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中谷防衛大臣が臨時会見 普天間基地の辺野古移設などについて回答(12月15日)

  • 日本の防衛

2024-12-19 11:49

 令和6年12月15日(日)16時43分~16時59分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、沖縄県庁1階ロビーで沖縄県知事との面談後の臨時会見を行った。
 内容は、以下の通り。

大臣からの発表事項

 昨日に引き続きまして、米軍基地に関連する市町村として、中村うるま市長、當山嘉手納町長、渡久地北谷町長、佐喜眞宜野湾市長、松本浦添市長、知念那覇市長の皆様と会談をいたしました。
 これらの市町村におかれましては、かねてから基地負担を引き受けていただいておりまして、今般、その現状につきまして、首長の皆様から直接、私が対面でお伺いをするとともに、率直な御意見、そして様々な御要望等をいただけたところでございます。防衛省といたしましては、しっかりと受け止めて、引き続き基地負担軽減の目に見える成果を一つ一つ着実に出していけることができるようにですね、そのことをお約束をさせていただきました。
 その後、在沖米軍ターナー四軍調整官に会いました。私からは、日米同盟の抑止力・対処力の強化のための取組を推進をする一方で、沖縄における在日米軍の安定的なプレゼンス、これを確保する観点から、住民生活への影響を最小限にするように努めるということ、そのバランスを図っていくことが何よりも重要であると、そういったことを申し上げました。加えて、沖縄統合計画に基づきまして、普天間飛行場の可能な限りの早期の全面返還を含め、米軍の再編事業の着実な実施、これも通じて、引き続き沖縄の基地負担軽減に取り組んでいくということを確認をいたしました。
 そして先ほど、玉城沖縄県知事と会談をいたしましたが、玉城知事からは、大きな負担を軽減してほしいとの強い思いを伺いました。私からは、沖縄統合計画を着実に進めて嘉手納以南の土地の返還を早期に実現できるように全力を尽くしていくということ、また、米軍人による事件・事故をはじめとした諸問題につきましては、引き続き米側に対して粘り強く働きかけることなど、基地負担の軽減に向けまして、より一層取り組んでいくということをお約束をしました。特に、普天間飛行場については、その危険性の除去、一日も早い返還、これを実現をする、そうした点で玉城知事と一致をすることができたと思います。今後とも、こうした知事との対話、沖縄県に対する丁寧な説明、これを一つ一つ積み重ねてまいります。
 今回の沖縄訪問を通じまして、私は、沖縄の基地負担軽減のため、しっかりと取り組んでいかなければならない、その思いを強くしたところであります。また、現場に足を運び、この目で実情をよく確認をしながら、沖縄の皆様と直接の意思疎通を図るということは大変重要であるということを再認識させていただきました。今回の沖縄訪問、非常に有意義なものであったと感じております。

記者との質疑応答

普天間基地の辺野古移設について

記者 :普天間基地の辺野古移設に関連して、中谷大臣は2020年に玉城知事と面談し、辺野古の軍民共用や自衛隊との共同使用を提案しました。この案を、現在防衛大臣としても追求していく考えはありますでしょうか。

大臣 :今の考え方、思いはですね、やはり普天間飛行場の危険性の除去、そして一日も早い全面返還を実現をする。そのためには、普天間飛行場の代替施設に係る現行の計画に基づいて、辺野古移設に向けた工事を着実に進めていくということが、最も適切であるというふうに考えております。
 なお、軍民共用とする方針につきましては、平成18(2006)年に政府としては廃止をしており、また、普天間飛行場代替施設の共同使用については、従来から、政府として、自衛隊の部隊が常駐するような共同使用、すなわち自衛隊の部隊の配備というのは考えていないということでございます。

記者 :普天間基地の返還について、宜野湾市は返還期日の設定を求めていますが、アメリカ側と協議する考えなども含めて御見解をお伺いします。また、宜野湾市の佐喜眞市長は、既に埋め立てが完了した辺野古部分を活用して、普天間基地の機能の段階的移駐を求めていますが、実現性について、あわせて大臣の見解をお伺いいたします。

大臣 :普天間飛行場の代替施設の工期、これは、変更後の計画に基づく工事に着手をしてから、埋立工事に要する期間としては8年、工事完了までには9年3か月、提供手続きの完了までには12年を要するという旨、説明してきております。その上で、普天間飛行場の返還時期につきましては、完成後における部隊の移転などのプロセスを考慮する必要がありまして、現時点でお示しすることは困難でありますが、早期の全面返還が実現できるように、引き続き米国と密接に連携をしてまいります。
 次に、お尋ねのありました佐喜真市長のお考えにつきましては、普天間飛行場の返還、それまでの間の危険性の除去、そして騒音軽減、これらを着実に進めていくことにあるものと受け止めております。政府としましては、普天間飛行場の代替施設につきましては、現在の計画に基づいて、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するものだと考えております。
 そして、この一方で、全面返還が実現するまでの間におきましても、基地負担の軽減は一層進めていかなければなりません。米側に対して、航空機騒音規制措置の遵守をはじめ、安全面に最大限配慮をしつつ、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるように、引き続き粘り強く働きかけてまいります。そして同時に、航空機の訓練移転を着実に実施をし、住宅防音工事の助成など地域社会との調和に係る各種施策も通じて可能な限り、基地負担軽減、それの実現に向けまして努めていく考えであります。佐喜真市長と密接に連携をして、全力で取り組んでまいりたいと思います。

新政権発足後の初の沖縄訪問の意義と今後の課題

記者 :石破政権発足後、閣僚として初めての沖縄入りになりますが、今回のタイミングでの訪問の意義と狙いを教えてください。また、就任時と、先ほども地元の負担軽減を実現すると話されていましたが、普天間飛行場の辺野古移設、防衛力の南西シフトなど県と国で立場が大きく違うなかで具体的にどのように進めていくか、大臣自身、また石破政権として、どのように沖縄の諸課題に向き合っていくのかを聞かせてください。

大臣 :防衛大臣として就任後初めての沖縄入りとなりましたが、この意義と狙いにつきましては、やはり現状のですね、地元の沖縄の皆様方がどうお考えになっているのか、そして、現在の政策についてですね、どう評価をしていただいているのか、それを直接意見を聞いてですね、確認をしたかったからでございます。
 初めて沖縄を訪れたわけでありますが、2日間という短時間でありましたけれども、地元の米軍の関係の市町村の皆様、そして県知事にもお会いをすることができまして、直接、基地負担の実情についてお話を伺い、貴重な御意見、要望を承りまして、意思疎通を図ることができました。今後とも、こうした対話、そして丁寧な説明を一つ一つ積み重ねていきたいなというふうに思っております。
 さらに、キャンプ・シュワブにおきまして、辺野古移設に向けた工事の現場を視察いたしました。この工事の進捗状況をこの目で確認をすることができましたし、また、地盤の改良工事については、説明を受けておりましたけれども、直接現場を見てですね、工事関係者からも話を伺いましたけれども、問題なく埋立地を完成をさせ、飛行場を建設できるというということを、改めて理解することができました。
 沖縄には、多くの米軍施設・区域が集中しているわけでありますけれども、このことを重く受け止めて、そして沖縄の方々の気持ちに寄り添ってですね、そして、基地負担の軽減にさらに全力で取り組んでいかなければならないというふうに思っております。沖縄の基地負担の軽減にあたりましては、まず米軍施設・区域の返還、次に、米軍部隊による訓練の県外移転、そして、在沖米軍部隊の県外移転を中心に進めているところでありますが、今回の沖縄訪問を通じまして、沖縄の統合計画に基づく土地の返還を早期に実現をしてほしい、そういう声をですね、多くいただきました。移設工事を着実に進めまして、一日も早い返還を達成をしたいと思っております。
 また最後に、私から首長の皆様に対してですね、直接在沖米海兵隊によるグアム移転の開始について説明ができました。このことは、地元の影響の軽減の文脈において、最も意義があったと考えておりますので、引き続き米側と協力をして、在沖米海兵隊のグアム移転、これを進めてまいりたいと考えております。そして、併せまして米軍機の運用に伴う騒音、米軍人による事件・事故をはじめとした諸問題につきましても、皆様方から直接ですね、様々な御意見、御要望をいただきました。これをしっかり受け止めながら、引き続き、米側に対して粘り強く働きかけるなど、基地負担の軽減に向けて、より一層取り組んでいきたいと考えております。なお、本日、四軍調整官にはですね、直接こういった騒音の問題、そして事件・事故、これの再発防止、これを強くですね、改めて要望したところでございます。

記者 :辺野古移設を巡り、政府と沖縄県の主張が対立し平行線をたどっています。玉城知事は対話による解決を求めていますが、安倍政権下で実施したような、期間を決めて集中的に協議する場を設ける考えはありますでしょうか。また、玉城氏が求める日米両政府に沖縄県を加えた協議の場を設ける考えはありますでしょうか。

大臣 :思えば2001年にですね、普天間代替施設協議会ということで、国、名護市、県が一体となって協議する場がありました。そこではですね、やはり辺野古の移設が唯一の解決策であるという基本方針が決められまして、今着実にですね、工事が進めていかれておりますが、やはり、一日も早いですね、全面返還を実現をし、その危険性を除去するということにつながっていくのではないかというふうに思います。
 防衛省としましては、これまでも地元の皆様との対話を積み重ね、このような考え方のみならずですね、自然環境、また、住民の生活環境に十分配慮をして工事を実施することなどについて、丁寧な説明を行ってまいりました。そこで地元の皆様との間では、普天間飛行場の一日も早い全面返還と、返還までの間の危険性の除去、これを議論するための、普天間飛行場負担軽減推進会議、これを設けておりまして、今年の3月にはですね、沖縄県及び宜野湾市の参加を得て作業部会が開催をされております。また、米国との間では、日米両国間の関係におきまして、我が国を代表するのは、あくまでも政府であることから、日米両政府に沖縄県を加えた新たな協議の枠組みを作ることは考えていないということです。

グアムへの訓練移転について

記者 :先ほど知事さんが面談の場でですね、基地負担の軽減の関連で、グアムテニアンへの訓練移転について検討を要望されていましたけれども、それについて大臣お考えがあればお願いします。

大臣 :これは米国がですね、グアムの方の移転をどうするかという問題でありますが、やはり、国際情勢、これの変化とかですね、もう既に移転プログラムというのがありまして、まずは今回100名のですね、先遣隊がグアムへの移転を開始しましたけれども、これが第一弾であると、いわゆる先遣隊であるというふうに捉えておりまして、今後段階的に行われますと、4,000人以上の海兵隊の要員が沖縄からグアムに移転するということは、日米間で確認をされたことでございます。
 従いまして、防衛省しては、このグアム移転に必要な取組を着実に進めながらですね、今回は先遣隊として100名実現しましたが、今後こういったことが実現できますように、更に米国と協議を続けてまいりたいと。こういった国際情勢の中でですね、どういうふうにして進めていくのか、また移転先のグアムの施設、これの完成の状況とかですね、いろんな課題がありますので、そういった点を一つ一つ協議をしていきたいと思っております。

(以上)

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