中谷防衛大臣が臨時記者会見 ロイド・オースティン米国防長官との電話会談に対する質問などに回答(10月8日)
- 日本の防衛
2024-10-10 10:50
令和6(2024)年10月8日(火)21時59分~22時08分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟1階エントランスにおいて日米防衛相電話会談後の臨時会見を行った。
大臣からの発表事項
本日21時から21時30分までの約30分間でありますが、ロイド・オースティン米国防長官と電話会談を実施をいたしました。私にとりましては、防衛大臣就任後初の会談となります。
冒頭、私からですね、防衛大臣就任の挨拶を行うとともに、防衛力の抜本的強化と日米同盟の強化に取り組む決意を述べまして、オースティン長官からは、お祝いの言葉をいただきました。
続きまして、インド太平洋における力又は威圧による一方的な現状変更の試み、これが強まっていることを踏まえ、これまで以上に、日米及び地域のパートナーと緊密に連携をしていくということを確認をいたしました。
さらに、日米の指揮・統制の枠組みの向上、そして南西地域における日米の共同プレゼンス、これの拡大といった同盟の抑止力・対処力、これを強化するための重要な取組につきまして、引き続き緊密に連携をしていくということを確認いたしました。加えて、抑止力を維持・強化しつつ、米軍再編の実現に向けた取組を更に強化させていく、そして加速をさせていくということで一致をしました。
本日の会談では、オースティン長官と大変有意義な議論を行うことができましたが、二人の共通点といたしましては、オースティン長官はウェストポイントという士官学校、私は防衛大学校というですね、同じ学校の出身のですね、防衛大臣としての共感をしたと。また同じ陸軍、オースティンさんは陸軍、私は陸上自衛隊、そして職種も私は普通科、オースティンさんは歩兵将校、そして私はレンジャー、オースティンさんは空挺というですね、現場として同じような勤務体験を共有をしてきたということと、あとは私は3回目で、1回目はラムズフェルド長官、2回目はアシュトン・カーター、そして3回目ということですが、彼の軍歴の間でもですね、特に最初のですね、ラムズフェルド長官とは非常に昵懇であったというようなことで、話題が膨らみました。それからもう一つ共有の話題としては、二人ともラグビー選手であったということで、てっきり第1列のフロントかなと思って話したら、第2列のロックだということで、お互いスクラムを組んで、一緒に仕事しましょうというようなことで、非常に共通のですね、趣味というか価値観がありました。
そういうことで最初の電話会談を終えたということで、非常にお互いのですね、信頼感と日米同盟における抑止力と対処力の強化に向けて取り組んでいこうという共通の認識が得られたというふうに思います。
記者との質疑応答
日米同盟やアジア版NATO、地位協定の改定などについて
記者 :今日の長官との会談を通じて、日米同盟を今後更に深化させていくということになると思うのですけれども、具体的に何をどのように進められていくのかというところについて、そのお考えを教えてください。また、石破総理大臣が提唱しているアジア版NATOや、自衛隊基地のアメリカ設置、地位協定の改定は話題に上ったのか、上ったとすれば、それはそれぞれどのようなやり取りがあったのか教えてください。よろしくお願いします。
大臣 :指揮・統制につきましては、向こうの方から話がありまして、先月ですね、指揮・統制の向上に係る日米作業部会、これが立ち上がって日米の連携要領に係る議論が今進展しているということで、特に来年3月末のですね、統合作戦司令部(JJOC)の創設にあわせてですね、更に円滑な連携が確保されるようにですね、双方で議論を加速をしていこうということで一致をいたしました。
それから共通の認識としましては、インド太平洋地域における力又は威圧による一方的な現状変更の試み、これが強まっているということを踏まえてですね、これまで以上に、日米及び地域のパートナーと緊密に連携をやっていこうということ、それから沖縄の問題もですね、お互いに南西における抑止力と維持・強化、これはしつつですね、沖縄の米軍の基地負担、これを軽減するために、「沖縄統合計画」、これに基づいて、普天間飛行場の可能な限りの早期の全面返還を含む、米軍再編の実現に向けた取組を更に加速をしていくということで一致をしたわけでございます。それから、地位協定とアジア版NATOにつきましては、今日の電話会談では、この日米の地位協定の改定、また、アジア版NATOに関するやり取り、これは行っておりません。
今後の日米連携に対する手ごたえは
記者 :先ほど御発言された統合作戦司令部に関して協力を確認されたということですけれども、大臣の感触として、今後の日米連携に対する手ごたえというものはどのように感じましたでしょうか。
大臣 :ますますですね、この機能強化という点におきましては、オペレーションも含めてですね、日米相互の連携・協力というものは必要でありますが、特に指揮・統制については日本側がですね、3月に統合作戦司令部、これが創設をされるということで、大きく仕組みが変わってまいります。
では、アメリカ側がどうするかということについては、現在も検討中でありますが、それにあわせてですね、円滑な連携が構築されるように努力していくという返事でありました。
記者 :昨年から沖縄で相次いでいる米軍兵による女性暴行事件であったり、それを受けて米軍側が発表しているその後の対策であったり、その辺の言及は何かありましたでしょうか。
大臣 :今回につきましてはですね、在日米軍の即応性の維持、また、米軍施設の区域の安定的な運用の確保には双方で、やはり、地元の理解、これと協力、これは不可欠であるという認識の下にですね、引き続き日米で協力をしていこうということでありますし、丁寧に説明をしてですね、理解をいただくための努力をしていこうということでありました。
記者 :普天間飛行場の早期の返還ということも確認されたということですけれども、その方策については何かお話しされたのでしょうか。
大臣 :これは従来と一緒でございますけれども、日米同盟に係るですね、主たる点についてはですね、不断に議論を行っているというところでありまして、日本側としましては、今の計画に従ってですね、一つ一つ丁寧に行って、早期の普天間の移設、これが実現するように努力をしますということで、米側もその点については理解をするということでありました。
(以上)
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