第4回 防衛力変革推進本部を開催 議題は「人的基盤強化」と「防衛生産・技術基盤」(2月19日)
- 日本の防衛
2026-3-2 11:55
防衛省は令和8(2026)年2月27日に公式サイトにおいて、2月19日に開催した第4回 防衛力変革推進本部について報告した。
以下に、開催内容と小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣の冒頭発言、関連資料を転載する。
第4回 防衛力変革推進本部
年月日
令和8年2月19日
議題
「人的基盤」及び「防衛生産・技術基盤」について
大臣冒頭発言
小泉大臣冒頭発言
関連資料
人的基盤強化をめぐる課題
防衛生産・技術基盤
小泉防衛大臣冒頭発言
今日の2点のテーマについて申し上げたいと思います。
まず、1点目の「人的基盤」ですが、昨年度、自衛官の採用は目標1万5千人に対して1万人に届かず、中途退職は5千人を越えました。
私は、強い危機感を持って、着任以来、自衛隊員とご家族を守り抜くという決意で、処遇と生活勤務環境の改善を推進してきました。
例えば、
▪ 昨年の給与法改正で自衛官の給与が過去最高額となったこと
▪ 高等工科学校や防大の学生の年収を20万円以上上げること
▪ 予備自衛官の給与も過去最高額に上げること
▪ 令和8年度予算案で、過去最大の上げ幅となる糧食費を含め、人的基盤強化に5,814億円を計上したこと
▪ 自衛隊創設以来初となる自衛官独自の給与体系の改定を、前倒しで令和9年度中に実施すること
▪ 今国会で若年定年退職者給付金の引上げや、65歳まで再就職支援を何度でも実施できるようにするための立法措置を講じること
▪ 海上保安庁や総務省などと協力し、再就職先を拡充したこと
▪ 隊員の要望を受け、カロリーメイト等を速やかに支給したこと
など、多くの駐屯地・基地を訪問し、現場の声をしっかり把握した上で形にしつつ、処遇改善を進めてきました。
このような様々な取組みにより、今年度の入隊者は1万人を超える見込みです。地方協力本部の広報官をはじめ、募集に当たる皆さんの努力にも心から感謝したいと思います。
お集まりの皆さんも、労を惜しまず、隊員一人一人や御家族の意見を聞くことを重視してもらいたいと思います。
引き続き、人事教育局長を中心に、自衛官独自の給与体系の改定や、自衛官の福利厚生の充実・社会的地位の向上といった施策に、スピードを上げて取り組んでください。
今後、自衛官募集の対象人口は、20年間で約3割減少すると言われています。激化する人材獲得競争に勝利するという意気込みで、今の時点から、多様な人材の取り込みや、職業としての魅力化、組織文化改革を進めていただきたいと思います。
選挙期間中、元自衛隊の隊員で子育て中の女性から「また自衛隊に戻ります!」と、こういう声をかけていただいたことを、非常に嬉しくそして印象的に覚えています。これまで以上に「この自衛隊で働きたい」「これからも我が国の防衛に貢献したい」そう思ってもらえるような自衛隊を作っていきましょう。
同時に、人材獲得が厳しい中でも、防衛力を強化していく必要があります。徹底的な無人化・省人化、AIの導入、部外力の活用等によって戦い方・組織・業務を変革し、自衛官には自衛官にしかできない任務に専念してもらうようにしてください。
また、事務官や技官なども、自衛官とともに、防衛力そのものであります。特に、私を日々直接支えてくれるここ市ヶ谷の職員に、近年、中途退職者が多いことに危機感を覚えています。防衛省が、成長を実感でき、働きがいのある職場であるよう、官房長を中心に、処遇改善、エンゲージメントの向上等を直ちに実行してください。
2点目の議題である防衛生産・技術基盤に関して、ウクライナ侵略がまもなく丸4年を迎える中、各国は継戦能力の重要性を痛感しています。先日のミュンヘン安全保障会議でも、多くの国防大臣が防衛生産基盤の強化を喫緊の課題として挙げ、他国との共同生産や資金調達のあり方などの議論を活発に行っていました。
我が国の防衛生産基盤も根本的な強化が不可欠です。必要な時に必要なものを作れない、メンテナンスできない、他国との協力もできない──そんなことがあってはなりません。
他国との協力も含め、長期戦への備えを念頭に置いた生産力を平時から確保・維持するとともに、有事にはさらに急速に拡大できること、これがひいては抑止力になります。
各国では、AI、ドローン等の新技術の導入も進んでいます。ウクライナのドローン生産能力は、2024年には230万機という、とてつもない数に上っています。また、前線からのニーズや教訓を短期間で取り込み、改修の上、前線へ再投入することも行われています。
さらに、現在の厳しい安全保障環境を踏まえれば、ここ1、2年という短期間で成果の出る抑止力の強化が必要です。民生部門とも連携し、早期かつ大量に装備品を調達し、改修・改善できる基盤を作ることは、直近の抑止力強化の観点からも重要です。
このため、我が国でも、スタートアップをはじめとする企業の優れた技術を迅速に導入するためのファストパス調達を月内に実現しますが、さらに、調達・改修のリードタイムを徹底的に短縮すること、また、最先端技術を有する大学・研究機関やスタートアップとの連携を今以上に進めていくことが不可欠です。
防衛装備庁長官を中心に、調達制度の見直しや規制改革を速やかに検討し、できるものから直ちに実行してください。
最後に、防衛力の変革は、防衛産業の皆さんと共に進めていくことが必要です。防衛産業については、依然としてレピュテーションリスクなどの否定的なことが言われますが、
▪ 国民の命を守ることに直接つながる産業であること
▪ 新たな成長産業であり、経済・雇用に好影響を生み出すこと
▪ 国民生活にも役立つ新技術を生み出すこと
という新しい、また正しい理解を広げていくことが必要です。
例えば、イギリス・イタリアとの戦闘機開発GCAPについては、3か国の防衛産業の力を結集し、新技術・ビジネス・防衛協力を創出するという意義があります。ミュンヘンで両国の国防大臣と約束したように、さらに開発を加速化していきましょう。
本日も、防衛力の「変革」を力強く前に進めるため、活発で率直な議論をお願いします。
関連資料 人的基盤強化をめぐる課題











関連資料 防衛生産・技術基盤










(以上)
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