたかと思いますけども、今後そういった沖縄県内の在日米軍基地への飛来とかっていうのも訓練としてやっていきたいのか、というところはいかがでしょうか。
陸幕長
 現時点でですね、ある時期に、その沖縄県の在沖縄の米軍基地に、どういうタイミングで、どういうふうな離発着訓練をするとか、あるいは途中で立ち寄るとかという計画等はございません。その上で、先ほど来申しているとおり、この装備品の能力を発揮するためにですね、この安全確保を最優先しながら、それから操縦手の練度を見ながらですね、沖縄、あるいはその、我々としてはその沖縄に限らず、やはり日本各地でですね、運用できるような形を最終的には目指しますので、やっていきたいと思っております。繰り返しになりますが、その観点で拡大するにあたっては、操縦手の練度、機体の状況等を含めた安全管理、そして何よりも地元の理解ですね、こちらを事前に説明等をしながらやっていきたいというふうに考えております。

最大想定回数4640回に達さなかったオスプレイの離着陸

記者
 関連して、もう1問だけお願いします。先週の閣議後会見で防衛大臣がですね、佐賀駐屯地における陸自オスプレイの離着陸回数がですね、約3,300回というふうに申し上げたのですけども、防衛省がかねてから示していた最大想定回数は、確か年間4,640回で、それに比べれば7割程度と結構少ない数字だったんですが、この辺の数字の背景、理由みたいなものだったり、また2年目はこれより上回って最大回数に近づくのかどうかとか、陸幕長のその辺のもし見解があればお願いします。
陸幕長
 大臣が先日の会見でですね、全17機の年間離着陸回数最大4,640回ですかね、佐賀配備1年目は当初想定していたものの7割程度というふうなお話をした(※2)と思います。その関連の質問であると思いますが、やはりですね、先ほど来ご説明をさせていただいてる話と同じで、操縦士の練度、それから機体の状況、それから、あと大きいのは天候とかもあると思います。それから、あと訓練の計画上の都合でですね、変更して飛行が延期になった、中止になったとかですね、そういうものはどうしても安全の観点からも含めてありますので、この数字がですね、目標というよりは、こういう結果になったということです。来年度はどういうふうに考えるかということでありますが、これもですね、自治体の皆様との関係ではですね、大体最大これくらいになるだろうという数字っていうのはですね、お話をしていくというのは大事なことだと思っています。ただ、結果がですね、繰り返しになりますが、安全確保の観点、天候・気象の観点、それから操縦士の練度、それから機体の状況の関係でですね、必ずその数字に、あるいはその目標数になるというふうな形のものではない、そういう性質のものではないと認識をしているところであります。練度上はですね、例えば数字が7割だったので練度に達してないんじゃないかとか、そういうご懸念があると思うのですけど、そういうことではなくてですね、やはり最大の目標数でありましたので、その中で必要な操縦士の練度の確認・点検、そういうものは十分になされているというふうに認識をしているところであります。
 ※1 「レゾリュート・ドラゴン」を、「部隊計画による飛行訓練」に修正
 ※2 全17機の年間離着陸回数最大約4,640回のうち、その7割程度の約3,300回であったことを表現
(以上)

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