[国会答弁]警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用義務に係る規律の不均衡に関する質問と答弁(4月28日)
- 日本の防衛
2026-5-1 11:25
令和8(2026)年4月28日(火)、第221回国会(特別会)に提出された「警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用義務に係る規律の不均衡に関する質問主意書」に対する答弁書が閣議決定・公表された。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
質問第37号
令和8年4月17日提出
警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用義務に係る規律の不均衡に関する質問主意書
次の質問主意書を国会法第74条によって提出する。
提出者 石垣のりこ
警察官及び自衛官はいずれも国民に対して公権力を体現する存在であり、その制服は単なる被服ではなく、権限と責任を象徴するものである。しかし、勤務時間外における制服着用義務に係る規律については、警察官と自衛官との間で著しい差異が存在している。
警察官については、警察官の服制に関する規則(昭和31年国家公安委員会規則第4号)第4条において、勤務中は制服を着用しなければならないと規定されているが、勤務時間外の着用に係る規定はない。一方、自衛官については、自衛官服装規則(昭和32年防衛庁訓令第4号)第6条において、「常時制服等を着用しなければならない。」と規定され、例外として、同条各号に掲げる勤務時間外等の場合には、「制服等を着用しないことができる。」とされるが、勤務時間外の着用を制限又は禁止する規定はない。
このように、警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用義務に係る規律の不均衡については、制度上の整合性及び合理性の観点から重大な疑義がある。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 警察官の勤務時間外における制服着用は、制限又は禁止されているか示されたい。制限又は禁止されている場合、法令上及び内部規則上の根拠を示すとともに、制限又は禁止する理由及び必要性について、政府の見解を示されたい。
二 自衛官服装規則第六条において自衛官の勤務時間外における制服着用を制限又は禁止していない理由を示されたい。
三 警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用義務に係る規律が異なる法制上の理由を示されたい。
四 警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用が国民の信用及び信頼に与える影響について、両者の間に本質的な差異はないと考えるが、政府の認識を示されたい。差異があるとする場合、その理由を具体的に示されたい。
五 国民の信用及び信頼を確保する観点から、自衛官の勤務時間外における制服着用については、原則として制限又は禁止することが合理的であり、自衛官服装規則を改正すべきと考えるが政府の認識を示されたい。制限又は禁止する必要がないとする場合、その理由を示されたい。
右質問する。
答弁書
参議院議員石垣のりこ君提出警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用義務に係る規律の不均衡に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「内部規則上の根拠」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、警察官の服制については警察官の服制に関する規則(昭和31年国家公安委員会規則第4号)において規定されているところ、同規則においてはお尋ねの「警察官の勤務時間外における制服着用」を「制限又は禁止」する明文の規定はないが、都道府県警察において、「警察官の勤務時間外における制服着用」を「制限」している場合があることは承知しており、その「理由及び必要性」については、各都道府県警察において判断しているものと承知している。
二について
お尋ねについては、自衛隊員の品位を保つ義務として、自衛隊法(昭和29年法律第165号)第58条第1項において、隊員は常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけてはならないとされるとともに、同条第2項において、自衛官は制服を着用し、服装を常に端正に保たなければならないとされていることから、自衛官服装規則(昭和32年防衛庁訓令第4号)第6条本文において常時制服等を着用しなければならないこととしている。
三について
お尋ねについては、任務の性質や品位を保つ義務を踏まえたものである。具体的には、警察官については、必要な場合には、法令に基づき、人の身体又は財産に実力を行使するという、一般の公務員とは異なる特殊の権限を有するものであることから、一見して容易にその身分を識別することができるよう、警察官の服制に関する規則第4条第1項において、「勤務中は、制服・・・を着用し・・・なければならない」こととしており、勤務時間外において、警察官が制服等を着用することは想定していない。また、自衛官については、2についてでお答えしたとおり、自衛隊員の品位を保つ義務として、自衛隊法第58条第1項において、隊員は常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけてはならないとされるとともに、同条第2項において、自衛官は制服を着用し、服装を常に端正に保たなければならないとされていることから、自衛官服装規則第6条本文において常時制服等を着用しなければならないこととしている。一方で、その例外として、同条ただし書において、休暇中や勤務時間外において自衛隊の施設外にいる場合等は制服等を着用しないことができる旨規定しているところである。
四について
お尋ねの「警察官及び自衛官の勤務時間外における制服着用が国民の信用及び信頼に与える影響」については様々な要因が影響すると考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
五について
自衛隊員の品位を保つ義務として、自衛隊法第58条第1項において、隊員は常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけてはならないとされるとともに、同条第2項において、自衛官は制服を着用し、服装を常に端正に保たなければならないとされていることから、自衛官服装規則第6条本文において常時制服等を着用しなければならないこととしていることは、国民の信用を確保する観点から合理性があるものと考えており、「自衛官の勤務時間外における制服着用については、原則として制限又は禁止することが合理的」との御指摘は当たらず、同規則の改正は考えていない。
(以上)
◎下の[次の記事][前の記事]ボタンで、日本の防衛に関するニュース記事を次々にご覧いただけます。
Ranking読まれている記事
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月
- 《解説》新型レーダーSPY-6に日本が注目しなければいけない理由
- 航空自衛隊がブルーインパルスの2026年度展示飛行スケジュールを発表(3月3日)
- 令和8年春の褒章 防衛関係の受章者5名を発表(令和8年4月28日)
- 「自衛官の処遇改善パンフレット」令和8年度版を公表、防衛大臣がメッセージ(4月17日)
- 《特集》5つの艦種で構成される海自の主力艦 基礎から分かる「護衛艦」概論
- 防衛省関係者960名が受章 第46回危険業務従事者叙勲(令和8年4月11日)
- 人事発令 令和8年3月23日付け、将補人事(陸自26名、海自20名、空自11名)
- 人事発令 令和7年8月1日付け、1佐職人事(陸自196名、海自60名、空自62名)
- 人事発令 4月27日付け、1佐人事(空自1名)
- 人事発令 4月24日付け、1佐人事(空自1名、海自1名)
- 《解説》新型レーダーSPY-6に日本が注目しなければいけない理由
- 人事発令 4月17日・20日付け、1佐人事(陸自1名、海自4名)
- 「自衛官の処遇改善パンフレット」令和8年度版を公表、防衛大臣がメッセージ(4月17日)
- 《ニュース解説》自衛隊ヘリの “巨大バケツ” 火災の森に撒く水は1度に数トン
- 航空自衛隊がブルーインパルスの2026年度展示飛行スケジュールを発表(3月3日)
- 令和8年春の褒章 防衛関係の受章者5名を発表(令和8年4月28日)
- 《特集》護衛艦「もがみ」型の機雷戦── 海外での掃海任務にも速やかに対応できる
- 佐賀駐屯地に建設する隊員用宿舎の工事概要を発表(4月17日)
- 防衛省関係者960名が受章 第46回危険業務従事者叙勲(令和8年4月11日)
- 人事発令 令和8年3月23日付け、将補人事(陸自26名、海自20名、空自11名)
- 《寄稿》イラン革命防衛隊の “日本製ミサイル艇” —— 監視艇「つばさ」の数奇な運命
- 人事発令 4月1日付け、1佐職人事(陸自5名、海自9名、空自26名)
- 人事発令 4月17日・20日付け、1佐人事(陸自1名、海自4名)
- 人事発令 4月7日付け1佐職人事(陸自1名)、8日付け1佐人事(陸自3名、海自1名、空自4名)
- 「自衛官の処遇改善パンフレット」令和8年度版を公表、防衛大臣がメッセージ(4月17日)
- 人事発令 4月2日付け、1佐人事(空自1名、陸自3名)
- 人事発令 3月31日・4月1日付け、指定職等人事(4名)
- 航空自衛隊がブルーインパルスの2026年度展示飛行スケジュールを発表(3月3日)
- 《特集》護衛艦「もがみ」型の機雷戦── 海外での掃海任務にも速やかに対応できる
- 《解説》新型レーダーSPY-6に日本が注目しなければいけない理由

