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中谷防衛大臣が記者会見 ルッテNATO事務総長との会談や米国の関税などの質問に回答(4月8日)

  • 日本の防衛

2025-4-10 09:23

 令和7(2025)年4月8日(火)09時23分~09時37分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟10階記者会見室において閣議後会見を行った。
 大臣からの発表事項はなく、以下のとおり記者との質疑応答が行われた。

記者との質疑応答

ルッテNATO事務総長との会談について

記者
 NATOのルッテ事務総長が今日から来日し、部隊視察や大臣との会談が予定されております。ルッテ事務総長との会談に向けて、大臣の意気込みをお願いいたします。それから、NATOと日本が連携する必要性や意義について、改めてですが、大臣の考えをお聞かせください。

大臣
 本日4月8日夕刻になりますが、ルッテNATO事務総長との間で会談を実施をいたします。ルッテ事務総長との会談は、昨年10月のNATO国防相会合の際に実施をして、半年ぶりになります。ルッテ事務総長による我が国を含むインド太平洋地域への訪問は、就任後初めてということでありまして、心から歓迎をいたしたいと思います。
 このような訪日の機会に会談を実施をするということは、我が国とNATOとの間の安全保障・防衛協力を更に進めていく上で、大変意味のあることであると考えております。また、昨年10月のNATO国防相会合には、初めて我が国を含むIP4、これが招待をされました。IP4というのは、日本、オーストラリア、韓国、ニュージーランドの4か国でありますが、これは欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であることを確認をいたしました。
 一層の厳しさを増す安全保障環境の中で、日NATO協力の戦略的意義というのはますます拡大をいたしております。今回の会談では、ルッテ事務総長との間でこうした認識を改めて共有をするとともに、日NATO協力文書である「日NATO国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」、これの基に、引き続きサイバー、宇宙、戦略的コミュニケーションや、相互運用性の向上など、様々な分野で実務的な協力を進めていくということなどを確認をしたいというふうに思います。

米国が課す関税について

記者
 アメリカが課している関税をめぐってですね、石破総理大臣は昨夜、アメリカのトランプ大統領と会談をしました。こうした関税をめぐってですね、同盟国間でもぎくしゃくした関係とはなっていますが、一方で、先の防衛相会談についてはですね、大臣は成功だという認識を示していらっしゃいます。
 関税をめぐるごたごたがですね、日米の同盟、あるいは日本の安全保障環境にどのような影響を与えるとお考えなのか。また、関税によって日本の防衛産業に対してですね、どういった影響があるのか、そして今後、対策を講じていく考えがあるのかお聞かせください。

大臣
 昨日夜、石破総理とトランプ大統領との間で、日米首脳電話会談、これが実施されたことは承知をいたしております。防衛分野におきましては、先日3月30日に日米防衛相会談において、ヘグセス国防長官との間で、一層厳しく複雑な、この安全保障環境に関する認識を共有をした上で、ヘグセス長官と共に、日米それぞれの防衛分野の強化、また日米同盟の抑止力・対処力強化の取組について、切迫感をもって進めていく決意、これを確認をしたところでございます。この共通の認識、そして決意には何ら変わったところはございません。
 お尋ねの相互関税措置の我が国の防衛産業への影響につきましては、関連情報を収集分析してまいりますが、先ほど官邸で開催された、「米国の関税措置に関する総合対策本部」の会合におきまして、総理から、次の3点の指示がありました。
 第1に、米国の関税措置の内容を精査するとともに、我が国への影響を十分に分析をするということ。そして第2に、引き続き米国に対して外交面の取組を進めること。そして第3に、国内産業への影響を勘案し、必要な支援に万全を期すること。以上の3点でございます。
 防衛省としても、関係省庁と協力・連携の上で、しっかりとこの点については取り組んでまいります。いずれにしましても、すでに戦略3文書で明確にしているとおりでありまして、我が国の防衛生産・技術基盤は、我が国の防衛力そのものであります。防衛省としましては、防衛生産基盤強化法に基づく措置など、生産・技術基盤の強化に向けた取組を、引き続き力強く推進をしてまいりたいと考えております。

米海軍の無人機MQ-4の再配備について

記者
 米海軍の無人機MQ-4がですね、嘉手納基地に再度配備されることになっていると思います。一時的に昨年半年間くらい運用されていたんですけれども、これが再配備されること自体についての大臣の御見解をお伺いしたいのとですね、あわせて、今、沖縄の基地負担の軽減ということを大臣も重要課題というふうにおっしゃっていると思いますが、地元から度重なる無人機の配備自体がですね、基地負担の軽減と逆行しているというような指摘もありますけれども、負担軽減、どのように図っていくとお考えか、見解をお聞かせください。

大臣
 我が国を取り巻く安全保障環境、これは、ますます厳しさを増している中でありまして、日米同盟の情報収集能力、これを向上させるという一環で、これまで米軍はグローバルホークやトライトン、MQ-9といった無人機を日本に展開をしてまいりました。
 今般、南西地域を含む我が国周辺における情報収集、警戒監視、偵察活動、これを強化をしていくという観点から、数機のトライトンが、今後数週間以内に展開完了を定めずに嘉手納基地を拠点に日本に展開をされるということになりました。
 この展開によりまして、日米同盟の情報収集能力、ひいては同盟の抑止力・対処力が向上するということが期待をされますが、展開に当たっては、基地負担の観点からも、できるだけ周辺地域への影響を局限する必要があると認識をいたしております。この点、トライトンは、これまで既に米空軍や航空自衛隊が日本で運用している同型機のグローバルホークと同様に、頻繁な離着陸は必要とせずに、また離陸後は速やかに洋上に進出するということを想定しておりまして、騒音による影響は限定的なものであります。
 昨年の嘉手納飛行場への一時展開に関しても、騒音に係る苦情というものは、ほぼ無かったとの報告を受けております。その上で、防衛省より米国に対して、日米合意である航空機騒音規制措置を遵守をしていくということを強く求めておりまして、米側からも、この日米合意に基づき、できるだけ周辺地域への影響を局限をする運用に努めているという説明を受けております。
 今後とも米側に対して、地域の実情を理解をした上で、騒音の低減を始め、一層協力をするように粘り強く働きかけるなど、可能な限りの基地負担の軽減に努めてまいります。こうした点につきましては、本日、地元の沖縄防衛局を通じまして、関係自治体を始めとする地元の皆様に対して、しっかりと説明をしてまいりたいと考えております。

佐賀空港へのオスプレイ配備について

記者
 昨日、佐賀市長が面会に来られた佐賀空港へのオスプレイ配備に関して3点ほどお伺いいたします。昨日の会談では、市長の方から機体の安全性の確保や、地域振興など3つの項目について対応の要請があったと思います。これに対する大臣の所感と今後の防衛省の対応をお聞かせください。
 2点目が、地域振興の点では、改めて佐賀市長から特定防衛施設への指定の依頼、要望があったと思います。現時点での見通しを教えてください。
 3点目が、オスプレイの木更津駐屯地への暫定配備が今年の7月9日までということで、期限が迫っております。17機全て期限内に佐賀へ移駐することができるのか、こちらも現時点での見通しを伺えますでしょうか。

大臣
 第1点目の地元への対応でございますが、現在、陸上自衛隊佐賀駐屯地、これ仮称でありますが、開設に向けて佐賀空港において施設整備を進めているところであります。これに関し、昨日4月7日に坂井佐賀市長と面談をいたしまして、航空機の安全性の確保、そして駐屯地の設置・運用に当たっての生活環境等への十分な配慮について御要請をいただきました。
 これに対して、私からは、まず最大限の対策を徹底をしつつ、安全確保に万全を期すること、第2に駐屯地の設置及び運用に当たっては、周辺環境に十分に配慮するとともに、必要な対策を講じるということ、これをお答えするとともに、地元の思いをしっかりと受け止めまして、責任をもって取り組んでいくという旨をお答えしたところであります。
 第2の特定防衛施設につきましては、防衛省としましては、今後必要な調査等を行った上で、佐賀駐屯地の設置・運用が、市民の生活環境に及ぼす影響等を考慮しまして、駐屯地開設後の航空機の運用状況、これが特定防衛施設の指定に係る基準を満たす場合には、佐賀駐屯地を特定防衛施設に早期に指定する予定でございます。さらに、防衛省としましては、陸上自衛隊のオスプレイの移駐に必要な施設を本年6月末までに完成をさせる予定としておりまして、その後、駐屯地を開設をして、陸上自衛隊のオスプレイを配備をする予定であります。
 いずれにしましても、早期に佐賀空港に駐屯地を開設をするという必要がありますので、また今、木更津市にオスプレイが駐機をしておりますけれども、木更津市に対しては陸自オスプレイの暫定配備期間は5年以内を目標とするという御説明をしていることも踏まえましてですね、最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。

(以上)

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