南スーダンPKOへの自衛官派遣を継続 UNMISS司令部要員として活動
- 日本の防衛
2025-10-2 13:15
防衛省は令和7(2025)年9月29日(月)、ホームページの南スーダン国際平和協力業務(国際連合平和維持活動)の内容を更新した。
南スーダンの国連平和維持活動(UNMISS)に陸上自衛官4名を司令部要員として派遣している現状などを、以下のように公表した。
南スーダン国際平和協力業務(国際連合平和維持活動)
国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)
司令部要員(1次~17次)
派遣地:南スーダン
派遣期間:平成23年11月~
派遣状況:陸上自衛官4名を派遣(令和7年9月1日時点)
※兵站幕僚、情報幕僚、施設幕僚、航空運用幕僚
延べ人数:61名(令和7年9月1日時点)
主な業務内容:
軍事部門の兵站全般の需要に関するUNMISS部内の調整(平成23年11月~)
データベースの管理(平成23年11月~)及び情報の分析(令和7年6月~)
施設業務に関する企画及び調整(平成24年2月~)
航空機の運航支援に関する企画及び調整(平成27年1月~)
主要装備品:(非武装)
施設部隊(1次~11次)及び現地支援調整所(1次~4次)
派遣地:南スーダン(現地支援調整所は南スーダン、ウガンダ及び必要に応じてケニア)
派遣期間:平成24年1月~平成29年5月(現地支援調整所は平成24年1月~平成25年12月)
延べ人数:3,912人
主な業務内容:道路等のインフラ整備等(5次要員以降は現地支援調整所が担っていた業務(施設部隊が行う活動に係るUNMISS等との協議及び調整、後方補給業務等に関する調整)が追加)
主要装備品:軽装甲機動車、トラック、ドーザ、けん銃、小銃、機関銃等
執行額
約402.1億円(29年9月末までの予算ベース)
(司令部要員分については、内閣府予算にて措置)
概要

南部スーダンにおいては、スーダン政府(イスラム教・アラブ系)とスーダン人民解放運動・軍(キリスト教・アフリカ系)の対立を経て、2005年1月、両者はCPA(南北包括和平合意)に署名し、紛争が終結した。同年3月、CPA履行支援等を任務とする国連スーダン・ミッション(UNMIS)が設立され、我が国は2008年10月以降、UNMIS司令部要員として自衛官2名を派遣。2011年1月に実施された南部スーダン住民投票の結果を受け、2011年7月9日に南スーダンが独立。これに伴い、UNMISがその任務を終了する一方、平和と安全の定着および南スーダンの発展のための環境構築支援等を目的として、国際連合南スーダン共和国ミッション(UNMISS)が設立された。我が国は、国連事務総長からの協力要請に基づき、同年11月に司令部要員を派遣し、また2012年1月より施設部隊等を順次派遣した。
派遣部隊は、自衛隊の得意分野を活かし、国連施設の整備や道路補修、国際機関の敷地整備等の施設活動を実施するとともに、ODAやNGO等とも連携を行った。2017年3月、首都ジュバの治安改善等を任務とする新たなPKO部隊(地域保護部隊)の展開が開始されつつあり、南スーダンの安定に向けた取り組みが進みつつあること、また、南スーダンによる、民族融和を進めるための国民対話の開始の発表など、国内の安定に向けた政治的プロセスが進展していること、また、我が国施設部隊は、これまでのわが国のPKO活動の中で、最大規模の実績を積み重ね、その施設活動について一定の区切りをつけることができると考えたことから、我が国としては、自衛隊による施設活動を中心とした支援から、南スーダン政府による自立の動きをサポートする方向に支援の重点を移すことが適当と判断し、5月末を目途に施設部隊を撤収することとした。じ後、要員は順次帰国し、5月30日には隊旗返還式が実施された。
施設部隊撤退後もUNMISS司令部への要員派遣は継続しており、引き続き、自衛官の派遣を通じた貢献を行っている。
(以上)
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