JICA漏えい・IT補助金不正・潜水艦便宜供与 防衛省が令和5年度決算議決への対応措置を報告
- 日本の防衛
2026-2-25 09:40
防衛省は令和8(2026)年2月20日(金)15時00分、令和5年度決算に関する参議院の議決について講じた措置を以下のように発表した。
令和5年度決算に関する参議院の議決について講じた措置
政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等に鑑み、国費の効率的使用、事務・事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してきたところである。
令和5年度決算に関する参議院の議決について講じた措置は、次のとおりである。
1 独立行政法人国際協力機構における入札情報の漏えいについて
独立行政法人国際協力機構における入札情報の漏えいについては、令和6年11月に検証委員会を設置し、同機構と漏えい先企業との組織的関与の有無を含む調査を実施した結果、令和7年6月の報告書において、組織的関与は確認されなかった。
また、同機構は再発防止策として、コンプライアンス・マニュアル及び調達に係る執務参考資料の整備や内部・外部通報制度の改善、法務・コンプライアンス部の新設による不正調査に関する機能の集約・強化などに加え、類似事案等の把握のため総点検調査を実施したところである。さらに、報告書にて言及された類似事案については、法務・コンプライアンス部による内部調査を実施し、同調査結果に基づき懲戒処分を行い速やかに公表した。
引き続き、総点検調査の結果等を踏まえ、同機構の組織改革及び外務省による厳格な指導監督により、再発防止に万全を期してまいる所存である。
2 IT導入支援事業における補助金の不正受給について
IT導入支援事業における補助金の不正受給については、不正行為を行っていた事業者の交付決定を取り消し、補助金の返還請求を行うとともに、不正に関与したIT導入支援事業者の登録取消等を実施したところである。
さらに、令和6年11月25日から令和7年4月30日にかけて、当該補助金の交付を受けた全ての補助事業者を対象に調査を行い、不適切な行為を確認した補助事業者に対して補助金の返還請求を行ったところである。
引き続き、独立行政法人中小企業基盤整備機構及び当該事業の管理・運営等を実施する事務局に対して、審査の厳格化及び立入調査の強化を確実に履行するよう指導を徹底し、再発防止に万全を期してまいる所存である。
3 埼玉県八潮市における道路陥没事故について
埼玉県八潮市における道路陥没事故については、同様の事故の再発防止に向け、有識者委員会の提言や「第1次国土強靱化実施中期計画」を踏まえ、下水道管路の点検の頻度や方法の見直しを進めるとともに、全国特別重点調査や、これに基づく大口径管路の更新、管路複線化等による多重化に取り組んでいるところである。
また、DX技術の導入については、令和9年度までのDX技術の標準実装に向け、「上下水道DX技術カタログ」の周知・内容の充実や、防災・安全交付金等の活用により、地方公共団体の取組を技術的・財政的に支援しているところである。
さらに、人材確保の強化については、有識者委員会において産官学連携の取組等に関する議論を行っているところであり、今後の方向性を取りまとめることとしている。
引き続き、強靱で持続可能な下水道の構築のため、これらの取組を着実に進め、再発防止に万全を期してまいる所存である。
4 海上自衛隊の潜水艦乗組員に対する不正な便宜供与について
海上自衛隊の潜水艦乗組員に対する不正な便宜供与については、令和7年7月に防衛事務次官から各機関等の長に対して通達を発出し、特別防衛監察の最終報告を踏まえた再発防止策の着実な実施を指示したところである。
また、川崎重工業株式会社の超過利益については、返納に向けて架空取引を個別に確認しているところである。
関係者の処分については、令和7年7月に海上幕僚長以下93名に対して、指揮監督義務違反による減給の処分等を行い、また、令和7年8月及び12月に私的物品を受領した隊員11名に対して、自衛隊員倫理規程違反による停職の処分等を行ったところである。
引き続き、不適切な行為が再び起こることのないよう、法令遵守の徹底など再発防止に努めてまいる所存である。
(参考)令和5年度決算に関する参議院の議決(令和7年6月11日議決)
一、本件決算は、これを是認する。
二、内閣に対し、次のとおり警告する。
内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
1 フィリピンに対する政府開発援助(ODA)である首都圏鉄道三号線改修事業において、独立行政法人国際協力機構(JICA)の職員が、調達手続に関する秘密情報を入札前の段階で複数回にわたって国内の特定企業に漏えいしていたことは、遺憾である。
政府は、日本のODA全体への不信を招きかねない事態が生じたことを重く受け止め、JICAが設置した検証委員会を通じて、情報漏えいの動機になり得るJICAと漏えい先企業との関係性や組織的な関与の有無を含む徹底した調査を行うとともに、JICAの組織改革及び外務省による厳格な指導監督により、再発防止に万全を期すべきである。
2 独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施したIT導入支援事業において、補助金を受給した中小企業者等が悪質なIT導入支援事業者等からの働きかけを契機に資金の還流を受けるなどの不正を行っていたこと、経済産業省及び中小企業庁が適切な指導を行っていなかったことにより、会計検査院に指摘されるまで機構等による立入調査が一度も実施されず、不正の拡大を招く事態となったことは、遺憾である。
政府は、不正を防止するための制度や審査の不備のみならず、不適切な事後対応により大規模な不正を許す事態となったことを重く受け止め、全容解明のための調査及び不正受給を行った事業者に対する補助金の返還請求を厳正に行うとともに、機構等に対して審査の厳格化及び立入調査の強化を確実に履行させるよう指導を徹底し、再発防止に万全を期すべきである。
3 令和7年1月、埼玉県八潮市において下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没事故が起き、トラック一台が巻き込まれ運転手が亡くなるとともに、約120万人に下水道の使用自粛が求められるなど甚大な影響が生じたことは、極めて遺憾である。
政府は、インフラメンテナンスの強化に取り組んできた中、今般の重大事故が発生したことを重く受け止め、下水道事業を担う地方公共団体に対し、職員の負担軽減に資するDX技術の導入に向けた技術的・財政的支援を行うとともに、強靱で持続可能な下水道の構築のため、産官学連携による人材確保の強化に取り組み、再発防止に万全を期すべきである。
4 海上自衛隊が保有する潜水艦の修理契約において、契約先の川崎重工業株式会社が遅くとも昭和60年頃から出入業者との間で架空取引を行っていたこと、当該架空取引によって作出した裏金を原資に同社から潜水艦乗組員に対し飲食代金の負担や私的物品の提供といった便宜供与が行われていたことは、遺憾である。
政府は、防衛費増額に伴い国民に新たな負担を求めようとしている中、自衛隊員が自らの懐を肥やす不正を行っていたことを重く受け止め、速やかに本事案の全貌を明らかにした上で、同社がその一部を架空取引の原資としていた超過利益を返納させるとともに、関係者に対して厳正な処分を行い、法令遵守の徹底など再発防止に万全を期すべきである。
(以上)
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