[国会答弁]地方自治の本旨と地方公務員の兼業特例の関係に関する質問と答弁(4月24日)
- 日本の防衛
2026-4-28 09:11
令和8(2026)年4月24日(金)、第221回国会(特別会)に提出された「地方自治の本旨と地方公務員の兼業特例の関係に関する質問主意書」に対する答弁書が閣議決定・公表された。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
質問第34号
令和8年4月15日提出
地方自治の本旨と地方公務員の兼業特例の関係に関する質問主意書
提出者 石垣のりこ
日本国憲法第92条は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と規定している。同条における「地方自治の本旨」とは、地方における行政について、国から独立した人格を有する地方公共団体の存立を認め、その団体自らの手により自主、自律的にその事務を処理するという「団体自治の原則」、その団体の住民の意思と責任に基づいてその事務を処理するという「住民自治の原則」から成ると解されている。
一方、第221回国会に提出された「予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るための国家公務員及び地方公務員の兼業の特例に関する法律案」(閣法第50号)は、地方公務員等が予備自衛官等の兼業を行う場合における職務専念義務の免除等の特例措置(以下「当該措置」という。)を設けるものと承知している。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 当該措置は、地方公共団体が職員の配置及び職務の遂行を自ら管理できなくなることから、団体自治の原則に反すると考える。当該措置と日本国憲法第92条の関係について、政府の見解を示されたい。
二 当該措置は、地方公共団体の職員の勤務体制に影響を及ぼすと思料するが、政府は、地方自治の本旨、特に、団体自治の原則を実質的に制約しないとの認識か示されたい。制約しないとの認識である場合、地方公共団体の長等の任命権者が予備自衛官等として招集命令等を受けた地方公共団体の職員に対し、当該命令等に従わず職務に専念するよう求めることは可能か、明確に示されたい。
三 災害発生時、地方公共団体の職員は、当該地方公共団体の災害対応業務に従事する。しかし、予備自衛官等を兼業する地方公共団体の職員は、招集命令等により自衛隊の任務に従事する場合が生じ得る。この場合、地方公共団体の業務と自衛隊の任務のいずれが優先されるか、法的根拠を含めて政府の見解を示されたい。
四 予備自衛官等を兼業する地方公共団体の職員が招集命令等に応じた結果、当該地方公共団体の人手が不足して業務に支障が生じた場合、その責任は誰が負うか示されたい。地方公共団体が責任を負う場合、当該措置により職員の配置に影響が生ずることを考慮すれば、地方自治の本旨との関係において問題が生ずると思料するが、政府の見解を示されたい。
五 当該措置により、地方公共団体が自らの判断のみで職員の配置及び職務の遂行を完全にコントロールできない場面が生じ得ると考えるが、政府は問題ないとの認識か示されたい。
右質問する。
答弁書
参議院議員石垣のりこ君提出地方自治の本旨と地方公務員の兼業特例の関係に関する質問に対する答弁書
一、二の前段及び四の後段について
今国会に提出している予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るための国家公務員及び地方公務員の兼業の特例に関する法律案(以下「本法律案」という。)においては、一般職の地方公務員(本法律案第2条第8号に規定する一般職の地方公務員をいう。五についてにおいて同じ。)は、予備自衛官等の職務に従事すること(本法律案第3条第1項に規定する予備自衛官等の職務に従事することをいう。五についてにおいて同じ。)について、任命権者(本法律案第6条第1項に規定する任命権者をいう。以下同じ。)の承認を受けることができることとしているものであり、当該承認は任命権者が行うものであるから、日本国憲法第92条に規定する地方自治の本旨との関係で問題があるとは考えていない。
二の後段について
お尋ねの「職務に専念するよう求めること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、これが地方公務員法(昭和25年法律第261号)第35条の職務に専念する義務を意味するのであれば、本法律案第6条第3項においては、同条第1項の承認を受けた職員が、本法律案第2条第2号に規定する招集命令、同条第3号に規定する訓練招集命令又は同条第4号に規定する教育訓練招集命令(三についてにおいて「招集命令等」という。)を受け、その勤務時間において、これらの招集に応ずるため勤務しない場合には、その勤務しない時間については、地方公務員法第35条の規定は適用しないこととしていることから、任命権者は、その勤務しない時間について、当該職員に対しては職務に専念するよう求めることはできないこととなる。
三について
お尋ねの「この場合」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、二の後段についてで述べたとおり、本法律案第6条第1項の承認を受けた職員に対して招集命令等があった場合には、これらの招集に応ずるため勤務しない時間については、地方公務員法第35条の規定は適用されない。
四の前段について
お尋ねの「責任」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。
五について
御指摘の「地方公共団体が自らの判断のみで職員の配置及び職務の遂行を完全にコントロールできない場面」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本法律案においては、一般職の地方公務員は、予備自衛官等の職務に従事することについて、任命権者の承認を受けることができることとしているものであり、当該承認は任命権者が行うものであるから、問題があるとは考えていない。
(以上)
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