中谷防衛大臣が記者会見 ヘグセス米国防長官との電話会談などの質問に回答(1月31日)
- 日本の防衛
2025-2-4 09:10
令和7(2025)年1月31日(金)08時33分~08時44分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、参・本会議場議員食堂前において閣議後会見を行った。
内容は、以下のとおり。
大臣からの発表事項
ヘグセス米国防長官との電話会談について
大臣 :本日7時から約40分間、ヘグセス米国防長官と初めて電話会談を実施をいたしました。冒頭、ヘグセス長官からは着任の挨拶がありました。私からは心からお祝いを申し上げたところでございますが、冒頭で昨日バージニア州で発生した航空機事故についてのお見舞いと哀悼の意を表しました。
長官との間におきましては、まずインド太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化のために共に取り組むことで一致をいたしました。具体的には、日米の指揮・統制枠組みの向上をはじめとする同盟強化のための取組について、長官とともに力強くですね、牽引をしていこうということで一致をいたしました。
また、長官との間におきましては、日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用をされるということを確認をいたしました。日本側としては、これを心強く受け止めております。
また、本日の電話会談を通じまして、比類のない日米同盟の意義、そして抑止力強化のための両国の絶え間ない努力が地域の平和と安定のために不可欠であるということにつきまして、長官と私の間で考えが一致していることを確認ができました。これは大変有意義なことでありました。今後、ヘグセス長官とは、お互いに最も信頼するカウンターパートとして、緊密に意思疎通を図り、日本の防衛と「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて邁進をしてまいります。
会談の雰囲気としましては、非常に明るくですね、そして良い雰囲気でありまして、お互いにInfantry Platoon Leader、要するに小銃小隊長という共通のですね、経験もございますし、長らくテロ対策において、彼は現場で、私は防衛大臣としてですね、取り組んできた経験もございます。そういう意味で非常にフレンドリーな雰囲気でありまして、今後お互いにゲン、ピート、で呼び合うということを話をしました。
記者との質疑応答
日米防衛相電話会談について
記者 :今、お話のありました日米防衛相電話会談についてお伺いします。石破首相の訪米前に担当大臣間で電話会談を実施できた意義と、会談の中で防衛費増額の求めがあったのかどうか、また、今お話ありました29日の米軍ヘリと民間機衝突事故について、具体的にどのようなやり取りがあったか教えてください。また、今後、大臣自ら直接国防長官に会う予定があるかも教えてください。
大臣 :何といっても日米同盟の強化というのは、石破政権の外交・安全保障の最重要政策、そして、最優先事項でございます。こうした観点からも、本日、ヘグセス国防長官の就任から時間を置かずに電話会談を行い、そして、日米同盟の意義、抑止力・対処力の重要性について確認をできたというのは、大変有意義なことでありました。
そして、この会談におきまして、冒頭、昨日、米国時間の29日でありますが、米国のバージニア州で発生した航空機事故につきまして、私から、犠牲になられた方々及び御遺族に対して、心から哀悼の意を表する旨、お伝えをいたしました。
このほか、お尋ねの防衛費の増額につきまして、この問題も含めてですね、個別の事柄に関するやり取りの有無につきましては、米側との関係もありますので、お答えできないことを御理解ください。その上で申し上げますと、会談において、私とヘグセス長官は、同盟を強化する取組について様々な議論を行いました。その中で、私から現在、我が国自身の防衛力の抜本的強化を取り組んでいるということについて申し上げたところでございます。
お尋ねの防衛相会談につきましては、現時点において決まっているものではございませんが、可能な限り早期の、対面で会談を実施するということに向けてですね、調整をしていくということで一致をいたしております。今後、米側と調整を進めてまいりたいと思っております。
同盟国・同志国による関係構築について
記者 :今の質問に関連してお伺いします。日本がこれまでバイデン政権と進めてきた同盟国・同志国による多層的・重層的な関係構築については、電話会談では何か言及がありましたでしょうか。中谷大臣としては、こうした方向性を今後、アメリカとどのように進めていきたい考えでしょうか。
また、トランプ新政権は対中強硬姿勢を示していますけれども、中国についてはどのような言及がございましたでしょうか。
大臣 :我が国がですね、現在、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているという中で、同盟国と同志国、このネットワークを有機的かつ重層的に構築をするとともに、これを拡大をし、抑止力を強化をしていくということは重要でありまして、本日の会談においても、このことを確認をしました。そして私からは、力または威圧による一方的な現状変更の試みは許容してはならず、日米及び地域のパートナーが、引き続き緊密に連携をすることの必要性、これについて申し上げました。
また、インド太平洋地域をめぐる安全保障上の課題につきましては、大変幅広くですね、議論をいたしましたが、先方の発言を含めて、詳細については、相手国の関係もありますので、お答えできないことを御理解をいただきたいと思いますが、その上で、本日の会談において、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のために、日米で協力をしていくということで一致できたということは非常に有意義なことでありました。
そして防衛省としましては、引き続き日米及び地域のパートナーとの連携を含めて、米政権と密接に意思疎通をしていく考えでございます。
米国による日本の防衛に関するヘグセス国防相の言及について
記者 :トランプ政権は大統領の当選以降、日本の安全保障に関する目立った言及はありませんでした。その上で、今回の電話会談を迎えられましたが、先ほど大臣、尖閣諸島が米国の日本の防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用範囲であることを確認されたとのことでしたけれども、ヘグセス国防相から米国による日本の防衛についてどのような言及があったか教えてください。
また、大臣自身は現在の米政権が日米安保条約に基づく対日防衛義務を果たすと実感されたか伺います。
大臣 :ヘグセス長官との間におきましては、日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用をされるということを改めて確認をいたしました。私としては、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントの現れとして、大変心強く受け止めをいたしました。
また、インド太平洋地域の安全保障の環境が厳しさを増している中で、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化のために共に取り組むということで一致をし、日米の指揮・統制枠組み、これの向上をはじめとして、これまでの取組を継続をする確固たる決意、これを確認をいたしました。そして、その上で長官とともに、こうした取組をこれから力強く牽引していくこと、お互いにリーダーシップを発揮しようということで一致をいたしました。
このように、本日の電話会談におきましては、日米同盟の意義及びその抑止力・対処力の強化の重要性について、認識が一致をしているということを確認をできたと考えておりまして、私としては、お互いに最も信頼するカウンターパートとして、緊密に意思疎通を図っていきたいというふうに考えております。
GCAPへのサウジアラビア参画について
記者 :少し前の話題で恐縮ですが、イタリアのメローニ首相が27日、GCAPの共同開発をめぐって、サウジアラビアの参画に支持を表明しました。サウジ参画には日本国内で懸念も出ていますが、今回のメローニ首相の発言への受け止めとですね、日本政府もサウジの参画に今後賛同する考えはあるか伺います。
大臣 :お尋ねのイタリアのメローニ首相のサウジアラビア訪問につきましては、承知をいたしております。イタリアとサウジアラビアの2国間の協議の詳細については、我が国としてコメントする立場にはありません。このメローニ首相がサウジの参画に支持をしたということは報道等で承知をしております。
いずれにしましても、GCAPは日英伊の3か国の同盟国やパートナー国との協力を念頭に置いて設計をされてきたものでありますので、現時点において、お尋ねのサウジアラビア、それ以外の第三国の参加につきましては、まだ申し上げられる段階にはないということです。
(以上)
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