中谷防衛大臣が記者会見 アジア版NATO、米軍無人艇の沖縄展開、レバノンからの邦人退避の質問などに回答(10月8日)
- 日本の防衛
2024-10-10 10:39
令和6(2024)年10月8日(火)09時39分~09時48分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、国会議事堂本館内閣議室前において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項
まず、防衛大臣政策参与の任命についてであります。
本日、元陸上自衛隊西部方面総監の番匠幸一郎氏と、元航空自衛隊航空教育集団司令官の半澤隆彦氏2名を防衛大臣政策参与に任命をいたしました。いずれも、現役時代に豊富な現場経験を持つとともに、退官後は、我が国の防衛政策の研究や、米国をはじめ諸外国の国防戦略の分野に取り組むなどですね、安全保障に関する幅広い知見をお持ちの方でございます。
番匠参与、半澤参与には、これまで培った知見・経験を存分に活かしながら、防衛力の抜本的強化、そして将来の自衛隊の在り方などについて、私に対する忌憚ない助言を頂きたいと考えております。
記者との質疑応答
アジア版NATOについて
記者 :石破総理大臣は、昨日の代表質問でアジア版NATOについて、一朝一夕で実現するとは当然思っていない。同盟国や同志国のネットワークを有機的・重層的に構築し、抑止力を強化する観点から検討していくなどと述べられました。
これについての受け止めと、防衛大臣として同盟国や同志国をはじめ、対外的にこのアジア版NATOについてどのように説明し、ネットワークの構築に取り組まれるのかお願いいたします。
大臣 :まず、我が国が戦後最も厳しく複雑なですね、安全保障環境に直面をしている中で、同志国・同盟国とのネットワーク、これを有機的・重層的にですね、構築をしていくとともに、これを拡大をして、抑止力を強化をしていくということは非常に重要なことだと考えております。
アジア版NATOという考え方につきましては、石破総理御自身の指摘のとおりですね、一朝一夕に実現するとは思っておらず、まずは喫緊の外交・安全保障、これの課題に取り組んでいくと、昨日も国会で答弁をされておられました。そして、日米同盟の抑止力・対処力を強化をし、また同志国・同盟国のネットワークを有機的、そして重層的に構築をして、抑止力を強化をするという観点からですね、検討して対応していくと、これも昨日述べておられることでございます。
防衛省といたしましては、そうした総理の考え方を踏まえて対応をしてまいります。同盟国である米国に加えて、様々な同志国との間で「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、率先して地域の平和と安定に貢献をしてまいります。
米軍那覇港湾施設への無人艇の一時展開について
記者 :米軍那覇港湾施設への自律型無人艇の一時展開について伺います。沖縄でこの無人艇を実証運用する理由はどこにあるのでしょうか。別の場所でできない点があれば教えてください。
また、沖縄県の玉城デニー知事は、納得できる説明を受けていないと反発しておりますが、先日沖縄防衛局から説明した内容に加えて、追加での説明など予定していますでしょうか。
大臣 :米側からはですね、本無人艇の実証運用に関して、包括的な検討を実施をして、インド太平洋地域の重要性、そして地域の安全保障環境、また米海兵隊の任務、そして能力、これを考慮して那覇港湾施設に一時展開するという決定をしたと、そういう説明を受けております。その上で、基地負担軽減を一層進めていくことは重要でありまして、米側に対しては、安全面に最大限配慮しつつ、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるようにですね、引き続き働きかけをしてまいります。
そして本件につきましては、先週の4日の金曜日に那覇市、伊江村、うるま市、金武町、そして沖縄県のほか、関係する漁業協同組合等に対しまして説明を行ったところでございます。沖縄県からは質問をいただいておりますので、これらに対しては真摯に回答するなどですね、引き続き、丁寧な説明、そして適切な情報提供、これに努めてまいりたいと考えております。
記者 :今の質問に関連してなんですけれども、海兵隊の任務や能力を考慮してという点なんですが、具体的にどういった任務や能力を考慮したという説明を受けているのか教えていただけますか。
大臣 :米側の説明によりますと、今回の展開はですね、沖縄本島、これの沿岸海域付近において部隊に対する物資輸送等の補給活動を行っていく、そして様々な評価等を実施をするというものでありまして、米軍の後方支援機能、それの強化を目的とするという説明を受けております。したがいまして、日米同盟の抑止力と対処力、これの更なる強化に資するものであるというふうに認識をしております。
中東レバノンからの邦人退避ミッションについて
記者 :中東レバノンからの邦人退避に関連する自衛隊の活動について伺います。
防衛省は4日に現地邦人の退避のミッションにあたられて、その後、ヨルダンへの退避後、輸送機はヨルダン等に引き続き待機するということで発表されています。
伺える範囲で、今後の活動の見通しと、いつまで滞在するのか等を伺います。
大臣 :現下のレバノンの情勢を受けまして、10月4日にヨルダンにおいて待機していたC-2輸送機1機が、レバノンに滞在する邦人等16名、これをヨルダンに輸送いたしました。その上で、ヨルダンに派遣しているC-2輸送機2機については、今後、邦人等を輸送する必要が更に生じた際に迅速な対応が実施できますように、当面の間、現地で待機態勢を維持をするということにしております。
今般の邦人等輸送等のことに関して、この実施の見通しにつきましては、自衛隊の運用に関わることでありますので、また、邦人等の安全確保に影響を及ぼす影響があることから、お答えすることは差し控えますが、防衛省・自衛隊としては、引き続きですね、関係省庁とも緊密に連携しながら、邦人輸送等の安全の確保に全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
もう一つですね、現在C-2輸送機2機、これがヨルダンにおいて必要な待機態勢をとって、それを維持しておりますけれども、このうち、C-2輸送機1機につきましては、運用の柔軟性を確保する観点から、今後、ギリシャにおいて待機をさせる予定でございます。
防衛省・自衛隊としては、関係省庁とも緊密に連携をしながら、引き続き、邦人輸送等の安全の確保に全力を尽くしてまいります。
(以上)
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