海上幕僚長が記者会見 幹部候補生入校式・航空学生入隊式、募集広報の取り組みなど(4月7日)
- 日本の防衛
2026-4-10 11:23
防衛省 海上幕僚監部は令和8(2026)年4月7日(火)、同日16時00分~16時13分に防衛省A棟10階会見室において行われた齋藤 聡(さいとう・あきら)海上幕僚長の記者会見の要旨を以下のように発表した。
海幕長定例記者会見要旨
海幕長 :
本日私から1件、発表します。幹部候補生学校入校式・始業式及び小月教育航空群の入隊式についてです。
4月4日に幹部候補生学校での第77期一般幹部候補生課程の入校式及び第9期医科歯科看護科幹部候補生課程の始業式に、翌4月5日に小月教育航空群における第78期航空学生の入隊式にそれぞれ出席してまいりました。
式典の訓示の中で、幹部候補生に対しましては、「海上自衛官の原点が海上防衛の奉仕者であること」、そして「訓練を積み重ねることの重要性」について、航空学生に対しましては「初心を忘れずに誠実に取り組むこと」、「同期の絆を育むこと」をそれぞれメッセージとして伝え、入隊を激励してまいりました。
今回、多くの若者が海上自衛隊に入隊してくれたことに対して心から感謝の気持ちを表したいと思っておりますし、訓示の中でもそのような言葉を述べさせていただきました。
今後、入隊した隊員が立派に育つようにしっかり教育を努めてまいりたいと思っております。私から以上です。
隊員獲得のための取り組みと成果について
記者 :
今の冒頭発言に関連してなんですけども、新年度で新たな海上自衛隊の隊員の方も多く入隊されたということなんですけれども、これまで実施してきた、隊員獲得のための具体的な取り組みや、現時点での取り組み成果などについての評価をお聞かせください。
海幕長 :
今言われたように、募集について非常に厳しい状況は継続しております。7年度の入隊者数については採用数を下回っておりますので、引き続きこういった厳しい状況は継続しております。
一方で、一般曹候補生については、志願者数の減少のペースは鈍化しているという傾向とか、志願者数が増えている自衛官候補生などは志願者が微増してるというような状況もあります。報告でそのように聞いておりますけども、具体的にもう少し詰めたところでまた報告を受けたいと思いますので、そこで総括してお伝えすべきことがありましたら、しっかりとお伝えしたいと思います。
様々な取組をしていることが徐々に効果が出てきているんじゃないかなと思っております。一つは、勤務環境の改善、あるいは処遇改善、こういったもので自衛隊に入ってみようかなという人たちが増えている傾向にあると思っております。もう一つはここにも置いておりますけれども、カイジョウジエイ鯛君を含めた採用広報が徐々に効果を出してきてるのかなと思っております。ここも最後には分析したいと思っております。
そもそもカイジョウジエイ鯛君を使って広報をしておりますのは、今までいろんな海上自衛隊に対する誤解がありましたので、そういったものをしっかりと解くために情報発信をしたいなと思っております。カイジョウジエイ鯛君につきましては、昨年度全国4か所で実施した「カイジョウジエイタイムズ展」という名称で募集広報の展示会を行ったところです。横浜、名古屋、大阪、福岡、各会場で2日間、合計8日間で1万人に来場していただきました。様々な誤解がありますので、そういったものを解くチャンスになればと思いまして、こういったパンフレットも準備してお配りしたところです。
この中には、「泳げなくても海上自衛隊に入れますよ」とか、「海上自衛隊は海だけじゃない、陸の勤務もありますし、空の勤務もありますよ」という話、あるいは、どうしてもマッチョな人がいっぱい集まってるという認識があるみたいで、「筋トレは実は趣味で、マッチョはやんなきゃいけないものではないよ」ということを書いたり、「海に出てもスマホが使えますよ」、「練習航海中でも使えますよ」という話とか、「海上自衛隊ならではの手当がありますよ」と、私が見てもすごい面白いなという内容になってます。こういったものを広く配って、誤解を解いて、海上自衛隊の魅力を伝え、そして若者がさらに多く入ってくるような取り組みを引き続き継続したいなと思っております。
記者 :
先ほどの質問に関連してですが、多くの誤解があるというふうに海幕長おっしゃいましたが、その誤解というのはどういうところから来てるというふうに認識されていますでしょうか。
海幕長 :
あまり今までそういった誤解を解く努力をしてなかった。あるいは誤解されているということも認識してなかったというところにあると思います。募集対象者とのコミュニケーションがよく取れてなかったということだと思います。
今回こういったものを取れたのは、部外の方に委託して、こういった広報採用をお願いして、そこで分析したところ、そういったところ(誤解)があるんじゃないんですかとお伝えいただいて、それにカウンターを打っていこうということで進めたところです。今までなかなか我々が気づいていなかった点を部外者に教えていただいたところにあると思います。
燃料の確保・備蓄態勢・代替燃料について
記者 :
原油価格が2倍ぐらいに跳ね上がっていて、構造的に見ても中東産の原油の安定調達が難しく、ロシア、南米、北米などからLNGなどの代替品に代替をしなければならないと(いう状況です)。自衛隊は国の組織なので、重油がなくて船が動かせない、艦隊の行動に制約が出る、訓練の回数を減らさなければならないといったことはあり得ないと思いますが、中長期的スパンで燃料の備蓄態勢の見直しや代替燃料の研究等、例えば、外食産業で出た油を一部航空燃料として使用する、という取組があるように、今後の海上自衛隊としての影響等をどのように見ておられるかを教えてください。
海幕長 :
過去には燃料の確保が難しいときに、燃料節減のため訓練の一部を制約、例えば、護衛艦の2軸のプロペラのうち片軸だけを動かして、訓練や行動することにより燃料節減に取り組んだことはあります。ただ、現時点では、そのような状況ではありませんし、必要な燃料はしっかりと確保できています。一方で、重油※については、各地の温水プールで使用しているところを一部節約しながらやっておりますが、部隊の教育等に必要なものはしっかりと確保されています。さらに、代替燃料については不断に検討を続けているところでありますが、現時点で具体策はありませんが、将来的にこういったことも対応できるよう検討していきます。
※原文「原油」を「重油」に訂正
記者 :
今の質問に関連して、海幕長、プールを節約しているとおっしゃいましたが、基地の温水プールなどの運用を停止しているということでしょうか。
海幕長 :
現時点では、やっておりません。通常にプールについては温水を確保して、使っておりますので、今のところ、ストップとかして節約しているとかはないですけど、これが長く続くと、もしかしたらそういったことになるのかなという検討が一部の部隊ではなされております。一方で、これからどんどん暖かくなりますので、プールもそのまま水で泳げるようになることになりますので、そのままプールの運用を停止することなく、あるいは時間を決めて節約することなく、使えるんじゃないかなと見積もっております。
記者 :
では確認ですが、現時点では訓練にも生活環境のようなところにも影響はでていない。
海幕長 :
影響は出ておりません。
中東情勢・海上自衛隊の活動への影響について
記者 :
イラン情勢に関連して教えてください。イランでの戦闘に加えて、イエメンのフーシ派による脅威も懸念されていますが、現在の中東の情勢認識と、あと今後、現在の海上自衛隊の活動に影響はないかどうかその辺を教えてください。
海幕長 :
言われた通り、様々なことを考慮しなきゃいけないというところだと思うんですけど、現時点で発生している海賊対処行動、あるいは情報収集活動に従事している護衛艦及び航空機の活動に制約を与えるような状況ではないと思っていますので、安全を確保しつつ、任務を継続しているところです。
(以上)
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