中谷防衛大臣が記者会見 日米防衛相会談、大規模災害への対応などについて回答(4月1日)
- 日本の防衛
2025-4-3 10:45
令和7(2025)年4月1日(火)9時26分~9時41分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室において閣議後会見を行った。
内容は、以下のとおり。
日米防衛相会談(3月30日)について大臣から所感
大臣 :まず最初に、先日3月30日の日米防衛相会談について、改めて、私のほうから所感を述べたいと思います。
今回の会談について総括をしますと、まず何よりもヘグセス長官との会談は大成功であったと思います。様々な議題について率直かつ実りのある会談ができました。また、両者の信頼関係におきましても、長官からは旧友のような思いであったということでありますが、私も長官に対して個人的な敬愛とですね、また信頼関係をもちました。
そういう認識の下で会談を実施をしましたけれど、まず、日米で、インド太平洋での情勢認識、また、安全保障観点での目指す方向性といった考え方で一致をしました。そして、ヘグセス長官から会見でも述べられてましたけれども、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、日米が今後とも密接に連携していくという意志が示されました。そして、日米同盟がかつてないほど強固であるということ、トランプ大統領も日本との素晴らしい関係について明確に述べている旨、触れられた上で、日米同盟がインド太平洋地域における平和と安全の中核であるということ、そして、日米がともに日米の安全保障と繁栄、これを拡大をしているという旨が述べられました。そして、東シナ海などで力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対するとともに、日米同盟の抑止力と対処力を一層強化をしていく必要があるという認識で一致をしました。具体的な取組みとしては、自衛隊と米軍の指揮・統制を向上させるために、自衛隊の統合作戦司令部の発足にあわせて、在日米軍でも統合軍司令部の設立に向けたプロセスが始まったということを確認をいたしました。
第2に、共同訓練を通じて日本の南西地域での存在感を高めていくということで一致をしました。そして第3に、装備面での協力として、空対空ミサイルAMRAAMの共同生産に向けた取組を加速させるということで合意、日本側から艦対空ミサイルSM-6についても共同生産を検討したいという考えを伝えまして、この共同生産や共同開発を加速をさせていくということにおいても同意をしました。そして第4に、オーストラリア、フィリピン、韓国といった国々との間で、情報の共有、運用面での協力を進めていくということで一致しました。第5に、防衛費につきましては、防衛力の抜本的に強化する取組を説明をした上で、我が国自身の判断と責任において、進めていくことが重要だという説明に対しまして、ヘグセス長官は理解を示しました。
改めて、会談は非常に実りの多い大成功だったと思います。ヘグセス長官からも、会談は大成功だったと評価をいただいたところでありまして、今般の会談の成果、これを基に共に汗を流し、そして、同盟強化の道を進んでまいりたいと考えております。
記者との質疑応答
3月30日の日米防衛相会談について
記者 :ヘグセス長官からはですね、防衛費の負担絡みで、日本が同盟国として必要な能力について正しい判断を下すといった主旨の発言ですとか、具体的なGDP何パーセントとかは、確かに確認なかったですけれども、そういう主旨の発言ですとか、あるいは台湾の有事が起きた場合に日本が最前線に立つこととなるといった主旨の発言がありました。こうしたヘグセス長官の発言に対する大臣の受け止めを改めてお願いいたします。
大臣 :防衛費に関しましては、会談において、私からですね、我が国自身の努力としての防衛力の抜本的強化の取組、また、大切なのは防衛力の中身であるということについて、ヘグセス長官に説明をしまして、これについて米側からですね、理解を得ており、共同会見ではその認識を述べられたものと承知をいたしております。また、ヘグセス長官は共同会見において触れていたと思いますが、日本は西太平洋で我々が直面するかもしれない有事の最前線にいるということ、また、そのような状況において、なんといっても、日米同盟がインド太平洋地域における平和と安全の中核であるということ、そして、日米が共に日米の安全保障と繁栄を拡大をしていくという力強いメッセージが示されたものだというふうに思います。そして、我が国及び国際社会を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟の重要性は一層高まっており、同盟の抑止力・対処力の更なる強化に向けた取組を継続をしていくということが必要でありまして、今後もヘグセス長官を始めとしてトランプ政権との間で緊密に意思疎通をおこなっていくという考えであります。
記者 :今、発言もありましたけれども、ヘグセス長官との防衛相会談についてお伺いします。今、御発言もありましたが、西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになるみたいな発言がヘグセスさんからありましたけれども、やはり切迫感を示すような発言だったのかなと思います。日本として、今後、ますます対処力の向上が必要になってくる可能性もありますが、どのように備えていくお考えでしょうか。
大臣 :ヘグセス長官の、日本は西太平洋において我々が直面するかもしれない有事の最前線にいるということについては、そのような状況において、なんといっても日米同盟、これはインド太平洋地域における平和と安全の中核であるということ、そして、日米が共に日米の安全保障と繁栄を拡大していくという強いメッセージが示されたものであるというふうに受け止めております。会談でも一層厳しく複雑な安全保障に関する認識を共有をして、その中で日米同盟が並外れた力を持ち、インド太平洋の平和と安定を維持するという共通の認識に至りました。正にこうした認識を踏まえまして、日米の抑止力・対処力を強化をする必要があるということを強調した発言であると認識をしております。今回の会談では、先ほど申し上げましたが、日米の指揮・統制の枠組の向上、南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大、共同生産を含む日米防衛装備・技術協力、そして多国間連携、並びに米軍再編など、多岐にわたる議題について率直かつ実りのある議論を行ったというところでございます。
3月28日発生のミャンマー大地震への防衛省・自衛隊の対応について
記者 :ミャンマーで大地震が発生し、日本人一人と連絡が取れていないほか、バンコクでも大きな被害が出ております。こうしたですね、大規模な災害に対して、現在の防衛省・自衛隊の対応のですね、検討状況をお聞かせください。
大臣 :政府、特に外務省を中心にですね、国際緊急援助隊の派遣など、今検討されているようでございます。まず、ミャンマーの地震によって、非常に大きな被害が出ておりまして、その点については、心を痛めております。被害に遭われた方々に、心からのお見舞いを申し上げます。政府といたしましては、すでにJICAを通じて調査チームを派遣をしており、被災状況、また現地のニーズ等を確認をしております。今後、緊急援助隊の派遣検討に向けた調整を行う予定でございます。防衛省・自衛隊としましては、平素から国際緊急援助活動に備えて必要な待機態勢、これをとっており、協力を求められれば直ちに応じられる態勢にあります。引き続き、外務省を始めとした関係省庁とも緊密に連携をしつつ、情勢の推移に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
南西地域における日米の共同プレゼンス(存在感)の拡大について
記者 :防衛大臣会談の件でお伺いします。大臣からも御言及ございましたけれども、南西地域でのプレゼンスの拡大に関連してですね、より高度で実践的な共同訓練の拡充ということに言及されていると思います。訓練のより高度で実践的な拡充というのは、今までにやったことのない訓練をやったりとか、既存の訓練の規模を大きくしたりとか、色々とあると思うのですが、大臣は具体的にどういったイメージをされているのか、教えてください。
大臣 :現状を考えますと、やはり我が国を取り巻く安全保障環境、これ一層厳しさを増しておりまして、日米同盟の抑止力・対処力を強化をするために、これまでより高度かつ実践的な共同訓練、これを増加をさせてまいりました。また、不断の取組を行ってきたところででありますが、こうした認識については、2月の日米首脳会談でも確認をされてきたところであります。防衛省では、部隊の配備をはじめとする南西地域の防衛体制の強化のための取組、これを進めてきておりまして、南西地域における日米共同訓練といった取組を通じて、日米同盟の抑止力・対処力を高めていくことも重要であると考えております。今般の防衛相会談におきましては、こうした問題意識の下に、より高度かつ実践的な共同訓練・演習の必要性について検討をし、その範囲の拡大や向上に向けた取組について、今後とも実施をしていくということを確認をいたしました。将来の訓練の内容、場所については、現時点で予断をもってお答えすることは困難でありますが、引き続き、あらゆる事態に対応できるように、共同訓練を充実をさせていく考えであります。
今後のウクライナ支援の方針と日本の役割について
記者 :昨日、ウクライナのウメロフ国防相と電話会談をしたと発表されました。自衛隊車両の追加提供の引き渡し予定や、負傷兵の受け入れについて伝達したということですが、今後のウクライナ支援の方針について、聞かせてください。ウクライナを巡っては、米国と欧州の立場の違いが鮮明になっていますが、日本としてどのような役割を果たしていきたいか、大臣のお考えもあわせてお尋ねします。
大臣 :昨日のウメロフ国防大臣とのテレビ会談を実施をしましたけれども、ウメロフ大臣からはですね、これまでの支援について先方から感謝の念が述べられました。我が国の支援の実施の内容でございますが、これまでUNHCRからの要請を受けた、自衛隊機による人道支援の物資輸送、そして、防弾チョッキ、ヘルメットを始めとする装備品の提供、また自衛隊中央病院へのウクライナ負傷兵の受け入れ、また、欧州有志国が参加する「ITコアリション」など様々な取組を通じて支援を行ってまいりました。また、追加提供で発表いたしましたが、その車両がですね、今月の初めにウクライナに引渡しをする予定でございますので、間もなくウクライナに到着をする予定でございます。今後の支援についてもお話をいたしましたけれども、現時点において、これらに加えた新たな支援につきましては、現在、予断をもってお答えすることは困難でありますが、防衛省・自衛隊としては、困難に直面するウクライナの方々を支え、ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向けまして、国際社会や関係省庁と連携をしながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
(以上)
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