小泉防衛大臣が記者会見 国家安全保障会議及び閣議で決定された3件や潜水艦の次世代の動力などについて(11月7日)
- 日本の防衛
2025-11-11 16:23
令和7(2025)年11月7日(金)08時39分~08時44分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、国会議事堂本館内閣議室前において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
本日7日、国家安全保障会議及び閣議において、次の3件について、活動期間の1年延長が決定されました。1件目は、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動。2件目は、中東地域における情報収集活動。3件目は、多国籍部隊・監視団(MFO)への司令部要員の派遣であります。防衛省・自衛隊としては、これらの活動を通じて、引き続き国際社会の平和と安定に貢献してまいります。
記者との質疑応答
潜水艦の次世代の動力について
記者 :
大臣、昨日TBSの番組でですね、「次の潜水艦の動力を今までのようにディーゼルでやるのか、それとも原子力潜水艦なのかについても議論しなければならないぐらい日本を取り巻く環境は本当に厳しい」との発言がありました。大臣としては、次世代動力はですね、全固体電池や燃料電池ではなく、原子力が有力だとのお考えでしょうか。
また、先日のマレーシア訪問で、日本の中古潜水艦に関心を示す国があったとのことですが、今後どのように交渉を進めていくのかお考えを伺います。
大臣 :
これについては現時点で、「次世代の動力」について、何ら決まっていることはありません。様々な分野で加速度的に変化する安全保障環境の中で、あらゆる選択肢を排除せず、抑止力・対処力の向上に必要な方策を検討していきますが、特定の結論ありきで進めるようなことはありません。ただ繰り返し原子力潜水艦の可能性も含めてというふうに私が申し上げているのは、原子力だからということで議論を排してはならないと、こういったことが私の思いとしてはあります。そして今後の防衛力の内容については、我が国の主体的判断の下、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、安全保障環境を踏まえて、具体的かつ現実的に積み上げていかなければならないと考えています。
そして、中古の潜水艦の話ですが、先日マレーシアで開催されたADMMプラスの際に、いくつかの国から、日本の潜水艦を含む、日本の防衛装備品の取得について関心があったことは事実であります。今後協議を進めることになりましたが、その詳細については相手国との関係があることからお答えできないことは御理解いただきたいと思います。ただ、防衛装備移転は、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するための重要な政策的手段であり、私自身、地域の平和と安定の為にASEAN以外の国も含めて各国へのトップセールスを強化していく考えに変わりはありません。
有機フッ素化合物(PFAS)対策費支援について
記者 :
有機フッ素化合物(PFAS)対策費支援について、沖縄県議会の意見書をめぐってですね、自民党会派が沖縄防衛局と文言を調整していたことが分かりました。要請を受ける側である国が、意見書の修正につながるような文言調整をすることは問題ではないのかということと、今回の件に限らず、沖縄防衛局や防衛省は沖縄県議会の意見書をめぐってですね、自民党会派といつからこのような調整をしてきたのでしょうか。
そもそもとして、今回の沖縄防衛局の行為は憲法21条が定める「検閲はこれをしてはならない」に反するのではないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
大臣 :
本件につきましては、沖縄防衛局が自民党沖縄県連から参考として、意見書案の修正案の共有を受け、文書の形式上、同様の趣旨が併記されたままになっていたことから、文書の形式上の修正漏れを、念のため、参考として同県連に送ったものであり、意見書案の内容について意見を申し上げたものではありません。また、本件については、県連側から共有を受けたものであり、沖縄防衛局から共有を求めたものではありません。
憲法第21条第2項にいう「検閲」とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解されているところですが、先ほど述べたような経緯を踏まえると、本件は、憲法にいう「検閲」には当たらないというふうに考えています。その上で、沖縄防衛局においては、平素から様々な方々と意見交換を行ってきていますが、その詳細についてはお答えを差し控えます。いずれにせよ、PFASをめぐる問題については、地域の皆様が不安を抱いていることを受け止めて、政府全体で取組を進めており、引き続き、関係省庁と緊密に連携をして、適切に対応してまいります。
(以上)
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