中谷防衛大臣が記者会見 米国との関税交渉、F-35の小松基地への配備ほか(4月25日)
- 日本の防衛
2025-4-28 17:31
令和7(2025)年4月25日(金)9時20分~9時35分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟10階記者会見室で閣議後の記者会見を行った。
内容は、以下の通り。
大臣からの発表事項
なし
記者との質疑応答
米国との2回目の関税交渉と安全保障について
記者 :
アメリカとの関税交渉についてお伺いいたします。赤澤大臣は30日にも訪米して2回目の関税交渉を行う予定ですが、今回の関税交渉に期待することを教えていただけますでしょうか。また、大臣は以前から会見や国会答弁などで、関税と安全保障は別のものとの認識を示されていますが、前回はトランプ大統領が在日米軍駐留経費の負担の在り方について不満を述べるなどありました。今回、防衛省として、どのような対策をされているのでしょうか。また、今回の関税交渉で安全保障や防衛負担などについて触れられた場合は、どのように対応していくお考えでしょうか。
大臣 :
先ほど、総理官邸におきまして「米国の関税措置に関する総合対策本部」が開催をされました。
総理からは、企業や国民の声を積極的に伺い、必要な支援に万全を期することという指示がありました。引き続き、政府一丸となって、米国の関税措置に関する対応に取り組んでいく所存でございます。日米双方にとって利益となるような協議が行われることを期待をいたしておりますが、この米国の関税措置に関する日米協議につきましては、先般の協議において、次回の協議を今月中にも実施すべく日程調整をするということで一致しております。現在、米国と調整中でありますが、現時点で決まっていないということを承知をしておりますが、その上で、米国の関税措置に関する日米協議は、主に経済分野の取組に焦点を当てるということであります。
いずれにしても、米国の関税措置をめぐっては、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組むこととしており、防衛省としても、引き続き、関係省庁とも協力・連携の上、しっかりと取り組んでいく所存でございます。
アメリカ海兵隊員の暴行事件について
記者 :
沖縄県内で、アメリカ海兵隊の兵士2名がそれぞれ、女性に性的暴行をしたとして、今月7日に書類送検され、このうち1人は昨日、不起訴となりました。昨年もこうした事件が発生し、様々な取組を防衛省としてもされている中で事件は繰り返されています。大臣の受け止めをお願いいたします。また、新しくアメリカの駐日大使に着任したジョージ・グラス氏と近く面会する機会もあるかとは思うのですけれども、その際に、本件等を受けてどのように抗議して、再発防止策についてどういったことを求められるおつもりか、お考えをよろしくお願いします。
大臣 :
状況につきましては、お尋ねの2つの事案のうち1件につきましては、昨日24日、那覇地検が不起訴処分にしたという旨を公表したと承知をいたしております。これ以上につきましては、個別の事件による捜査機関の活動内容に関する事項でありまして、防衛省としてはコメントすることは差し控えなければならないということを御理解をいただきたいと思います。
その上で、防衛省として、米軍人等による事件・事故、これは、地元の皆様には大きな不安を与えるものでありまして、あってはならないことと考えております。米側に対しては、兵士の教育や綱紀粛正、再発防止の徹底について、機会あるごとに強く申し入れを行ってきています。3月の日米防衛相会談においても、私からヘグセス米国防長官との間で、在日米軍による事件・事故の再発防止のための協力を進めていくということで一致をしました。
本件を受けまして、グラス次期駐日米国大使も、このような事案を防止するため全力を尽くす旨の声明を発表したところであります。大使とは早急に意見交換をする機会を得たいと考えておりますが、その際には、改めて米国兵士の教育や綱紀粛正、そして、再発防止策の徹底について、更なる努力を求めていく考えでございます。
F-35の小松基地への配備について
記者 :
F-35の小松基地への配備についてお尋ねします。新たに3機が配備された小松基地で式典が行われます。2箇所目の配備先として、小松基地を選んだ理由とですね、今回の配備の意義をお聞きできればと思います。また近年ですね、中国やロシアなどの航空機に対するスクランブルの回数が増えていますが、三沢、小松の2箇所の配備体制になることで、日本の防空能力がどう高まるのか、あわせて教えてください。
大臣 :
明日、26日でありますけれども、小松基地において、F-35Aの配備式典が明日開催をされまして、防衛省からは小林防衛大臣政務官が出席をする予定であります。
F-35Aにつきましては、これまで三沢基地に配備をしてきていたところでありますが、日本海側の防空体制の強化、そして日本海の訓練空域、非常に広大な空域でありますけれども、この活用のためにもですね、小松基地にも2個飛行隊分を配備をする計画としておりまして、今般、小松基地には3機が配備をされます。これは、それに向けた第一歩となるものであります。
近年、緊急発進回数も高い水準で推移をしている中におきましても、高いステルス性や優れたネットワーク性の機能を有するF-35Aの配備は、我が国の防衛能力を向上していく上で、極めて重要な意味を持っております。引き続き、着実な配備を進めて我が国全体の防空能力の強化に努めてまいりたいと考えております。
4月24日の沖縄県久米島町における上空落下物について
記者 :
昨日なんですけれども、沖縄の久米島町で筒状の物体が上空から落下したとの通報がありまして、現場では火災も発生したということで、沖縄県とか沖縄県警察とともに、沖縄防衛局からも現地に職員を派遣して調査をしたというふうに伺っております。この調査の結果とですね、米軍とか自衛隊の航空機からの落下物であるのかどうかの可能性も含めて、現時点で把握している情報を教えてください。
大臣 :
昨日、4月24日、沖縄県久米島町において、筒状の物体が落下後、周辺の畑が燃えたとの通報があり、実際に畑が燃える事案が発生をしたというふうに承知をいたしております。防衛省としましては、本件を受けまして、速やかに職員を現地に派遣をするとともに、関係自治体への情報提供を行ったところであります。現場では、火災の原因となったとみられる物体が見つかったとの報告を受けておりますが、これが米軍や自衛隊の航空機等からの落下物であるのかにつきましては、現在、確認を進めているところでございます。本日、4月25日、沖縄県警が現地調査を行うと承知しておりまして、防衛省としてもこの調査に協力をしてまいりたいというふうに思います。現在の状況につきましては以上です。
記者 :
念のため確認ですけれども、今の時点で落下物ではないという断定もできないという理解でいいですか。
大臣 :
先ほどお話をしましたように、現在、調査をいたしておりますが、火災の原因となった物体が見つかったという報告を受けております。写真等もあるようでありますが、これは米軍や自衛隊の航空機等からの落下物であるかにつきましては、現在、確認を進めているところであります。
米軍オスプレイの奄美空港への予防着陸について
記者 :
昨日、鹿児島県奄美大島の奄美空港に米軍オスプレイが一時的に着陸する事案がありました。鹿児島県内では、こうした米軍オスプレイの緊急的な着陸が直近半年間だけでも4件目となります。今回の事案を受けて、米軍に対してどのような対応をされたのでしょうか。また、2023年11月には屋久島沖で墜落事故も発生しており、地元住民からは不安の声もあります。オスプレイの安全性について改めて大臣の見解をお願いします。
大臣 :
お尋ねにつきましては、昨日4月24日、15時30分頃に、米海兵隊普天間飛行場所属のMV-22オスプレイ1機が、飛行中に警告灯が点灯したために、鹿児島県の奄美空港に予防着陸をいたしました。その後、機体の安全が確認をできたことから、同日17時3分頃、奄美空港を離陸したとの報告を受けております。この着陸による周辺住民や建物等への被害、また民間機への影響は確認をされておりません。
防衛省としましては、本件を受けて速やかに関係自治体への情報提供を行いました。予防着陸というのは、パイロットが飛行中に、航空機の何らか異常、そして通常と異なることを示す兆候を察知した場合に、危険の未然防止のために行うものであります。安全確保の手段として必要な措置であると承知をしておりまして、今後米軍機の運用に際しましては、引き続き、安全の確保、これが大前提と考えておりまして、米側に対して、安全管理に万全を期すように求めてまいります。飛行の安全につきましては、防衛省としては問題がないというふうに認識をしております。
記者 :
今回の事案を受けて、特段何か米軍側に要請したりとかというのは、今のところないと考えてよろしいでしょうか。
大臣 :
今回の事案につきましては、当日ですね、この予防着陸の後、離陸をしたと報告を受けておりますので、特段米国に対して申し入れとか、そういった意見を申し上げることはいたしておりません。
記者 :
先ほどの久米島の件で確認なんですけれども、自衛隊か米軍のものか確認中ということでしたが、米軍側に対して何らかの照会等のアクションを起こしていらっしゃるという認識でよろしいでしょうか。
大臣 :
米軍に対しては、照会をいたしております。また、本日は県警が現地調査を行うと承知しておりますので、引き続き、米側には接触をしながら意見も聴取しながらですね、この捜査に全力で協力してまいりたいと考えております。
日米関税協議への防衛省職員の参加はあるか
記者 :
日米関税協議に関してお伺いします。次回の協議には、防衛省から職員を米国に出す可能性があるのかどうかを教えてください。
大臣 :
本日も関係閣僚の協議を行ったわけでございますが、政府全体としてですね、まとまった体制で適切な下でですね、協議に臨むことということは確認をいたしております。次回の体制について、現時点で予断をもってお答えすることはいたしませんが、現時点におきましては関係省庁とも協力連絡の上ですね、しっかり取り組んでいく考えでございますので、現時点においてアメリカに行くとか同行するとかそのようなことは現在求められておりませんし、考えておりません。
(以上)
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