日本の防衛と安全保障の今を伝える
[Jディフェンスニュース]

site search

menu

Jディフェンスニュース

JA2024速報──BAEシステムズ[W4-037]

  • その他

2024-10-18 08:05

2024年10月16日から19日まで開催されている「2024国際航空宇宙展」(JA2024)。主要出展ブースの展示内容を、短い記事にまとめてお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

Azalea衛星の模型。今回の展示で最も力を入れている製品だという 写真:井上孝司

 英国の総合防衛メーカーとしておなじみの、BAEシステムズ。最近ではGCAP(Global Combat Air Programme)の関係で名前を聞く機会が増えた。ただしJA2024では、GCAPは専用ブースを設営して、そちらに集約する方向であったようだ。では、BAEシステムズは何を出展していたか。

 まず、小型マルチセンサー衛星群「Azalea」。合成開口レーダー(SAR : Synthetic Aperture Radar)、可視光線、RF(Radio Frequency、ラジオ周波数)といったのセンサーを搭載する衛星を、低高度の周回軌道(LEO : Low Earth Orbit)に投入するもの。衛星にプロセッサを搭載してデータの前処理を行うため、ダウンリンクするデータ量を抑えられる。

 BAEシステムズは電子戦に強いメーカーだ。JA2024では、米空軍の新型指揮統制妨害機「EA-37B」の模型も展示されていた。

 また、資料配布だけになるが、赤外線誘導ミサイルに対処するためのフレア、それとレーダー誘導ミサイルに対処するためのRFデコイといった対抗手段を散布する「Smart D² システム」。これは単なるディスペンサーではなくて、脅威に関するデータベースを持つとともに搭乗員によるカスタマイズを可能にして、脅威に対して最適な対処を行えるようにしているところがキモ。

 もうひとつ。以前からの常連となっている出展物がHUD(Head Up Display、ヘッドアップ・ディスプレイ)とHMD(Helmet Mounted Display、ヘルメット搭載型ディスプレイ)。HMDは実際に被って試すことができたが、飛行情報だけでなく、周囲にいる他の飛行物体も敵・味方・識別不明のそれぞれでシンボルを変えて、向きと概略の距離が分かるようになっている。

HMD付きのヘルメット。ヘルメットがずれると表示が見えなくなってしまうので、一人一人、サイズ合わせをするところが肝心だという 写真:井上孝司
そのHMDに表示するシンボルの例。中央に飛行諸元が、右手に探知目標の情報が表示されている。敵味方の別はシンボルの形と色でわかる 写真:井上孝司

(以上)

井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

bnrname
bnrname

pagetop