国光外務副大臣が第11回NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議で一般討論演説(4月28日)
- 日本の防衛
2026-5-1 11:37
外務省は令和8(2026)年4月28日(火)、米国・ニューヨークを訪問中の国光あやの(くにみつ・あやの)外務副大臣による第11回NPT運用検討会議における一般討論演説ついて、以下のように公表した。
第11回NPT運用検討会議における国光外務副大臣による一般討論演説
4月28日午前4時24分(現地時間4月27日午後3時24分)、第11回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に出席するため米国・ニューヨークを訪問中の国光あやの外務副大臣は、国連総会本会議場において一般討論演説を行いました。
1 冒頭、国光副大臣は、高市早苗内閣総理大臣による以下のメッセージを代読しました。
「今回のNPT運用検討会議は国際社会が極めて重大な局面にある中で開催されます。私たちは、一層厳しさを増す国際安全保障環境、不透明かつ急速な核軍備増強の進展、核リスクと核の脅威の増大に直面しています。私たちの『核兵器のない世界』に向けた志の原点は、『核兵器の惨禍を二度と繰り返してはならない』という被爆者の方々の願いにあります。
私たちは、核兵器不使用の歴史を継続し、NPTへのコミットメントを一層強固にし、今回の会議を、否定的連鎖を断ち切る対話の一歩とすることが求められています。私たちは、広い眼を持ち、その一歩を踏み出さなければなりません。
広島・長崎の被爆から80年以上が経った今、NPTという国際協調の枠組みをより強固な形で次世代に引き継げるよう、その維持・強化が急務です。我が国代表団として、議長や参加者の皆様と協力し、この重要な会議の成功に全力を尽くす考えです。」
2 その上で、国光副大臣は、日本が戦後一貫して平和国家としての道を歩み、NPTの義務を完全に遵守するNPTの守護者として取り組んできており、今後も日本の歩みは変わらないと述べるとともに、各国に対し、NPTへのコミットメントを再確認すること、及び透明性に関する議論を深めることを要請し、また、核兵器国に対し、核軍縮・軍備管理につながる取組を促しました。
(参考)別添
国光副大臣による一般討論ステートメント(英文(PDF)/和文仮訳(PDF))
第11回NPT運用検討会議 一般討論 国光外務副大臣ステートメント(仮訳)
議長、
議長就任に祝意を表します。我が代表団は、NPT運用検討会議の成功に向けて、議長を支援する努力を惜しみません。
長崎の被爆者、故山口仙二さんが、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキと訴えたこの演壇に立ち、我が国のNPT加入50周年の節目に、高市総理大臣のメッセージを
お届けすることを、広島・長崎で青春期を過ごした所縁のある者として光栄に思います。それでは、高市総理メッセージを代読いたします。
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議長、
皆様、
今回のNPT運用検討会議は国際社会が極めて重大な局面にある中で開催されます。私たちは、一層厳しさを増す国際安全保障環境、不透明かつ急速な核軍備増強の進展、核リスクと核の脅威の増大に直面しています。私たちの「核兵器のない世界」に向けた志の原点は、「核兵器の惨禍を二度と繰り返してはならない」という被爆者の方々の願いにあります。
私たちは、核兵器不使用の歴史を継続し、NPTへのコミットメントを一層強固にし、今回の会議を、否定的連鎖を断ち切る対話の一歩とすることが求められています。私たちは、広い眼を持ち、その一歩を踏み出さなければなりません。
広島・長崎の被爆から80年以上が経った今、NPTという国際協調の枠組みをより強固な形で次世代に引き継げるよう、その維持・強化が急務です。我が国代表団として、議長や参加者の皆様と協力し、この重要な会議の成功に全力を尽くす考えです。
内閣総理大臣 高市早苗
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議長、
ステートメントを続ける前に、一つ和歌を引用させてください。
なぐさめの言葉知らねばたゞ泣かむ 汝がおもかげといさをしのびて
広島への原爆投下により、私の出身校でもある高校では生徒344名が亡くなりました。この和歌は、当時の校長が亡くなった生徒を偲んだものです。世界の人々、そしてこれから生まれてくる人々、子どもたちに、核兵器による死と苦しみをたとえ1人たりとも許してはならない。この痛切な想いを胸に、多くの被爆者の方々がこの会議の行く末を見守っています。
ここにいる誰一人として、今の状況に満足してはいません。しかし、不十分だと指摘するだけでは何ら助けにはなりません。今なすべきは、先人が築いた土台の上に改めて国家間、関係アクター間の信頼関係を立て直し、核軍縮推進のため少しでも前へ進むことです。
議長、
日本は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできており、このような姿勢が変わることはありません。我が国は、NPT上の義務を完全に遵守するNPTの守護者であり、これからもそうあり続けます。そして、唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得ながら、NPT体制の維持・強化に努めます。その上で、次の3点を各国に訴えます。
●第1に、NPTへのコミットメントを再確認すること、それこそが、この会議の最大の目的です。私たちは今こそ、力強いコミットメントを世界に示さなければなりません。また、その点でこの会議プロセスが全ての締約国にとって包摂的であることを求めます。
●第2に、この会議を通じて透明性に関する議論を深めることが重要です。透明性は、各国の意思疎通を促し、信頼醸成や核リスク低減の土台となるものです。我が国も積極的にこうした取組に関与していきます。
●第3に、核兵器国に対し、戦後最も大きな構造変化の中で核軍縮・軍備管理への道を開く、核兵器国間の取組を進めていくことを強く促します。これは、とりわけ核戦力の急速な増強を進める動きへ対応していく上で急務です。
議長、
私の母校の医学部の出身で、当時そちらで教鞭も執っていた故永井隆博士は、長崎で自らも被爆されながら、被爆者の治療に尽力し、その体験を「原子時代の開幕」、後に「長崎の鐘」として出版、知られることになる随想にまとめました。この中で、博士は「人類は今や自ら獲得した原子力を所有することによって、自らの運命の存滅の鍵を所持することになった」と記しています。
人類が原子力を手に入れてから、あと20年で100年となります。この「原子時代」の中心には、この議場に響き渡った山口さんのノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキという訴え、被爆者の方々の想い、犠牲になった人々の魂があることを忘れてはなりません。我が国はこのことを胸に刻み、NPTを守護する者の一員として、皆様と共に歩みを進めてまいります。
御静聴ありがとうございました。
(了)
(以上)
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