小泉防衛大臣が記者会見 米軍根岸住宅地の返還やスタンド・オフ・ミサイルの納入、イラン情勢など(3月13日)
- 日本の防衛
2026-3-17 11:00
令和8(2026)年3月13日(金)10時22分~10時31分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において、閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
○ 今日は冒頭2点あります。まず1点目は、根岸住宅地の返還についてです。昨日、神奈川県横浜市に所在する米軍根岸住宅地区約43ヘクタールについて、その全部を令和8年6月30日までに返還することを日米間で合意しました。この返還により、平成16年10月の日米合同委員会で、神奈川県内の米軍施設・区域の整理等として合意された、返還予定面積約419ヘクタールのほとんどとなる約418ヘクタールが返還されることになります。
今回の返還は、日米同盟の下で、必要な抑止力を維持しつつ、米軍施設・区域の整理を着実に進めるとともに、大規模な土地の返還を通じ、根岸住宅地区における地域社会の将来に資するまちづくりを可能とする観点から重要な意義を有するものです。防衛省としては、返還された土地が有効かつ適切に利用されるよう、地元の声に丁寧に耳を傾けつつ、横浜市など関係自治体と連携して対応してまいります。
○ 2点目は、スタンド・オフ・ミサイルの納入についてです。防衛省・自衛隊では、平成29年にスタンド・オフ・ミサイルの導入を決定し、令和4年策定の国家防衛戦略でも、重視する7つの能力のうちの1つとしてスタンド・オフ防衛能力を強化することとしていました。
今般、スタンド・オフ・ミサイルとして、アメリカ製のトマホークと、ノルウェー製のJSMの自衛隊への納入が開始されました。スタンド・オフ・ミサイルは、我が国に侵攻してくる相手に対して、その脅威の外から対処することを可能とするもので、自衛隊員の命を守りながら侵攻を阻止するための重要な装備品です。また、艦艇や上陸部隊によって我が国に侵攻をしても確実に阻止されるということを相手に認識させ、我が国への武力攻撃そのものを抑止することにつながります。
こうした能力の強化は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くために必要なものです。スタンド・オフ・ミサイルを含め、我が国が保有する防衛力が、相手から武力攻撃を受けた場合に初めて行使される、自衛のための必要最小限の防衛力であることに変わりはなく、他国に脅威を与えるようなことはありません。引き続き、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力の一層の強化と変革に取り組んでまいります。冒頭は2点、以上です。
記者との質疑応答
ホルムズ海峡をめぐる情勢について
記者 :
イラン情勢に関して2点伺います。ホルムズ海峡でイランが機雷の敷設を始めたとの報道もありますが、防衛省として把握している事実関係を教えてください。2点目ですが、防衛省・自衛隊内では、中東地域への自衛隊の派遣に関して、想定される事態や法的整合性などのシミュレーションは行っているのかどうかについて教えてください。
大臣 :
まず1点目ですけれども、本件に関する報道は承知していますが、政府として、ホルムズ海峡をめぐる情勢については、重大な関心を持って情報収集を続けているところです。また、政府における議論の状況等についてお答えすることは差し控えますが、あくまで一般論として申し上げれば、我が国及び国民の皆様の平和と安全、そして繁栄を確保するため、政府としていかなる事態に対しても対応できるよう、万全を期していくことは当然です。
いずれにせよ、政府としては、事態の早期沈静化に向けて、国際社会とともに連携し、対応に万全を期してまいります。
イラン情勢を踏まえた安保三文書改定について
記者 :
イラン情勢を踏まえた安保三文書の改定について伺います。イランによる無人航空機や無人船舶を利用した攻撃や隠蔽したミサイルを使った攻撃、アメリカ・イスラエルによる迎撃戦闘や無人機を使った攻撃、双方による情報戦・宣伝戦が繰り広げられています。こうした戦い方は、今後本格化する安全保障三文書改定に向けた論点にもなり得ると考えますが、今後の検討にどう生かしていくか所感をお願いいたします。
大臣 :
従来から申し上げてきたとおり、無人機の大量運用を含む「新しい戦い方」が現実に行われており、例えば、ウクライナ侵略の中で行われている、2、3週間のうちにドローンの技術がアップデートされるといった、今までには考えられないような速度のイノベーション・サイクルや、電子戦、AI、宇宙、サイバー、情報戦といった要素を駆使した以前よりも巧妙さを増したハイブリッド戦、そしてアメリカの陸軍長官が、アメリカ陸軍は今後2、3年で少なくとも100万機のドローンを購入することを目指すと発言をしているなど、各国の進めている調達のスケールなども踏まえ、今後我が国としてどうするのかを考えていかなければなりません。
イランをめぐる状況は時々刻々と変化しているため、これに対する評価を予断することは困難ですが、いずれにせよ、我が国としての「新しい戦い方」をいかに構築するかという観点から、今後の防衛力について、しっかりと議論を積み上げてまいります。また、情報戦に対しては、偽情報の見破りや分析、そして適切な情報の戦略的・迅速な発信等を肝とした対応能力の強化が急務です。
私の着任以来、防衛省・自衛隊のあらゆる業務についての情報発信を強化してきているところ、政策・情報・運用の各部門が一体となって、また関係省庁とも連携しながら、収集・分析・発信のあらゆる段階において必要な措置を講じてまいりたいと考えています。
ホルムズ海峡を含む海上輸送路の安全確保について
記者 :
イラン情勢をめぐってですね、G7の議長国フランスが、先日のオンライン首脳会談を受けて声明を発表しまして、航行の自由の回復に向けて各国が協力していくことで合意しています。また安全上の条件が整った際に、船舶の護衛ができるかの検討を始めたとしていますが、現時点での日本政府として、どういった法的裏付けで船舶の護衛が考えられるのか。また、そういった現在の検討状況について伺います。
大臣 :
3月11日に実施された、中東情勢に関するG7オンライン首脳会議において、ホルムズ海峡を含む海上輸送路の安全確保を含め、様々な議論が行われ、また、御指摘の発表は議長国であるフランスの判断として行われたものだと承知をしています。その上で、日本政府として、ホルムズ海峡をめぐる情勢について重大な関心を持って鋭意情報収集を行ってきていますが、自衛隊の派遣については何ら決まっていません。
いずれにせよ、現在最も重要なことは、事態の早期沈静化です。我が国として、国際社会とも連携し、引き続き、必要なあらゆる努力を行う中で、我が国及び国民の皆様の平和と安全、そして繁栄を確保するため、いかなる事態に対しても対応できるよう、万全を期してまいります。
日米間の機密情報の共有について
記者 :
日米両政府が自衛隊と米軍の間での機密情報の共有を拡充する方針だとの一部報道があります。こちらに関連してお伺いしますが、今後、自衛隊と米軍の間で機密を更に共有していく考えというのはあるのでしょうか。ある場合は防衛省としてのねらいを教えてください。また関連して、自衛隊として米国のセキュリティークラウドを導入する考えについて検討状況をお伺いします。
大臣 :
平素から日米間においては、様々なレベルで情報共有を実施してきています。一般論として、現在の安全保障環境を踏まえれば、こうした取組を更に深化させていく必要があることは言うまでもありません。こうした問題意識の下、これまでも日米間では、様々な議論を行ってきていますが、その詳細については、事柄の性質上お答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
その上で、防衛省・自衛隊として、AIを活用した高度なデータ処理・分析を背景とした戦い方に対応していくためには、強靭な通信ネットワークと、大量の情報を蓄積・処理可能なデータ基盤を構築する必要があります。具体的なデータ基盤の在り方について、何ら決まったものはありませんが、仮に「クラウド」を導入する場合にも、我が国の機微なデータを取り扱うものであることから、安全性のみならず、我が国のコントロールの下で運用管理するといった主権性を確保していくことが不可欠であると考えています。
米国の次世代型ミサイル防衛構想について
記者 :
日米首脳会談において、米国が進める次世代型ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」に日本が参加することを伝えるという報道がありますが、事実関係と検討状況をお伺いします。
大臣 :
日米首脳会談における具体的な成果の中身については予断することは差し控えます。その上で申し上げれば、これまで日米の間では、極超音速滑空兵器への対処能力向上のための迎撃ミサイルであるGPIの共同開発を含め、ミサイル防衛に関して緊密な連携を図ってきているところです。防衛省としては、こうした取組を通じて、引き続き、アメリカとの防衛装備・技術協力を推進してまいります。
(以上)
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