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中谷防衛大臣が記者会見。在日米軍基地「赤坂プレス・センター」、参院選の結果などについて回答(7月22日)

  • 日本の防衛

2025-7-24 11:20

 令和7(2025)年7月22日(火)10時54分~11時12分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は防衛省A棟10階会見室において閣議後会見を行った。
 大臣からの発表事項はなく、記者との質疑応答が行われた。内容は以下のとおり。

大臣からの発表事項

 なし

記者との質疑応答

在日米軍基地「赤坂プレス・センター」について

記者
在日米軍基地赤坂プレス・センターについて伺います。東京都や港区は騒音や事故のリスク、元は日本の土地であったことを受けて、長年全面返還を求めております。防衛省としてこのプレス・センターをどのように位置付け、将来的な基地の在り方を市民にはどう説明されますでしょうか。また、この春、在日米軍が統合軍司令部へのアップデートの過程でサテライト・オフィスの機能を赤坂プレス・センターに備えました。これはセンターの機能が強化されて、将来的に統合軍司令部が置かれる可能性があるということでしょうか。以上、お尋ねいたします。

大臣
赤坂プレス・センターについてのお問合わせでありますが、ここは東京都、港区及び港区議会から、累次にわたって基地の整理縮小や返還などの要請をいただいているところでございます。この赤坂プレス・センターは、米軍にとりまして、まず都心へのヘリコプターによる要人等の迅速な輸送を可能とするほか、都心における広報拠点などの役割を果たしている施設であるということから、現時点において、返還は困難であるということを累次説明をいたしております。また、指摘のサテライト・オフィスは、在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードの一環として、自衛隊の統合作戦司令部との連携をより一層深化するため、赤坂プレス・センターに設置をされたものでありますが、人員の規模については少人数であります。また、現時点で施設の新設及び大規模改修等は予定をされていないということ、そして、さらに近隣への騒音等を発生させる装備品の配備も予定をされていないとの説明を米側から受けております。こうしたことから、防衛省としては、サテライト・オフィスの設置が基地負担の増加につながるものではないと認識をいたしております。いずれにしましても防衛省としましては、引き続き、米側に対して、安全面に配慮をし、地元の皆様方に与える影響を最小限に留めるように要求をしてまいります。

記者
統合軍司令部の拠点が、将来的に置かれる可能性についてはいかがでしょうか。

大臣
これにつきましては、現在、在日米軍のアップグレード、これが本年の3月の末にですね、開始をされまして、自衛隊と米軍の運用面での協力がより一層強化をするために、在日米軍に自衛隊の統合作戦司令部と米軍の連携を専門に扱う部署が設置をされました。これのみをもってですね、在日米軍が統合軍司令部にアップグレードされたこととなるわけではありません。そして、統合軍司令部が赤坂プレス・センターに設置されたものでもありません。在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードにつきましては、その場所の検討も含めまして、今後も米軍内での議論を経た上で段階的に決められるものでありまして、日本側としては、引き続き、日米の作業部会を通じて議論をしてまいりたいと考えております。

与党過半数割れとなった参議院選挙の結果を受けての石破総理の続投意向について

記者
石破総理大臣は、先の衆議院選挙に続いて参議院選挙でも与党過半数を得られませんでしたが、続投する意向を示しています。野党側は民意に反すると批判していますが、大臣はどのように受け止められますでしょうか。また、高知県連が早期退陣を求めていますが、会長としても同じ意向なのかお尋ねします。

大臣
石破総理は、記者会見におきまして、「厳しい状況の中にあって、今、最も大切なことは国政に停滞を招かないこと」と述べた上で、「政治を停滞、漂流させないように、比較第1党としての責任、国家・国民に対する責任を果たしていかなければならない」と述べたことを承知をいたしております。お尋ねにつきましては、閣僚の立場でコメントすることは差し控えたいというふうに思います。また、高知県連の動きに関するお尋ねにつきましては、政務のことに関することでありますが、この場をお借りしまして、高知県連会長として、本件は明確にお答えをさせていただきます。7月21日に高知市で役員会が開かれましたが、私は公務の都合で欠席をいたしておりました。その中で、一部の役員の名前で総裁の早期退陣の要求を行うとした文書が作成をされ、そして、その場にいた一部の役員の名前をもって作られたものが、マスコミに流されたということでありまして、県連としましては、全くその後、報告もなく、この県連としての手続き、また、会長の私への報告・了承もないままに行われたものでありまして、正式な要求ではありません。正式な県連の文書でもございません。あくまでも個人の名でまとめられたものでありまして、本件につきましては、こういう事情があったということでございます。当日の役員会においては、私、欠席をしておりましたし、徳島県の中西祐介議員も副会長でありますが、何の招集に関しての話もなかったし、また、この内容については知らされていないままでありまして、その後、どういうことなのかということで疑問に思ったことでございます。

記者
今の件なんですけれども、手続きとして、御自身が公務で不在であったと、かつ、その一部の役員で決めたということですけれども、こうした県連が出した意見に対して、県連会長として御自身の考えはいかがなんでしょうか。

大臣
これは全く異なるものでございまして、私が先ほどお話をしたとおりですね、石破内閣の一員でございまして、今、石破内閣を支え、運用をしております。石破総理は、その上で今回の選挙におきましてもですね、非常に国政に停滞を招かない、そして、停滞・漂流をさせないように比較第1党としての責任、国民に対する責任を果たしていかなければならないと述べております。したがいまして、今後も内閣の一員として石破内閣を支えていく立場でございますので、県連の一部の役員の意見とは異にするものでございます。

記者
会長の意見を異にするものの、こうしたことが起きるというガバナンスの在り方をどう捉えてらっしゃるのか。また、そういうことが生じてしまって、今の自民党の状況はどういうふうに見ていらっしゃいますか。

大臣
こういった会合などで自由に意見を述べるということは、結構なことでありますけれども、一応、組織でありますので、そういった内容をですね、発表する際には、きちったした了解や手続きが必要でありますし、また、今回決められたことの内容を見ますと、そこに参加した県連役員の名前をもってですね、発表しておりますので、全くこれが正式な手続きも了承も得ていない、県連の正式な文書ではないということを、私からその後、県連の役員にも申し上げました。

記者
先ほど、内閣の一員として石破総理を支えるとおっしゃられましたが、その認識で良いのかということと、総理が国政に停滞を招かないというふうにおっしゃったというふうに大臣もおっしゃっていますけれども、大臣御自身として石破さんがですね、総理大臣で居続けるということについても、それは理解・納得・共感し、その方向で進めていくという理解でよろしいでしょうか。

大臣
防衛大臣としてですね、石破内閣の一員として、職にある以上はですね、引き続き、その責務を全うして、石破内閣を支えていくということは当然のことであろうかと思います。また、石破内閣もこれまで10か月ありましたけれど、予算の成立にしても法案の成立にしても、また、野党の意見も聞きながらですね、いくつかの成果を残してまいりましたので、全く何もしなかった、悪いことであったということとは認識をいたしておりません。精一杯努力をして、仕事をしてきた内閣でございますので、そういった国民のこれからの課題や負託にですね、お応えし得るために、また全力を尽くして取り組むべきであるというふうに思っております。

記者
関連でちょっとお伺いしたいんですが、今回はこういった御意見が県連の中からも出てきたかと思うんですけれども、今後、正式な文章として、県連で県連会長の方に県連の中で正式な文書として認めてほしいという要望などが出てきた場合、そういう議題として、それをまた党本部に上申するお考えはあるのでしょうか。

大臣
今回の件については、あくまでも個人の名前でですね、まとめられたものを使っているわけであります。また、そういったことについては、今後、総括する場もあろうかと思いますので、いろんな御意見があろうかと思いますが、やはりしかるべき手順と手続き、そして了解・了承、これをもらった上で発表すべきでありますので、その辺は丁寧にですね、行っていきたいというふうに思っております。

7月18日に発生した秋田県大館能代空港へのオスプレイ緊急着陸について

記者
18日に米軍輸送機のオスプレイが秋田県の大館能代空港に緊急着陸しました。防衛省として把握している事実関係について伺います。また、今回、一切情報がないことについて県民から不安の声が上がっています。大臣として、どのように受け止めていますでしょうか。あわせて、米軍から原因について、どのような連絡が入っていますでしょうか。

大臣
この件につきましては、先日18日、15時30分頃、米空軍横田基地所属のCV-22オスプレイ1機が、飛行中に警告灯が点灯したために、秋田県の大館能代空港に予防着陸をしたとの報告を受けております。その後、機体の安全が確認できたということから、同日の22時55分頃、大館能代空港を離陸をしたとの報告を受けております。この時点で、この着陸による住民、そして、建物等への被害は確認をされておりません。防衛省としましては、本件を受けまして、速やかに職員を現地に派遣をするとともに、関係自治体への情報提供を行いました。この予防着陸というのは、パイロットが飛行中に、航空機の何らかの通常とは異なることを示す兆候を察知した場合に、危険の未然防止のために行うものであります。安全確保の手段の一つとして必要な措置であると承知をしております。米軍機の運用に関しては、安全の確保が大前提と考えておりまして、引き続き、米側に対して、安全管理に万全を期すように求めてまいりたいと考えております。

前出の参院選の結果を受け、早期退陣を求める高知県連の動きについて

記者
先ほどの高知県連の件で2点確認をさせてください。しかるべき手順とか、了承とかを得ずに文書が出たということですけれども、副会長2人の名前も含めて役員6人の名前で出してると思うんですが、出した役員に対して、中谷会長の方から、抗議とか、何かを言ったことっていうのはあるのかということと、退陣すべき旨を申し入れるというふうに文章には書いていますけれども、県連として、改めて県連の総意として申し入れるというような考えはあるのかというのを確認をさせてください。

大臣
本件がマスコミに報道された後、作成した県連の副会長に直接電話をしまして、経緯を聞きました。本件につきましては、あえて副会長の個人名をもってですね、決めたということを明記をいたしておりますので、それは個人の副会長さんの御意見を集約したものであるという認識でありますが、それを確認したら、それで結構ですという返事がありました。

記者
改めて県連として、このような考えを県連の総意として申し入れることというのはあるのか。

大臣
これは、これからの総括とか、反省をですね、する場を設けますので、その場で支部長とか役員の皆さんの御意見を拝聴したいと思います。その場において、議論をして、そこでその場におけるですね、見解を述べてみたいというふうに思います。

参議院選挙で与党過半数割れとなった結果への防衛大臣としての考え

記者
参院選の関連なんですけれども、先ほど大臣は、これまで石破内閣はしっかりと仕事をしてきたというふうにおっしゃいましたが、にもかかわらず、今回の参院選では与党大敗して過半数を割ったという状況です。なぜ、こういう結果になったというふうにお考えか、考え得るものがあれば教えてください。

大臣
やることはしっかりやっていると思いますけれども、一つは説明の仕方ですね。もう少し、せっかくやっていることについて、うまく説明をしていくということは大事なことでありまして、説明責任をですね、果たしていくということなどであります。結構、大事な問題等につきましては、野党側の要求も飲んでですね、法律を改正したり、措置をしたりですね、をしているわけでありますので、今まで何もしなかったというわけではございません。物価対策にしても、ガソリンの措置にしてもですね、それなりの対応はしてきたつもりでありますので、現にガソリンも全国、今、等しくですね、170円台に落ち着いておりますので、その点についてもしっかり説明できればいいなというふうに思いました。

大臣
一言で言いますとですね、選挙というのは、民主主義の根幹でありまして、国民の皆様方の御意見を聞く貴重な機会であります。したがいまして、今回出された結果につきましては、謙虚に受け止めをしまして、しっかりとこれからの政権運営に当たっていくということが大切なことではないかなというふうに思います。

(以上)

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