ロシア軍によるウクライナ侵略の状況 3月17日 防衛省まとめ
- 日本の防衛
2025-3-19 11:00
防衛省は令和7(2025)年3月17日(月)、ロシア軍によるウクライナ侵略の状況について、最新情報を更新した。
防衛省では2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、およそ1週間おきにマップ上にその状況をまとめ、公式サイトにおいて公表し続けてきている。
今回の更新はこちらのとおり。
ウクライナ関連
今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更であり、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為です。
防衛省としては、インド・太平洋地域への影響も見据えながら、関連動向の情報収集・分析に努めており、可能な限り、共有していきたいと考えています。
ロシア軍によるウクライナ侵略の状況(2025年3月17日時点)
ウクライナ軍がロシア西部クルスク州における作戦及びロシア領内への無人機攻撃を継続する一方、ロシア軍は、ウクライナ東部への攻勢及びウクライナ全土に対するミサイル・無人機攻撃を継続しつつ、クルスクへの攻勢を強化している模様です。

※以下は地図に記入された文字の書き出しです。一部の略語・略号は元の言葉に書き改めています。
戦闘による人的被害・物的損耗の状況
ロシア軍:死者約19.8万人(ゼレンスキー大統領24年12月8日)
:死者約20万人、負傷者約40万人(WSJ24年9月17日)
:死傷者87万人以上(英国防省25年3月5日)
ウクライナ軍:死者4.3万人(ゼレンスキー大統領24年12月8日)
:死者約8万人、負傷者約40万人(WSJ24年9月17日)
ウクライナ市民:死者12,654人以上、負傷者2万9,392人以上(UN25年2月21日)
戦況など
・英国防省は、24年末から25年初頭に比べ、クルスク方面以外へのロシア攻勢作戦数は減少傾向にあり、ウクライナが反撃を遂行する機会が増加と指摘(3月10日)
・ロシア国防省は、3月8日から13日の間、クルスク州において26集落のほか、行政の中心都市であるスジャ市を解放したと発表
・プーチン大統領がクルスク州部隊の指揮所を訪問。これに際し、ロシア参謀総長は、攻撃の過程で1,100㎢が解放され、これはウクライナ占領地域の86%以上に相当すると報告。プーチン大統領は、直近の目標は可能な限り短期間でクルスク州の領士を完全に解放することであるとし、国境沿いにおける安全地帯設置の検討についても言及(3月12日)
・ロシア国防省は、3月9日にドネック州コスチャンチノピル、12日に同州ドニプロエネルヒヤを解放したと発表
・ウクライナ空軍は、ロシア軍がウクライナの重要なインフラ施設に対し、巡航ミサイル「Kh-101/Kh-55smn」x35発、「カリブル」✕8発、「Kh-59/Kh-69」✕8発、弾道ミサイル「イスカンデルM」/北朝鮮製「KN-23」✕3発、「S-300」地対空ミサイルx4発、シャヘド型攻撃無人機・その他T無人機x194機から成る大規模な複合攻撃を実施したとし、攻撃の焦点はガス生産施設であったと発表。また、同攻撃への対応には、F-16のほか、仏製戦闘機「ミラージュ-2000」も初参加したと発表(3月7日)
・ロシア国防省は、ウクライナ無人機x337機を迎撃したと発表(モスクワ州91機、クルスク州126機、ベルゴロド州25機、リャザン州22機、カルーガ州10機など)
モスクワ市長は、モスクワに対するウクライナ無人機攻撃の中で最大規模である旨発言。当局は、同攻撃により3人が死亡と発表(3月11日)
・サウジアラビアにおいて、米ウクライナ高官会議が実施。協議後の共同声明は、ロシアが受け入れ共に履行する場合には、ウクライナが30日間の即時休戦枠組みに関する米提案を受け入れる用意があることや、情報交換の一時停止の解除、対ウクライナ安全保障支援の再開、恒久的な和平達成に向けた交渉開始について記載(3月11日)
・プーチン大統領は、30日間の一時停戦案について、提案には賛成だが、長期的な平和をもたらし、紛争の根本原因を除去するようなものでなければならないと述べた上で、トランプ大統領と議論する必要がある旨発言(3月13日)
・ロシア大統領補佐官は、30日間の一時停戦は、ロシアには無益で、ウクライナに軍の再編等の機会を与えるだけである旨述べ、ロシアの正当な利益を考慮した恒久的な問題解決とはほど遠いと発言(3月13日)
資料源:ウクライナ政府機関ウェブサイト、ロシア大統領府ウェブサイト、ISW等
(以上)
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