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中谷防衛大臣が記者会見 関係省庁と連携した自衛隊の人材確保などについて(3月7日)

  • 日本の防衛

2025-3-11 12:01

 令和7(2025)年3月7日(金)08時51分~09時02分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、参議院 本会議場議員食堂側において閣議後会見を行った。
 内容は、以下のとおり。

大臣からの発表事項

関係省庁と連携した人材確保、退職自衛官の活用・再就職支援などの働きかけについて

大臣 :関係省庁と連携した地方公共団体や業界に対する働きかけについて、報告をいたします。昨年末に「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針」、これを関係閣僚会議で取りまとめをいたしました。その中で、自衛官としての知識・技能・経験を活かした再就職先の拡充のために、関係省庁と連携をしまして、業界や公的部門も交え、協力するということにしております。また、地方公共団体に対して、募集活動への一層の協力を呼び掛けるということといたしております。これを受けまして、関係省庁と調整をしてまいりましたが、この度、①鉄道事業等、②電気通信事業、③全国の消防本部や消防設備関連企業、④地方公共団体の防災・危機管理部門における退職自衛官の活用について、防衛省、関係省庁、業界、地方公共団体の間で申合せなどを行うということにいたしました。併せて、総務省との連名で、地方公共団体に対して、自衛官等の募集への協力に関する文書を発出することといたしました。これによりまして、退職自衛官の再就職先の拡充を図るとともに、業界事業者、地方公共団体、自衛隊の人材確保を図ってまいりたいと考えております。今後も、自衛官が国防に専念できる体制を構築をし、国防の担い手である自衛官の確保が進むように、引き続き政府一体となって、こうした取組の拡充を図ってまいります。

記者との質疑応答

将来を含めた日本の防衛費について

記者 :トランプ米大統領が、国防総省の政策担当次官に指名したコルビー元国防副次官補が米議会の委員会に提出した書面で、日本は防衛費をGDP比3%に増やすべきだと主張しました。受け止めと、28年度以降の防衛費をめぐる議論に影響を与えうるのか、お考えをお願いします。あわせて、大臣は早期にヘグセス国防長官と会談する意向を示しておりますが、将来も含めた日本の防衛費について、会談で議題にする考えはありますでしょうか。その場合どのように説明していくおつもりでしょうか。お願いいたします。

大臣 :御指摘のコルビー国防次官候補による書面回答、これは承知をしております。防衛力の抜本的強化につきましては、金額やGDP比の割合ありきではなくて、大事なのは防衛力の中身であると考えております。2028年度以降の防衛力の整備の具体的な内容につきましては、その時点で安全保障環境などを踏まえ、今後、我が国として何が必要なのか主体的に検討し、そして、実施すべき事項を積み上げるということとなります。石破総理も述べているとおり、我が国の防衛費は、アメリカに言われて日本が決めるものではなく、我が国が我が国のために、自らの責任において決断をすべきものであります。ヘグセス国防長官との日米防衛相会談につきましては、可能な限り早期の対面での実施に向けて調整をしていくということで一致したところでありますが、議題を含めて現時点で何ら決まっていることはありません。

韓国・ソウルで発生した訓練中のKF-16戦闘機による爆弾8発誤投下について

記者 :韓国のソウル北方で6日、訓練中のKF-16戦闘機から爆弾8発が誤って投下され、住民らが負傷したと韓国側が発表しています。米韓合同訓練の一環ということですが、日本政府として把握している事実関係と、今後、自衛隊と韓国軍や米軍との共同訓練に与える影響はあるかお答えください。

大臣 :お尋ねの件については、昨日6日木曜日、米韓軍事演習に参加をしておりました韓国空軍所属の戦闘機KF-16から、爆弾8発が誤って投下をされ、京畿道抱川市の訓練場の外に落下をし、民間人を含む複数名が負傷したものと承知をいたしております。本件につきましては、防衛省としても状況を注視をしているところでございますが、現時点において、自衛隊との共同訓練に影響を与えるような情報は得ておりません。いずれにしましても、防衛省としては、訓練の実施に当たっては、安全を確保することは大前提であると考えております。今後の訓練についても、引き続き安全に注意をしながら実施をしてまいりたいと考えております。

大型輸送機C-17の導入について

記者 :石破首相が5日の予算委員会で、大型輸送機C-17の導入について、「陸上自衛隊のニーズからいっても、導入することを検討するべきだと今でも思っている。」と答弁しました。防衛省として既に米側とやり取りをしているのか、検討状況をお伺いします。また、製造が中止されている機体のため、導入する場合は中古機となる可能性が高いと思いますが、自衛隊として外国製の中古の航空機を導入する場合の課題は何であると捉えていますか。お答えをお願いします。

大臣 :日米間におきましては、平素から様々なレベルで様々なやり取りを行っておりますが、これは相手方の関係もあることでありますので、御指摘の輸送機に係るやり取りの有無も含めまして、その詳細についてはお答えをすることは差し控えます。いずれにしましても、御指摘の米国製輸送機の購入につきましては、現時点において何ら決まったものはなくて、これの取得方法に関する事柄について、お答えすることは困難であります。

普天間飛行場の代替施設の建設における埋立土砂の搬出経路、民間桟橋の使用について

記者 :普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて、沖縄防衛局がうるま市の民間桟橋を使用して土砂の海上輸送を始めた件について伺います。沖縄県は6日、沖縄防衛局に対し変更承認を受けることや、それまでの間、作業の中断を求める行政文書を発出しました。搬出作業を中断するお考えはあるのか、防衛省の対応や見解を教えてください。

大臣 :普天間飛行場の代替施設の建設につきましては、3月4日から、平安座島に所在する民間の桟橋を使用して、宮城島地区の埋立土砂を搬出をしていると承知をいたしております。これによりまして、ダンプトラックの走行ルート、また、作業船の航行ルートが短くなって、埋立土砂を、より効率的に調達することができるだけではなくて、周辺住民の生活環境に、より配慮できるものだというふうに考えております。その上で、変更承認申請書の添付図書であります、いわゆる土砂図書に示しているのは、おおむねの経路でありまして、今般の経路による埋立土砂の搬出は、この土砂図書の変更を要するものではないというふうに承知をいたしております。防衛省としましては、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現をしまして、そして、沖縄の基地負担軽減を図るために、引き続き周辺住民の皆様への影響に配慮しながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいりたいと考えております。

記者 :作業は止めないで継続されるということでよろしいのでしょうか。

大臣 :そのとおりです。

日米安全保障条約への不満をにじませたトランプ米大統領の発言について

記者 :アメリカのトランプ大統領なんですけれども、NATOの加盟国の国防費の支出が少なすぎるという認識を示す中で、日本にも言及して、我々は日本を守らなければならないが、日本は我々を守る必要はないと述べて、日米安全保障条約の内容に不満をにじませました。この発言に対する大臣の受け止め、お考えをお聞かせください。また、来るヘグセス氏との会談では、この件について、どのように扱うおつもりかも、あわせてお答えください。よろしくお願いいたします。

大臣 :この発言は、どういう席でですね、御発言をされたのか承知しておりませんが、このトランプ大統領の発言の逐一については、コメントすることはいたしません。まず、日米同盟というのは、我が国の外交・安全保障政策の基軸であります。そして、先般、ヘグセス米国防長官と電話会談、また日米首脳会談を含む累次の機会に、日米安保条約の下での自国の対日防衛義務を確認をしてきております。政府としましては、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて日米安保条約上の義務を果たすということに全幅の信頼を置いております。その上で、我が国としましては、目下、国家安全保障戦略等に基づきまして、主体的に防衛力の抜本的強化を進めているところであり、2027年度に安全保障関連経費の水準がGDPの2%に達するように所要の措置を講じてきております。これまでも累次申し上げているように、まず、金額やGDP比の割合ありきではなくて、大事なのは防衛力の中身であるという考えであります。また、ヘグセス国防長官との日米防衛相会談におきましても、この点につきましても日米関係について議論はさせていただきますが、可能な限りの早期の対面での実施に向けて調整していくということで一致していたところでありますので、議題も含めて現時点で何ら決まっていることはありません。

(以上)

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