《「こんごう」乗艦レポート》
リムパック2026 #1 パールハーバー出港
- 特集
2026-7-15 20:20
アメリカ海軍が主催し太平洋各国の軍が参加する、世界最大の多国間海上演習「リムパック」。30回目となる今回、日本からは海自と陸自が参加。護衛艦「こんごう」の艦上から、柿谷哲也がお届けします。
リムパック2026に参加した、ミサイル護衛艦「こんごう」
ハワイ時間2026年7月7日(火)午前7時30分、海上自衛隊のミサイル護衛艦「こんごう」(DDG 173)は、上空を雲が覆うパールハーバー基地ブラボー1岸壁を離れた。2隻の曳船に曳かれた「こんごう」は、記念艦「ミズーリ」の横で回頭し、針路を湾口へと進む。



「こんごう」は、6月24日(水)から7月31日(金)にかけてハワイ周辺海域で行われる、多国間合同演習「リムパック」(RIMPAC、Rim of the Pacific)に参加するため、6月6日(土)に単艦で佐世保を出港し、6月22日(水)にパールハーバーに到着。乗員は港湾での行事やハーバーフェーズ訓練に参加し、また充分な休養をとった。この休暇中にワイキキで趣味のサーフィンを楽しんだ1分隊運用の前川海斗(まえかわ・かいと)3等海曹は、前甲板でメガホン片手に7日の出港作業を監督。「気持ちを切り替えて訓練に臨みます。まずは、安全に無事に出港できたので安心しています。」
30回目を迎えた環太平洋演習 30か国から艦艇45隻・航空機140機・人員3万人が参加
リムパック2026は、アメリカ海軍太平洋艦隊の第3艦隊が主催する環太平洋国家の合同演習だ。1971年に始まり 、30回目となった今回は30か国が参加した。そのうち日本、アメリカ、オーストラリア、カナダ、チリ、韓国、イタリア、スペイン、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、フィリピン、シンガポールの13か国が艦艇を派遣している。演習には総勢艦艇45隻、航空機約140機、人員約3万人が参加し、前回 2024年の参加規模を上回った。海上自衛隊からは、水上部隊指揮官として4月に新編されたばかりの第1水上戦群の司令を務める小林卓雄(こばやし・たくお)海将補、令和8年度インド太平洋方面派遣(IPD26)の第3水上分隊として参加している艦長 野田央典(のだ・ひさみち)1等海佐率いる護衛艦「こんごう」(DDG 173)、航空部隊としてIPD26 第3航空部隊として参加している指揮官 前田達矢(まえだ・たつや)2等海佐率いる第5航空隊のP-1が1機、このほか、水陸両用機雷戦群から、水中処分員が参加する。
リムパック演習が始まった冷戦当初は、ソビエト海軍に対抗する戦術を多国間で連携することが目的であったが、近年では急変する世界情勢に各国の海軍力でどのように連携するかがテーマになっている。90年代までは最大で10隻を派遣してきた海上自衛隊はその後、日本周辺環境の変化に伴い参加数を減らし、今回は「こんごう」のみとなった。しかしその分、日本ではできない高度な実弾射撃を含む対空戦、対水上戦、対地支援攻撃などの訓練や、アメリカなど各国海軍と連携した対潜戦や電子戦など高度な連携を予定している。
「この先の訓練も安全に留意して気を引き締めます。」と、キリリとした眼差しの前川3曹。
「こんごう」乗員らは、このあと約3週間の連続した洋上訓練を行う。

(つづく)
「こんごう」乗艦レポート リムパック2026 〜 タイトル一覧 〜
#1 パールハーバー出港
#2 迎撃ミサイルSM-2発射
#3 撃沈訓練 SINKEX
#4 艦上体育と医療搬送体制
#5 ハープーン対艦ミサイル発射
#6 緊迫の対潜戦訓練
#7 毎日が実戦! 厨房の戦い
#8 127mm砲が吼える対地射撃
#9 対空戦訓練 ADEX
#10 「絆」で結ばれた洋上補給
#11 イージス艦から見る星々と人工衛星の恩恵
#12 「ミスターこんごう」
#13 第1水上戦群司令が語る HA/DRにおける日本への期待
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