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準天頂衛星「みちびき」を活用した「空間証明システム」の事業共同実証はじまる(6月22日)

  • 日本の防衛

2026-6-25 11:32

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とSpacid株式会社は令和8(2026)年6月22日(月)、準天頂衛星システム「みちびき」の信号認証サービスを活用した「みちびき空間証明システム」事業共同実証の開始を公表した。

 これはJAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の枠組みで実施するもので、みちびきが提供する位置・時刻情報を電子証明と組み合わせ、デジタルデータが特定の時刻・場所で取得されたことを証明する仕組みの確立を目指す。事業は民生5分野に向けたものだが、みちびきの信号認証・なりすまし対策技術自体は安全保障分野にも応用可能な基盤技術となる。

 公表内容は以下のとおり。

SpacidとJAXA、準天頂衛星システム「みちびき」を活用した「みちびき空間証明システム」の事業共同実証を開始

 BIPROGY株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:齊藤 昇、以下「BIPROGY」)の100%子会社であるSpacid株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:重道誠之、以下「Spacid」)と、宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏、以下「JAXA」)は新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指すJAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(以下「J-SPARC」)※1の枠組みにおいて、準天頂衛星システム「みちびき」が提供する信号認証サービスを活用し、「みちびき信号を利用した空間証明システム」(以下、「みちびき空間証明システム」)の事業共同実証を開始しました。

資料出典:JAXA

本活動の背景

 準天頂衛星システム「みちびき」による信号認証サービス(受信機で受信した信号が本当に「みちびき」から送信された信号であるかを確認できるサービス)が2024年4月に開始されました。(内閣府、みちびきウェブサイト、URL:https://qzss.go.jp/overview/services/sv14_sas.html)

 これに伴い、電子署名技術を用いた衛星から送信される航法メッセージの真正性(改ざんや偽造がないこと)の検証が可能となり、第三者による偽の測位信号を用いた、なりすまし攻撃に対する検知性能が向上しました。このため、自動運転やドローン配送、インフラ保全などの安全性・信頼性が求められる分野での本サービス活用が期待されています。

 一方で、日々高度化するなりすまし攻撃への対応や、電波妨害等の他の攻撃手法への対策については依然として課題があること、また、信号認証サービスの利用には専用の受信機が必要であることから、これまで幅広い産業への普及には至っていませんでした。

事業共同実証の概要と役割

 前述の課題を解決するために、JAXAでは従来型の電子証明(本物であることの証明)にみちびきからの「位置」と「時刻」の信号を加えることで、その日時にその場所に実在していたことを証明する「みちびき空間証明システム」の開発に取り組んできました。本活動においてこの取り組みを加速し、みちびきの空間証明を担う地上基地局(以下、空間認証局)における受信信号の安定化、妨害波対策、および信号認証サービスの活用高度化を通じて、みちびき活用技術の発展に貢献します。

 Spacidは、スマートフォンなどの汎用デバイスでも利用可能な仕組みを構築します。これにより、デジタルデータの改ざん防止および取得情報の真正性を担保する「データトラスト」の実現を図り、物流、農業、建設、防災、金融など多様な分野での活用に向けた実証を進めます。

目指すべきアウトカム

 本実証において、「みちびき」の信号認証と既存のタイムスタンプを組み合わせ、デジタルデータの取得時刻と位置情報を証明する「みちびき空間証明システム」を構築することにより、次のような価値の創出を図ります。

データの真正性の担保
JAXAとSpacidはデジタルデータ(写真、測定データ等)に対して、「特定の時刻に特定の場所で取得されたこと」を証明する仕組みを構築し、データの信頼性を証明できる環境を提供します。これにより、様々な分野でのデータ活用を促進します。

安心かつ安定した信号認証基盤の実現
JAXAは、空間認証局に対する測位衛星信号のなりすましや妨害波への耐性を強化し、高いセキュリティと安定を備えた測位衛星信号の認証基盤を提供します。これにより、信号認証技術の安心かつ安定した利活用に貢献します。

誰でも使える空間証明の実現
Spacidは、専用端末に依存せずスマートフォンにアプリを提供することで、みちびき空間証明システムの低コストな導入を実現します。これにより、海外市場含め多様な現場での利用拡大を図ります。

主な活用想定シーン

 市場調査に基づき、事業化後は以下の分野での活用を想定しています。

物流:置き配の完了確認、海外物流における貨物の状態・移転の記録
農業:農作物の産地証明への活用
建設・保全:施工・点検記録や完了検査におけるデータの真正性担保
防災:災害現場で取得された情報の信頼性担保
金融:位置情報を付加したキャッシュレス決済への活用

用語解説

※1 JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC):
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに約50のプロジェクト・活動を進めています。

(以上)

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