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中谷防衛大臣が臨時記者会見 普天間飛行場代替施設事業の工事視察などに対する質問に回答(12月14日)

  • 日本の防衛

2024-12-18 10:45

 令和6(2024)年12月14日(土)18時23分~18時41分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、ザ・ブセナテラス4階において名護市長、ハンセン三連協との面談後の臨時会見を行った。
 内容は、以下のとおり。

大臣からの発表事項

普天間飛行場代替施設建設事業や地元関係者との面談などについて

大臣 :今回、大臣就任後、初めて沖縄本島を訪問をする機会を得ました。就任時にも申し上げましたとおり、沖縄の基地負担軽減を実現するために、現場の状況を確認するとともに、地元の皆様と意見交換をする場をもつということは大変重要であると認識しております。
 本日は、まず、慰霊碑、摩文仁の丘にございますが、慰霊碑等の献花を行った後、那覇基地を訪問しまして、国防の最前線を担っている部隊等の指揮官と懇談をし、昨今の状況等について報告を受けました。
 次いで、現有の那覇港湾施設を、金城那覇市の副市長さんとともに視察をいたしました。跡地利用のポテンシャルが大変高い場所にあり、返還が熱望されているということが大変よく理解をされました。
 また、那覇港湾施設の移設先であります浦添ふ頭地区を視察をいたしました。現場では現在、冬季における海象等の影響のため中断をしておりますけれども、ボーリング調査を行っているところでありまして、代替施設を早期に建設できるように取り組んでいく、そうした決意を新たにいたしました。
 その後、普天間飛行場の移設先であります名護市の辺野古へ移動しまして、久辺三区の皆様、そして、古波蔵市議とお会いをいたしました。私からは、辺野古移設に御理解をいただいているということに対して改めて御礼を述べるとともに、引き続き、周辺住民の皆様への影響、また、環境の保全に配慮しながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けまして、辺野古への移設工事を着実に進めていくことを申し上げたところであります。久辺三区の区長さんからは、様々な御意見や御要望もいただきましたので、これをしっかり受け止めて、引き続き取り組んでまいります。
 その後、キャンプ・シュワブにおいて、ウォルフォード海兵隊の太平洋基地司令官と共に、普天間飛行場の代替施設の建設事業の工事現場の視察をいたしました。辺野古側については、埋立工事がほぼ完了をし、大浦湾側については、護岸工事や埋立工事が着実に進捗をしていることを確認をいたしました。また、大浦湾側で今後予定している地盤改良工事についても説明を受けました。
 なぜ地盤改良を行うかというと、地盤の上に整備する護岸などの安定性を確保するために行うものであります。大浦湾側の地盤で確認をされている粘性土の層は、非常に硬い粘性土から中くらいの粘性土に分類されるものであり、この地盤について、具体的な設計を踏まえた、必要な範囲の地盤改良工事、これを実施する予定であります。
 また、地盤改良等の設計は、国土交通省が監修をしておりまして、例えば、羽田空港等の多くの海上埋立空港で使用されている基準に基づいて行われております。海面下最大70mまで砂杭を打設をし、地盤改良を行うということで、構造物等の安定性を十分に確保できるとの結論が得られております。その工法についても、羽田空港や関西空港、那覇空港でも用いられているわけであります。長年にわたり多数の施工実績があるものが採用をされておりまして、これらは、有識者で構成される技術検討会において確認をいただきながら検討が行われたということでございます。
 このように、大浦湾側の地盤において確認されている粘性土、これは、一般的で施工実績が豊富な地盤改良工法によりまして、固い砂杭を打ち込むことによりまして、護岸の安定性を十分に確保することができる強度の地盤になるということで、これは問題なくですね、埋立地を完成をさせ、飛行場を建設できるということを、本日の視察を通じまして、改めて、私は、理解することができました。この工事を着実に進めて、一日も早く、代替施設を完成をさせ、普天間飛行場の返還を実現しなければならないと考えております。今後とも、しっかりと、着実に、工事を進めてもらいたいと考えております。
 そして先ほど、渡具知名護市長、仲間金武町長、當眞宜野座村長、山城恩納副村長にお会いしました。皆様からは、米軍機による騒音問題などの解決に向けて、引き続き取り組んでいくような御要請をいただきました。特に、名護市長からは、普天間飛行場の代替施設の建設事業について、市民から不安を払しょくをし、生活環境を守るように御要請をいただきました。防衛省としましては、引き続き米側に対する働きかけも含めまして、地元の影響が最小限となるように全力で努めてまいります。
 明日15日は、本日に引き続きまして基地関連市町村の皆さんとお会いをするほか、玉城知事、また、四軍調整官との会談を予定いたしております。防衛省としましては、しっかりと御意見や御要望を承りたいと考えております。

在沖米海兵隊のグアム移転開始について

 もう一点申し上げます。在沖米海兵隊のグアム移転開始につきまして、これは、平成18年、2006年の5月、「再編の実施のためのロードマップ」に在沖海兵隊のグアム移転が記されて以来、大きな節目を迎えます。
 今般、第3海兵機動展開部隊の後方支援要員約100名による先遣隊が、沖縄からグアムへの移転を開始をいたしました。グアムの移転開始は、在沖米海兵隊員の日本国外への移転の第一段でありまして、移転は、今後段階的に行われてまいります。
 在沖米海兵隊のグアム移転は大変重要であります。日米同盟は、インド太平洋地域における抑止力・対処力を強化する取組を推進をしつつ、同時に地元への影響の緩和を実現することに、引き続き尽力をしてまいります。
 我が国は、日米間の合意に基づきまして、米国政府に、グアム移転のための費用の一部を供与し、そして、資金を提供してまいりました。現在、我が国政府が資金を提供している事業を含め、移転に必要な事業が進んでおります。このような取組を着実に進めまして、今般のグアム移転開始の発表に至ったということは、大変意義があるというふうに考えております。防衛省としましては、引き続き米側と協力をし、在沖米海兵隊のグアム移転を進めてまいりたいと考えております。

記者との質疑応答

普天間飛行場代替施設建設事業や地元関係者の反応などについて

記者 :改めて、辺野古の方の移設に関して、地盤改良工事の具体的なスケジュール、また、その70メートルの改良工事の安定性確保の話ありました。あるいは、軟弱地盤の指摘などもありますけれども、その安定性が確保できるのかというところについて、改めて見解示していただきたいことと、移設工事の予算が増えている傾向にありますが、現時点で最新の見込み額伺えればと思います、
 また、今日の地元関係者との面談の中で、この海兵隊の移転について、説明したものの中で、負担軽減についての地元の関係者の反応、どういった反応があったのか、大臣の方が受止めたものがあれば聞かせてください。

大臣 :冒頭でも申し上げたとおりですね、普天間飛行場の代替施設の建設事業の地盤改良工事につきましては、多くの海上埋立空港で使用されている基準に基づいた設計が行われております。これは、長年にわたり多数の施工実績がある工法により、海面下最大70mまで砂杭を打設をし、地盤改良を行うことで、構造物等の安定性を十分確保できることを、有識者で構成されている技術検討会でも確認をいただいていると承知をしております。
 地盤改良工事の具体的な着手時期につきましては、サンゴ類の移植の進捗、また、工事の進捗状況、気象・海象状況等を踏まえる必要があることから、現時点では決まっていないと承知をしております。
 また、経費につきましては、令和元年2019年12月、沖縄防衛局において、経費の概略として約9300億円とお示しをしているところであります。辺野古移設に係る経費は、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現をし、そして、地元基地負担の軽減を図るために不可欠な経費であると考えておりまして、引き続き経費の抑制に努めながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいります。
 また、本日の地元の皆様のやり取りにおきましては、私の方からは、辺野古への移設工事にあたって、地元の皆様の不安を払しょくをし、また、生活環境を守っていくことは重要であり、名護市長をはじめとする地元の皆様と連携する旨を述べました。
 地元の方々からは、工事の安全対策、また、車両の事故防止の対策をしっかりしてほしいというような御意見がいただきました。今回いただいた御意見、御要望をしっかりと受け止めまして、引き続き、沖縄の基地負担軽減に全力で取り組んでまいりたいと思います。その他要望につきましては、先ほどやり取りで申し上げたとおりです。

オスプレイの運用停止や今後の対応について

記者 :オスプレイについて、米海軍航空システム司令部から運用停止の提言があり、米軍は一時運用停止しました。一方、自衛隊の方では、緊急時を除く運用停止の措置を引き続きとっておりますが、オースティン国防長官との会談もあったと思いますが、改めて運用停止にした詳細な理由や、国内の駐機しているオスプレイについての具体的な今後の対応を伺います。
 また、11日に普天間基地のオスプレイの飛行が再開されましたが、再開に向けて、米軍からどういった説明があったのかを伺います。

大臣 :先ほどお話しした経緯でですね、米海軍航空コマンドから全軍種に対して飛行の一時的な見合わせを推奨したという旨の説明が、米側から受けているところであります。また、この措置につきましては、一律に運用停止を指示をするというものではなくて、各軍種において、引き続き安全の確保に努めながら、それぞれの対応を行うものであるという旨の説明も受けております。
 海兵隊は、安全を確認をしてですね、飛んでいるわけでございます。自衛隊は、米側の情報を得て判断をするわけでございます。そういう意味で、海兵隊の方は、96時間の時期を経てですね、運用上必要不可欠ではない飛行を一時的に見合わせた上で、機体の徹底的な点検を行って飛行を再開しております。空軍は、12月6日から訓練飛行を一時的に見合わせをしております。また、海軍のCMV-22は、12月9日よりですね、一時的に全ての飛行を見合わせているという説明を受けております。
 こうした説明のほかですね、技術情報等も含めて、米側とは引き続き詳細なやり取りを行っているところでありまして、お尋ねの米側が実施している飛行の安全確保の内容等につきまして、確認作業を進めているところであります。
 なお、オスプレイの日本国内における飛行につきましては、飛行の安全確保が最優先ということは、今月10日に実施した日米防衛相会談も含めまして、日米間のあらゆるレベルで確認をいたしております。また、明日、ターナー在沖米軍四軍調整官との面談を予定しているところでありますが、その場においても、この安全確保に万全を期すために、更なる緊密な連携を求めていく考えであります。

在沖縄米海兵隊のグアム移転について

記者 :在沖縄米海兵隊のグアム移転開始についてお尋ねします。2012年に4,000人以上の海兵隊員を沖縄からグアムに移転することで合意していたと思います。12年という長い年月がかかっていること、また人数も100人ということで段階的に行うということですが、合意人数のごく一部で、まだ第二弾については決まっていません。このことの評価、受け止めについて聞かせてください。

大臣 :この移転の開始というのは、在沖米海兵隊員の日本国外への移転の第一段階であります。今後、移転は段階的に行われて、4,000名以上の海兵隊の要員が、沖縄からグアムに移転するということは日米間で確認をいたしております。
 防衛省としては、これまでの間にグアム移転に必要な取組を着実に進めて、今般、移転の開始の発表に至ったことは大変意義があると考えていますので、今後の移転計画については、米側において検討が進められると承知をしております。確たることを申し上げる段階にはありませんが、可能な限り早期にグアム移転が完了するよう、引き続き、米側と協力して取り組んでいきたいと考えております。

ユン大統領の弾劾訴追案の可決について

記者 :韓国国会は、先ほど、ユン大統領の弾劾訴追案を可決しました。ユン大統領は職務停止となります。安全保障への影響を含め、受け止めをお願いいたします。

大臣 :先ほど、ニュースでですね、韓国の国会において、ユン大統領に対する弾劾訴追案、これが可決されたという旨報じられているということについては承知をいたしております。他国の内政については、コメントいたしませんが、韓国は国際社会の様々な課題に我が国とパートナーとして協力すべき重要な隣国でありまして、地域の安全保障環境が厳しさと複雑さを増すなかで、日韓・日米韓、これの連携が益々重要になっているということには変わりはありません。
 したがいまして、防衛省としましては、韓国国内の一連の動きについて、特段かつ重大な関心をもって注視をしつつ、こうした日韓・日米韓の連携の重要性を踏まえながら、引き続き韓国側と緊密に意思疎通を図っていく考えであります。

(以上)

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