日本の防衛と安全保障の今を伝える
[Jディフェンスニュース]

site search

menu

Jディフェンスニュース

JA2024速報──ダッソー・システムズ[W1-069]

  • その他

2024-10-18 08:07

2024年10月16日から19日まで開催されている「2024国際航空宇宙展」(JA2024)。主要出展ブースの展示内容を、短い記事にまとめてお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

ダッソー・システムズは、開発プロセス全体をカバーできるシステムを用意している。主契約社とサプライヤーの間で同じクラウド・ベースのプラットフォームを共用すれば、開発情報の共有が容易になるだろう 写真:井上孝司

 ダッソー・システムズというと、CAD製品(図面作成ソフトウェア)の「CATIA」(キャティア)が昔から有名だ。航空機産業として知られるダッソー・アビアシオンが設立した会社だが、ダッソー・アビアシオンと競合する米国メーカーでも、CATIAを使っていたりするから面白い。

 現在のダッソー・システムズは、CADのみならず、開発プロセス全体をカバーするプラットフォームを提供するようになった。

 昔なら、紙の上で図面を書いて、それを試作してテストする。場合によっては実大模型を作って検証する。そういう作業の繰り返しだった。ところが、ダッソー・システムズが提供する開発環境では、設計や、それを検証するためのシミュレーション、最終的に仕上がった設計図面を製造に流すところまで、全体の面倒を見てくれる。

 いちいち現物を作ってテストする代わりに、コンピュータ上でシミュレーション試験を行い、設計を煮詰めることができる。すると試行錯誤のプロセスが迅速に進む。

 業界用語を使うと、モデルベースのシステム工学(MBSE)を用いた開発プロセスを走らせる環境を用意しているのが、ダッソー・システムズだ。

 しかもそれをクラウド環境で提供しているので、顧客はいちいち自社でシステムを構築する負担を軽減できる。異なる部署の間で、あるいは主契約社とサプライヤーの間で設計情報を共有するのも、クラウドを活用すれば容易に行える。

(以上)

井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

bnrname
bnrname

pagetop