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岩屋外務大臣がNATO事務総長とインド太平洋パートナーの会合に参加。共同声明を発表(6月25日)

  • 日本の防衛

2025-6-27 10:30

 外務省は令和7(2025)年6月25日(水)、NATO首脳会合関連行事等に出席するためオランダ・ハーグを訪問中の岩屋毅(いわや・たけし)外務大臣が参加したNATO事務総長とインド太平洋パートナーの会合の概要について以下のように発表した。

NATO事務総長とインド太平洋パートナーの会合(概要)

写真:外務省

 現地時間6月25日午後3時20分(日本時間同日午後10時20分)から約30分間、NATO首脳会合関連行事等に出席するためオランダ王国ハーグを訪問中の岩屋毅外務大臣は、マルク・ルッテNATO事務総長(H.E. Mr. Mark Rutte, NATO Secretary General)、クリストファー・ラクソン・ニュージーランド首相(Rt. Hon. Christopher Luxon, Prime Minister of New Zealand)、リチャード・マールズ・オーストラリア連邦副首相兼国防大臣(The Hon. Richard Marles MP, Deputy Prime Minister and Minister for Defence of the Commonwealth of Australia)、魏聖洛韓国国家安保室長(Mr. Wi Sung-lac, National Security Advisor of the Republic of Korea)との間でNATO事務総長及びインド太平洋パートナー(IP4:日本、豪州、ニュージーランド、韓国)の会合を開催したところ、概要は以下のとおりです。
 なお、本会合に合わせて、NATO事務総長とIP4による共同声明(和文仮訳 ※1 下記参照:編集部注)が発出されました。

1

 冒頭、岩屋大臣は、4年連続でインド太平洋とNATOの結束を確認することができ大変意義深い、インド太平洋及び欧州・大西洋の安全保障環境は厳しさを増しており、両地域の安全保障が一層不可分になっているとしつつ、力による一方的な現状変更の試み、露朝軍事協力、サイバー攻撃等への対処や防衛産業協力の必要性が高まっている旨述べました。その上で、強固なNATOはインド太平洋地域の平和と安定にも資するとして、NATO・IP4間の戦略的協力を一層深めていきたい旨述べました。

2

 ルッテNATO事務総長及びIP4各国出席者は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応を始めとするインド太平洋情勢やイラン情勢を含む昨今の国際的な安全保障環境について意見交換し、NATOのインド太平洋への関与拡大及びNATOとIP4との具体的協力の重要性を確認しました。この文脈で、ルッテNATO事務総長は、IP4各国のウクライナ支援に改めて謝意を表明するとともに、防衛産業分野を始めとする協力を深めていきたい旨述べました。

ハーグにおける NATO首脳会合の際のNATO事務総長及びインド太平洋パートナー4か国による声明

(※1 仮訳)
 我々、ルッテNATO事務総長及びNATOのインド太平洋パートナーは、NATOとインド太平洋パートナーの関係の重要性を再確認する。我々は、共有する戦略的利益及び共通の価値並びに欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が相互に連関しているとの認識に基づき、対話及び協力の強化にコミットしている。ルッテ事務総長は、インド太平洋パートナーに対し、NATOを通じたものを含む揺るぎないウクライナ支援に関するNATOの感謝を表明する。我々の協力は、旗艦事業を通じても深化している。

 より危険で予測不可能なグローバルな安全保障環境を踏まえ、我々は、NATO加盟国が防衛力を一層強化し、防衛イノベーションを一層進めているという現在起きている驚くべき変化を認識する。

 市民を守り、ルールに基づく国際秩序を堅持し、安全で、安定し、繁栄した世界を支えるため、我々は皆透明性を持ってそれぞれの国防費を増額しており、防衛産業協力の強化を目指す。我々は、各自の強みと関心に基づき、様々な方法によってこれを達成することにコミットする。

 この観点から、我々は、サプライチェーン・セキュリティ、開発、生産及び調達プロセスを含む重要なテーマについて引き続き互いに学ぶために、対話を進める。我々は、宇宙・海洋領域及び弾薬の分野を含め、関心あるNATO加盟国及びパートナーと共に能力を提供するため、多国間プロジェクトにおける連携を模索する。我々は、新興破壊技術に関する平素からの協力を引き続き強化し、デュアルユースのスタートアップを含む関連の主体を通じたイノベーションに関する協力を促進するための機会を模索する。我々は、引き続き効果的に協力できるようにすべく、同一の標準を追求することが適切な場合に、その実施を通じて部隊の相互運用性を向上させる重要性を認識する。それはまた、防衛産業分野の更なる協力の機会を創出する。

 NATOとインド太平洋パートナーの協力の高まりは、こうした予測不可能な安全保障環境下で重要である。我々は今日の我々自身の安全保障及び将来世代に対する責任を有している。

(以上)

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