防衛省、ロシア軍によるウクライナ侵略の状況を更新(10月11日)
- 日本の防衛
2024-10-16 10:30
防衛省は令和6(2024)年10月11日(金)、ロシア軍によるウクライナ侵略の状況について、最新情報を更新した。
防衛省では2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、およそ1週間おきにマップ上にその状況をまとめ、公式サイトにおいて公表し続けてきている。
今回の更新はこちらのとおり。
ウクライナ関連
今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更であり、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為です。
防衛省としては、インド・太平洋地域への影響も見据えながら、関連動向の情報収集・分析に努めており、可能な限り、共有していきたいと考えています。
ロシア軍によるウクライナ侵略の状況(2024年10月11日時点)
ウクライナ軍が露西部クルスク州への越境攻撃を実施する一方、露軍は、同攻撃に対応しつつも、ウクライナ東部への攻勢及びウクライナ全土に対するミサイル・無人機攻撃を継続している模様です。
※以下は地図に記入された文字の書き出しです。一部の略語・略号は元の言葉に書き改めています。
戦闘による人的被害・物的損耗の状況
ロシア軍
:死者約18万人(ゼレンスキー大統領24年2月25日)
:死者約20万人、負傷者約40万人(ウォール・ストリート・ジャーナル24年9月17日)
:死傷者64.8万人以上(英国防省24年10月7日)
ウクライナ軍
:死者約3.1万人(ゼレンスキー大統領24年2月25日)
:死者約8万人、負傷者約40万人(ウォール・ストリート・ジャーナル24年9月17日)
ウクライナ市民
:死者10,582人以上、負傷者1万9,875人以上(国際連合24年2月22日)
戦況など
・ウクライナメディアは、ドネツク近郊の露側支配地域に対して実施したミサイル攻撃で、北朝鮮将校6人が死亡したと報道。韓国国防部長官は、同報道について事実である可能性が高いと述べたほか、北朝鮮が露側に正規軍を派遣する可能性は極めて高いとの認識を表明。他方、露大統領報道官は、同報道について否定(10月4日、8日、10日)
・蘭国防相は、F-16戦闘機をウクライナに初供与したとし、残りも数か月内に提供する旨発表(10月7日)
・仏国防相は、 2025年前期に、仏産戦闘機「ミラージュ2000」をウクライナに供与予定であると発表。また、ウクライナ用に、空対地戦闘用の装備や電子戦システムを強化する改良を実施しているほか、ウクライナパイロット及び整備士の訓練を実施していると言及(10月7日)
・ゼレンスキー大統領は、遅くとも2025年までに戦争を終結させる可能性について言及(10月9日)
・英国防省は、露軍兵士の1日あたりの平均死傷者数が、9月に過去最大の1,271人になったと発表(10月7日)
・ウクライナ作戦・戦略編組部隊「ルハンスク」報道官は、露軍がドネツク州トレツク市の東部郊外に進軍したとし、激しい戦闘が行われている旨発表(10月7日)
・ウフレダル市の防衛に当たっていたウクライナ軍旅団の司令官は、同市での戦闘について、露軍が特に戦車、歩兵戦闘車、砲兵及び人員面で非常に優勢にあったと発言。また、論理的には戦力比が1:3になれば露が優勢になるが、
同市では1:9であったと言及(10月8日)
・露国防省は、2日にドネツク州ヴェルフニョカミャンスケ村、4日に同州ウフレダル市、5日に同州ジェランネ・ドゥルヘ村、7日に同州フロディウカ村、8日に同州ゾリャネ・ペルシェ村及びゾロタ・ニーヴァ村を解放したと発表
・ウクライナメディアは、ウクライナ軍等が、露ヴォロネジ州ボリソグレスク軍事飛行場に所在する誘導爆弾の貯蔵庫、Su-35及びSu-34戦闘機の駐機場のほか、航空燃料庫を攻撃したと報道。米メディアは、衛星画像によれば、新たな火災の痕跡が見られるも建物への損傷は確認できないと報道(10月3日、4日)
・ウクライナ軍情報総局は、露軍の補給に使用されていたクリミア半島フェオドシヤ市の石油ターミナル(石油の積替え量でクリミア最大)を攻撃したと発表(10月7日)
・ウクライナ軍情報総局は、ウクライナ海軍部隊等が、露クラスノダール地方オクチャブリスキー村近郊にあるシャヘド型無人機の保管基地を攻撃したとし、この基地には約400機の攻撃型無人機が保管されていたと発表(10月9日)
・ウクライナ軍情報総局は、無人システム部隊等が、露ブリャンスク州の第67兵器庫を攻撃したとし、北朝鮮製を含むミサイル・砲弾のほか、誘導滑空爆弾を保管していたと発表(10月9日)
資料源:ウクライナ政府機関ウェブサイト、ロシア大統領府ウェブサイト、ISW等
(以上)
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