小泉防衛大臣が記者会見 12式SSM能力向上型の配備、吉田前統幕長の防衛大校長起用、米軍ヘリの予防着陸などについて(3月10日)
- 日本の防衛
2026-3-12 09:25
令和8(2026)年3月10日(金)8時44分~8時53分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
なし
記者との質疑応答
陸自健軍駐屯地への長射程ミサイル配備について
記者 :
陸上自衛隊健軍駐屯地への長射程ミサイル配備について伺います。九州防衛局が昨日、12式対艦誘導弾能力向上型を今月31日に配備すると発表しました。これに先立って発射機器などが昨日未明に搬入されましたが、熊本県知事や熊本市長は事前連絡がなかったとし、報道を通じて知ったことは大変残念、可能な限りの情報提供があるべきだ、などと述べています。
大臣はこうした声をどう受け止めていますでしょうか。また、今月17日には県や熊本市、周辺自治会に対して装備品展示を行う予定とのことですが、この狙いや対象を絞って実施する理由を教えてください。あわせて、配備までに広く地元住民を対象とした説明会を開催するお考えがあるのかも伺います。
大臣 :
まず、熊本県知事、そして熊本市長のコメントは承知しています。まず、国防に関わる事項には、対外的に明かせることと明かせないことがあります。今回の12式地対艦誘導弾能力向上型の搬入時期については、部隊運用の保全や輸送の安全を確保する観点から公表できない性質のものであったことを御理解いただきたいと思います。これは今回に限った話ではなく、一般に他の装備品の搬入についても同様であります。
一方で、配備時期については、これまでも必要な準備が整いましたら、事前に九州防衛局からお知らせすると述べてきたとおり、昨日、九州防衛局から部隊配備を3月31日とする公表を行い、熊本県と熊本市に対してもしっかりと御説明をさせていただきました。熊本県知事や熊本市長からは、丁寧な説明を行うよう求められており、これに応えるべく、熊本県や熊本市と緊密に連携して、様々な検討を行ってきたところですが、今般3月17日に展示会を行い、住民や地域の代表である首長・議会・自治会の皆様が御理解を深めていただく機会を持つこととしたものです。その上で、熊本県知事からは、広く地域住民を対象とした一般向けの展示会を開催するよう御要望をいただいております。防衛省として、これを真摯に受け止め、今後検討してまいります。
引き続き、熊本県や熊本市と連携をとりながら、地元の皆様に対する丁寧な御説明や適切な情報提供にしっかりと努めていきたいと思います。
吉田前統幕長の防衛大校長起用について
記者 :
防衛大学校の校長人事についてお伺いします。政府は、先ほどの閣議で吉田前統幕長を防衛大校長に起用する人事を決めました。自衛隊の、いわゆる制服組の方、制服組出身の方が防大の校長に就くというのは、過去の例を見ると珍しいのですけれども、吉田氏を起用した理由と、それから自衛隊の現場を知る吉田前統幕長に期待することを教えてください。
また、自衛隊全体の話として、慢性的な人手不足と言われて久しいですけれども、幹部育成の観点から吉田次期校長の下でですね、4月以降の防大で強化すべきだと考える点についても教えてください。
大臣 :
本日の閣議におきまして、久保防衛大学校長が退任し、4月1日付けで新たに吉田圭秀氏が就任する人事について内閣の承認を得ました。
吉田さんは、統合幕僚長を務めるなど、安全保障に関する豊富な知識・経験とリーダーとしての資質を備えています。このため、将来の自衛隊幹部を担う若者の教育訓練について責任を持つ防衛大学校長に適任であると総合的に判断し、今般、任命することとしたものです。一般大学出身であって、様々な事柄に対して高い意識を持つ吉田さんには、これまでの経験を踏まえて、ますます多様化・国際化する自衛隊の任務に対応できる人材育成を実現して、防衛大学校を世界一の士官学校へと発展させることを期待しています。
その上で、特に強化すべき点としては、新たな戦い方が顕在化し、安全保障環境や任務の多様化が進んでいることを踏まえれば、将来の戦い方を見据えた教育訓練と考えています。4月以降、吉田さんと共に、防衛大学校における教育の更なる充実・強化に努めてまいります。
なお、個人的に印象的なのは、私は防衛大臣になる前に、毎年防大の卒業式、そして陸上自衛隊高等工科学校の卒業式に出席をしてきましたけれども、吉田さんが陸幕長時代に陸上自衛隊高等工科学校の卒業式に出席をされ、その時に陸幕長訓示、その内容が素晴らしかった。今でも印象深く覚えています。必ず防衛大学校長として、防衛大学校の学生を将来日本を担う立派な幹部自衛官に育ててくれると期待をしています。
米軍ヘリコプターが名護市の野球場に予防着陸したことについて
記者 :
6日夜に訓練中だった米軍ヘリコプターが、沖縄県名護市の野球場に予防着陸した件で伺います。理由は警告灯が点灯したためということですが、何の警告灯が点灯し、その原因は何だったのでしょうか。また、着陸場所が地域の小さな野球場で住宅が近接していますが、その点からも今回の着陸は予防のレベルを上回る緊急性が伴う切迫したものだったのではないのでしょうか。そもそも予防着陸とはいえ、許容できる場所なのか見解を伺いたいと思います。あわせて、米軍機の予防着陸は、日米間でどこに着陸してもいいというような取り決めになっているのでしょうか。
大臣 :
お尋ねについては、3月6日夜、アメリカ海兵隊普天間基地所属のUH-1ヘリコプター1機が、飛行中に警告灯が点灯したため、沖縄県名護市に予防着陸したものです。一般に、航空機の警告灯は、航空機の何らか通常とは異なることを示す兆候がある場合に、乗員にそのことを知らせ、必要に応じて、危険の未然防止のための対応をとることを促すために点灯するものであると承知しています。今般の事案では、パイロットは警告灯の表示を受け、危険の未然防止のために必要な手段として、予防着陸を行ったものと承知しています。また、アメリカ側からは、予防着陸について、パイロットが飛行中に少しでもリスクを感じた時は、離陸した飛行場に戻ることなく、できる限り速やかに地上で安全を確認することが求められる。その際、パイロットは、搭乗員と地上への影響が最も少ない方法を選択し、機体を完全にコントロールした上で、最寄りの着陸可能な場所に着陸させるとの説明を受けています。
事故を未然に防ぐためにも、できる限り速やかに地上で安全を確認する必要がある場合には、機体を完全にコントロールした上で、米軍や自衛隊基地以外の最寄りの着陸可能な場所に着陸させる必要がある場合もあることを御理解いただきたいと思います。その上で、今回予防着陸が行われた野球場は住宅地に隣接しており、地域住民の方々に不安を与えるものであることから、アメリカ側に対し、航空機等の運用に当たっては徹底的な整備・点検を実施するよう申し入れたところです。いずれにせよ、米軍機の運用に際しては、安全の確保が大前提と考えており、引き続き、アメリカ側に対し、安全管理に万全を期すよう求めてまいります。
記者 :
すみません、原因については。
大臣 :
今回、アメリカ海兵隊普天間基地所属のUH-1ヘリコプター1機が、飛行中に警告灯が点灯したため、予防着陸したとの説明を受けています。アメリカ側からは、これ以上の説明は受けておりません。
イラン情勢について
記者 :
イラン情勢の関係でお尋ねします。3月3日の記者会見でですね、大臣の方から、現状、存立危機事態には該当しないという御説明がありました。なぜ、存立危機事態に該当しないのか、その具体的な理由を説明していただけないでしょうか。また、3月3日から日が経ちましたけれども、現状の認識としても、やはり該当しないという御認識で変わりはないのかをあわせて教えてください。
大臣 :
まず、これは国会答弁でも度々申し上げていることですが、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断することとなります。現時点においても、その存立危機事態に該当するといった判断は行っておりません。もちろん、ホルムズ海峡をめぐる情勢につきましては、重大な関心を持って情報収集を続けているところであります。
(以上)
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