ロールス・ロイスのMT30ガスタービン、海自イージス・システム搭載艦に採用
- 防衛省関連
2024-5-31 11:11
英国のロールス・ロイス社は令和6(2024)5月30日(木)、同社の船舶用ガスタービン・エンジン「MT30」が、2027年就役を目指す海上自衛隊の「イージス・システム搭載艦」に採用されることになったと発表した。
MT30は、同社の航空機用ターボファン・エンジン「トレント800」をベースに開発された船舶用ガスタービンで、米海軍の沿岸戦闘艦「フリーダム」級に搭載されて2008年に実運用を開始した新世代エンジンである。米海軍の「ズムウォルト」級沿岸戦闘艦、韓国海軍の「大邱」(テグ)級および「蔚山」(ウルサン)級フリゲート、英海軍の空母「クイーン・エリザベス」級、海上自衛隊の最新鋭「もがみ」型護衛艦などでも採用されている。
イージス・システム搭載艦は、計画が頓挫した地上設置型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の代替策として建造される、海上自衛隊の新型艦である。2027年度に1番艦、翌年度に2番艦の就役を目指して計画が進んでいる。
同社が5月30日付けで、日本に向けて出したリリースは下記の通り。
ロールス・ロイスの船舶用ガスタービンMT30 日本のイージス・システム搭載艦に採用
ロールス・ロイスは、日本のイージス・システム搭載艦に、世界初のツインMT30ハイブリッド電機機械推進システムの採用が決定したと発表しました。
MT30ガスタービンは出力密度が高く、艦艇の性能を損なうことなく、海上自衛隊の護衛艦が求める最高船速要件を満たすことが可能です。
最新世代の船舶用ガスタービン技術から成るMT30のメリットの一つには、従来品と比べて船上でのメンテナンスが極めて少ないことがあげられ、それによりエンジニアリング部門の要員の削減が可能です。
ロールス・ロイス防衛部門シニアヴァイスプレジデントであるサム・キャメロンは、次のように述べています。「過去にも海上自衛隊の艦艇向けにMT30を採用いただいていますが、今回も採用いただいたことで、日本との長い歴史がさらに強化されることを嬉しく思います」
「ロールス・ロイスは艦艇推進技術の最前線に立ち続けており、日本の護衛艦計画に世界初のツインMT30ハイブリッドシステムを提供できることを誇りに思います」
「MT30は、もがみ型護衛艦を含む、世界で最も先進的なプラットフォームの多くに搭載され、その出力と推進力は造船会社やシステム設計者に新たな選択肢と将来性を提供しています。ロールス・ロイスは日本との良い関係を維持しつつ、MT30のグローバルな採用を増やしていきたいと考えています」
川崎重工業株式会社が、MT30の組み立て、試験を行い、「コンパクト・パッケージ・エンジン・エンクロージャー」へ組み込みます。その後、同社により推進システム全体の試験も実施されます。
MT30は世界で最も出力密度が高い舶用ガスタービンで、最小限のスペースで高出力を実現し、将来の運用出力要件にも対応可能です。機械式、ハイブリッド式、統合電気推進など、考えうる限りすべての推進システムで稼働中、または選定されており、用途に応じウォータージェット、可変ピッチプロペラ、固定ピッチプロペラに動力を供給しています。
太平洋地域においては、MT30は、韓国の大邱級と蔚山級のフリゲート艦、オーストラリアのハンター級フリゲート艦、更には米国の艦艇にも搭載されており、近い将来にはカナダの艦船においても運用される予定です。ロールス・ロイスは、今後10年以内に、MT30の継続的に実証される性能と、地域における強力な協力体制や経験により、環太平洋地域の主力艦艇動力となることを目指しています。
以上
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