荒井陸幕長が定例記者会見 令和8年度主要訓練・演習、25式スタンド・オフ・ミサイル配備など(4月7日)
- 日本の防衛
2026-4-10 11:07
防衛省 陸上幕僚監部は令和8(2026)年4月7日(火)15時30分、公式サイトにおいて、同日に実施された荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長による定例記者会見の内容を公表した。
陸幕長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
陸幕長からの発表事項
本日は私から1点です。令和8年度の主要訓練・演習について、お知らせをいたします。
陸上自衛隊は、令和7年度に引き続き、日米同盟を基軸としつつ、我が国と共通の価値観を有する国と、二国間又は多国間の枠組みにおいて、国内外で指揮所訓練あるいは実動訓練を実施予定です。
これらの訓練を通じ、抑止力・対処力を強化するとともに、我が国にとって望ましい安全保障環境の構築に寄与してまいります。私からは以上です。
記者との質疑応答
令和8年度主要訓練・演習について
記者 :
冒頭発言にございました主要訓練・演習の昨年度からの変更点と、変更点があればその理由についてお聞かせください。
陸幕長 :
令和7年度からの変更点及びその理由等ということで認識をいたしました。
まず令和8年度の主要訓練・演習につきましては、基本的な考え方、日米同盟、あるいは多国間・同志国との連携を基軸とした共同訓練という考え方は昨年度とまず変わりません。7年度の訓練・演習を通じて得られた成果や課題を踏まえ、訓練の内容や構成を一層充実させていきたいと思っております。
具体的には、従来から重視をしてきた日米共同訓練や二国間、多国間訓練を継続しつつ、領域横断作戦を踏まえた訓練内容の充実を図っています。一例としては、電子戦、無人機対処、それからCBRN対処など、近年の作戦環境において重要性が高まっている分野について、実動訓練、あるいは指揮所演習を通じて演練することで部隊の対応力、戦術能力等を上げていきたいという風に思っております。
25式スタンド・オフ・ミサイルの練成訓練・実射訓練について
記者 :
スタンド・オフ・ミサイル関連でまず伺います。先月末に健軍と富士にそれぞれ25式のスタンド・オフ・ミサイルが初配備されたと思いますが、今後各地でどのような訓練を行っていくのかを教えてください。また国内で25式のスタンド・オフ・ミサイルの実射訓練ができる環境が整った演習場はあるのかも併せて教えてください。
陸幕長 :
練成訓練についてお尋ねがあったという風に認識をしております。
まず25式地対艦誘導弾については、これは既存の地対艦誘導弾部隊の能力、あるいは訓練実績を踏まえまして、まずは装備品の操作、整備等にかかる基礎的な練成から、これは当然開始をした上で、段階的に部隊運用に必要な練度の向上を図っていきます。その上でですね、やはり統合運用や機動展開、色々複雑な動きがありますので、そういうもので徐々に検証、あるいは演練を行って、地対艦誘導弾部隊本来の能力、またはスタンド・オフ防衛能力の実効性向上を図っていきたいと思っております。
次に、25式高速滑空弾については、これはスタンド・オフ防衛能力の一翼を担う新たな装備品でありますので、25式SSMと同じようにですね、まずは装備品の操作、整備等に係る、これは基礎的なものですね、こちらの方を確認したり、そういうものをしながら練成を着実に積み重ねていきたいと思っております。具体的な訓練内容とか、時期についてはですね、それぞれ部隊の運用能力に関わる事項でありますので回答は控えさせて頂きますが、公表ができるような内容があれば、訓練の内容等について実施をしていきたいと思っております。
それから訓練場所は国内でよろしいですかね。国内の実弾射撃訓練の可能な演習場、あるいは射撃場という観点で言いますと、訓練の内容、安全の確保ですね、こういうものをしっかりと関係自治体や関係機関との調整等を踏まえて判断することになりますので、現時点で、確定的にお話ができるようなことというのはありません。ただですね、これから調整をしたりとかですね、そういうものをしながらやっていくのですが、安全管理これを最優先に関係自治体、関係機関等と十分に調整をさせて頂いた上で、適切に実施をしていきたいという風に思っております。
記者 :
後段の質問について確認なんですが、88式地対艦ミサイルの実射訓練は、北海道の静内対空射撃場で去年からやっていて、今年もやる予定だと思うんですけれども、25式地対艦誘導弾は更に射程が伸びると思うのですけど、物理的に25式のスタンド・オフ・ミサイルの実射訓練ができる演習場があるのかということをちょっと伺いたかったんですけれども。
陸幕長 :
まずですね、その部分を含めて先ほどお答えした通り、訓練のやり方、内容ですね、最大で必ず撃つかというとそういうわけではありませんので、訓練の内容と、それからやはり新しい装備品ですので、安全確保これを今検討している最中ですので、現時点で確定的にお答えするということについては、差し控えをさせていただきたいと思っております。
陸上自衛隊の組織体制・将来の組織改編について
記者 :
もう1点、話題が変わって恐縮なんですけれども、陸上自衛隊全体の組織体制について伺おうと思います。現在、安保3文書改定に向けた自民党の協議の中で、将来的な人口減少を見据えた組織改編の必要性について今議論されております。すでに中間司令部のスリム化ですとか、北海道に多い戦車とか機甲の部隊がどこまでいるんだみたいな指摘はすでに色々されているところだと思いますけれども、将来的な陸上自衛隊の組織の改編とか、部隊規模の縮小とかそういうものの必要性について、今の陸幕長の問題認識を教えて頂ければと思います。
陸幕長 :
次期戦略3文書の検討、それから、それにかかる防衛省内の検討を踏まえて、陸上幕僚長としての問題意識はどうかという風に認識いたしましたが、まずですね、検討中の事項でありますので、現時点で何ら決まった方針というものはありません。それから検討の方向性についてもですね、防衛力変革推進本部会議等、防衛省のホームページでも色々な資料の公表を逐次させていただいておりますが、この方向性について、予断をもって、必ずこういう風に決めるんだといったものはないと言いますか、現時点で申し上げるのは適切ではないということだけはまず冒頭にお話をさせていただきます。
その上で今ご質問があったような観点で、私の問題意識ということであればですね、1つあるのは、その少子高齢化に伴い、自衛官の募集対象人口、これは18歳から32歳なんですが、ここは減少し続けていくことが見込まれている、これは事実だと思っております。このままですね、何も自衛官募集・採用等に対策を取らなければですね、将来自衛隊、陸上自衛隊に限らず現員数というのは、相当減少するリスクがあるという厳しい現実を認識した上で、省内で議論を進めている、この防衛力の変革の前提としなければならないというふうに思っております。これは1つ目の問題認識というか、やはり厳しい現実から目をそらさないということであります。
その上で募集・採用、それから中途退職が残念ながら多いのですが、これの抑制を一層強化して可能な限り現員を確保する、減らないようする、こういう努力をしっかりすることと、今所属している自衛隊隊員1人1人の能力を最大限に引き出すための取組を迅速にかつ強力に推進していかなければならないという問題認識はあります。この人口減少等に対してですね。
もう1つはですね、ここでもよくご質問いただきますが、ウクライナ侵略に係る中での新しい戦い方とか、色々と戦い方が変わっている中で、そういうものをどういう風に将来の防衛力に活かすかという観点でですね、やはり無人アセットの導入、それから今あるアセットの無人化、自動化改修、これは進めなければいけないのかなと思っております。そういう風にしながら、効率的・効果的に戦力を発揮するための、今ご質問にありました陸上自衛隊の組織体制、これをどういう風にしていくかということに関しては、問題認識を持ちつつ取り組んでいきたいと思っております。この際、アウトソーシング、民間力の活用というものも視野に入れなければなりませんし、そういうものを入れながらしっかりやっていきたいという風に思っているところであります。
人口減少に応ずる組織のあり方というのは、これは大きなテーマでありますので、しっかりと陸上自衛隊も向き合っていきたいという風に考えております。
北海道の部隊の存在意義・南西シフトについて
記者 :
もう1点だけ。北海道って元々、対ソ連・対ロシア防衛を想定した部隊が多かったと思うんですけれども、今これだけ南西シフトが進んでいる中で、北海道の自衛隊の部隊が、もし将来的に部隊再編の可能性があるんだったら、その対象になりかねない地域なのかなと認識をしているんですけれども、この安保環境の中で、改めて北の守りの存在意義と言いますか、そこ重要性についてのご認識も伺えればと思います。
陸幕長 :
まず北海道を含む日本全体において、我が国に配置をされている各地域の部隊、機関、学校ですね、陸上自衛隊が持っている部隊等については、それぞれが我が国の防衛において重要な役割を担っております。
陸上自衛隊としては、我が国全体の防衛を担う立場から、引き続き、必要な防衛体制を確保することが重要であるという風に認識をしているという上で、繰り返しになりますが、冒頭に申し上げたとおり、戦略3文書については、現在政府内で検討中ですし、新たな3文書の内容についてですね、何ら決まった方針というのもありませんので、しっかりとそういうものも踏まえながら、他方いま申し上げた通り、北海道含む我が国地域の部隊というのは、それぞれ重要な役割を持っておりますので、そういうものも踏まえて、将来の態勢の中でどうするかというのは、しっかり検討していきたいと思っております。
(以上)
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