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DSEI Japan 2025 短報──ローデ・シュワルツ

  • 日本の防衛

2025-5-27 16:55

2025年5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

 ローデ・シュワルツ(Rohde & Schwarz)は、主として艦艇や航空機で使用するレーダーや電子戦などの電子機器、光学センサー機器などを手掛けている。また、民間と重なる分野として計測機器がある。社名は、創業者であるヘルマン・シュワルツ博士とロター・ローデ博士の名前をくっつけたもので、ドイツの「フォッケウルフ」と同じだ。

 そのローデ・シュワルツはDSEI Japanにおいて、通信電子戦関連の出展を実施していた。ひとつは個人携行用のES(Electronic Support)装置。アンテナも一体化した機材一式を背中に背負って持ち歩く仕組みだ。最前線の地上部隊が、敵の通信施設(つまり指揮所がありそうな場所)などを突き止める際に活用できる。

個人携行が可能なESシステム。用途は通信の傍受で、接続したラップトップに探知データを表示する。周波数帯域を横軸、時間を縦軸に配したウォーターフォール・ディスプレイを使用していたのが興味深かった。時間が経過するにつれて、周波数帯ごとの発信状況が変化するのが分かる 写真:井上孝司

 もうひとつが、艦載用の統合マスト。日本では “もがみ” 型FFMが同種の製品を搭載しているが、ローデ・シュワルツが持ってきたのは独海軍の125型フリゲートが搭載しているのと同じ製品だった。

こちらは艦載用の統合マスト。最上部にESM、その下にVHF/UHF用の空中線を2セット、その間にデータリンク用のアンテナを組み込んだ構成 写真:井上孝司
井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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