日米韓の参謀総長らが会議を開催、共同声明を発表(7月18日)
- 防衛省関連
2024-7-19 12:12
防衛省 統合幕僚監部は令和6(2024)年7月18日(木)、吉田圭秀(よしだ・よしひで)統合幕僚長、キム韓国合同参謀議長及びブラウン米統合参謀本部議長による日米韓参謀総長等会議が同日に東京で開催されたことを公表した。
またこれに併せて、共同声明文(日本語仮訳)を公表した。
3か国参謀総長会議の開催についての公表内容と、共同声明分はこちらのとおり。
日米韓参謀総長等会議の開催について
日米韓3か国の参謀総長等は、新時代の日米韓安全保障協力を大きく前進させました。
7月18日、吉田統合幕僚長は、ブラウン米統合参謀本部議長及びキム韓国合同参謀議長との間で日米韓参謀総長等会議を日本で行いました。先月の日米韓防衛相会談において、日米韓・日韓の協力が重要であることを強調されて以来、初めての日米韓ハイレベル交流です。
会議には、パパロ米インド太平洋軍司令官、ラカメラ朝鮮国連軍司令官/米韓連合軍司令官/在韓米軍司令官、ラップ在日米軍司令官/第5空軍司令官も参加しました。
会議冒頭、吉田統合幕僚長の「日米韓の強い結束が、地域の平和と安定の確保にとって極めて重要」との発言に続き、3者は、北朝鮮の脅威やインド太平洋地域における安全保障環境の懸念について認識の共有を行い、地域の最前線における3か国の緊密な連携の重要性を再確認しました。その後、6月に行われた複数領域における新たな日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ24」の成果を共有し、訓練拡大のコミットメントを確認する等、更なる日米韓3か国協力の発展とその具体化について議論しました。3者は朝鮮半島、インド太平洋及びそれを超えた地域の平和と安定を確保するため、日米韓3か国の協力を引き続き強化することで一致しました。
統幕は、今後とも協議や訓練といった様々な機会を通して、日米韓3か国の防衛協力を更に発展させてまいります。
日米韓参謀総長等共同声明(仮訳)
吉田統合幕僚長、キム韓国合同参謀議長及びブラウン米統合参謀本部議長は、2024年7月18日、東京において、日米韓参謀総長等会議を開催した。
3者は、朝鮮半島を含む地域の安全保障情勢に関する評価について意見交換し、3か国の安全保障協力及び情報共有における進展をレビューし、朝鮮半島、インド太平洋及びそれを超える地域における3か国の安全保障協力を深化させるための具体的な方法について議論した。また、2023年8月のキャンプ・デービッド首脳会合で推進された3か国安全保障協力の新時代のモメンタムを継続することが重要であることを確認した。
3者は、北朝鮮による挑発行為に対応するため、3か国間の緊密な連携を強化することの重要性を強調した。3者は、横田基地への共同部隊訪問の間、北朝鮮のミサイルに対処するためのリアルタイムでのミサイル警戒データ共有メカニズムに関する実務的な協力を含む、2023年8月のキャンプ・デービッド首脳会合及び2024年6月の日米韓防衛相会談以降の進展を再確認した。
3者は、北東アジアにおける平和と安定を守るためのコミットメントを強調した。3者は、北朝鮮による不法な核及び弾道ミサイル計画の継続的な進行や挑発行動、北朝鮮製の弾道ミサイルの調達及び使用を含む、累次の国連安保理決議に違反して行われた拡大する北朝鮮とロシアの間の軍事協力を非難した。3者は、北朝鮮に対し、全ての安定を損なう活動を直ちに停止するよう強く求めた。3者は、関連する国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向けた連携を続けることを誓約した。ブラウン米統合参謀本部議長は、日本及び韓国の防衛に対する米国のコミットメントは強固であることを改めて表明した。
3者は、インド太平洋地域における3か国による高度な安全保障協力関係に資する機会に焦点を当てつつ、地域の安全保障環境を形成している地政学的な動向に関する意見を取り交わした。また、南シナ海及び地域全体における中国による不法な海洋権益に関する主張を後押しし、エスカレートする危険かつ攻撃的な行動に関して各国が公に表明した立場を想起しつつ、3者は、国連海洋法条約に反映された国際法への確固たるコミットメントを再確認するとともに、インド太平洋地域の水域における、いかなる力による一方的な現状変更の試みにも反対すると表明した。
3者は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の維持が重要であることを再確認する。台湾に関する我々の基本的な立場に変更はなく、両岸問題の平和的な解決を促した。
3者は、2023年8月のキャンプ・デービッド首脳会合及び2024年6月の日米韓防衛相会談以降の、部隊間の相互運用性の向上を目的とした3か国の複数領域における共同訓練である、2024年6月に初めて実施された「フリーダム・エッジ」を含む、3か国安全保障協力に関する進展を認識した。共同の弾道ミサイル防衛、防空戦闘、対潜戦、捜索救難、海上阻止、サイバー攻撃対処訓練に焦点を当て、日米韓から複数の艦艇及び航空機が本訓練に参加した。3者は、フリーダム・エッジ訓練の強化へのコミットメントを確認し、平和、安定及び抑止のための共通の地域ビジョンを支える3か国間協力を制度化するための追加的な方法について議論した。
議論の中で、3者は、日米韓の安全保障協力がインド太平洋地域の安全と繁栄のみならず、共有されているグローバルな利益のためにも重要であることを強調した。3者は、グローバルな安全保障上の課題に対処するために、同盟国及びパートナーとの協力の重要性を強調した。3者は、朝鮮半島、インド太平洋及びそれを超える地域の平和と安全を促進するため、緊密な協議を維持し、3か国の安全保障協力を引き続き強化することを誓約した。
また、2025年の日米韓参謀総長等会議を韓国で開催することで合意した。
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