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木原防衛大臣、会見でフィンランド防衛相との会談などに言及(9月10日)

  • 防衛省関連

2024-9-12 10:01

 令和6(2024)年9月10日(火)10時58分~11時19分、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室において閣議後会見を行った。

 内容は、以下のとおり。

大臣からの発表事項

日フィンランド防衛相会談の実施について

 日フィンランド防衛相会談の実施についてであります。明後日の9月12日木曜日、フィンランドのハッカネン国防大臣を防衛省にお迎えしまして、日本フィンランド防衛相会談を実施いたします。フィンランドとの防衛相会談は、2022年に東京で実施して以来2年ぶりとなります。我が国とフィンランドは基本的価値を共有しており、昨年のフィンランドによるNATO加盟も踏まえ、両国間の防衛協力・交流の拡大に向けて、今回のようなハイレベルの対話を持つことは非常に有意義であります。今回の会談では、地域情勢について両国の認識を共有するとともに、日本フィンランド間の安全保障・防衛協力の更なる進展に向けて、具体的な議論を行う予定となっております。

記者との質疑応答

在沖米兵による性的暴行事件について

記者 :米兵による性的暴行事件について、昨年12月と今年5月に続いて、6月にも発生していたことが判明しました。大臣の受け止めと防衛省の対応を教えてください。また、米側が7月に示した再発防止策の進捗状況について共有されている情報があれば教えてください。

大臣 :前段について、米兵事件の受け止めについてですが、お尋ねの事案でございますが、捜査当局において捜査中であると、そのように承知をしておりまして、その内容等については、防衛省としてコメントするということは差し控えなければならないと、その旨御理解をお願いいたします。その上で、防衛省としましては、9月5日の当該報道を受けまして、沖縄県警に概要を確認し、沖縄防衛局から沖縄県に対して連絡をしたところであります。沖縄県における在日米軍による犯罪のうち、被害者のプライバシー保護が重要となる性犯罪であって、刑事訴訟法第47条の趣旨を踏まえて、逮捕・事件処理について捜査当局による積極的な広報がなされない事件については、捜査当局による事件処理がしかるべく終了した後、起訴事案については全て、不起訴事案については被疑者により犯行が行われたと認められる事案について、例外なく、可能な範囲の内容を地方自治体に伝達することとしております。防衛省としては、今お尋ねの事案についても、捜査当局による捜査及び事件処理の結果を踏まえ、適切に対応してまいります。後段は、再発防止の進捗状況ということでしたけれども、米側が発表しました一連の再発防止策のうちで新しいフォーラムの創設については、現在、人選や設置時期を含むフォーラムの詳細について、米側及び地元とも調整中というふうに承知をしております。重要なことはですね、米側による措置が確実に実行されて、そして、再発防止につながることでありますので、防衛省としても、着実に実施されるように、引き続き米側には働きかけをしてまいります。

防衛費増額の財源と原子力潜水艦の保有について

記者 :防衛費増額の財源と原子力潜水艦について伺います。自民党総裁選を巡り、出馬を表明した議員らが政策を発表しています。その中で、防衛費増額を巡り、増税ではなく経済成長で税収を増やして財源を確保する方針を掲げる候補予定者もいます。大臣の受け止めと、防衛省として、予算や計画の在り方を見直す考えが今後あるか教えてください。また、原子力潜水艦の保有検討を打ち出す議員もいますが、原潜の保有についての見解を教えてください。

大臣 :自由民主党の総裁選挙が、間もなく始まるに当たってですね、先週も同様の質問をお受けしたと思うんですが、この場では、防衛大臣としての会見でございますので、自由民主党の総裁選における各候補者の主張、今、出馬会見であったり、あるいは政策発表であったり、ということが累次なされているわけでありますけれども、私がこの場で発言すると政府としてのコメントということになりますので、その点は差し控えたいと思います。これは、防衛政策全般に係ることですので、今言われたことも含めてですね、差し控えたいというふうに思います。

新・宜野湾市長が掲げる普天間飛行場の辺野古移設政策について

記者 :米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関連して伺います。先般、宜野湾市長選挙がありまして、元職の佐喜真さんが当選されました。佐喜真さんの主要な政策の一部にはですね、普天間飛行場の返還期日の明確化という点と、普天間に所属する米軍機を段階的に移駐するということ、この2つを掲げていますけれども、いずれも防衛省として、この実現性ついてどう考えていて、今後どのように取り組むお考えかという見解をお聞かせください。

※9月8日開票した沖縄・宜野湾市長選挙で元職の佐喜真 淳(さきま・あつし)氏が当選した。

大臣 :佐喜真宜野湾市長が、その選挙公約としてですね普天間飛行場返還期日の明確化、また段階的な移駐というものを掲げておられたということは承知をしております。市長のお考えというのは、普天間飛行場の返還、そしてそれまでの間における危険性の除去、また騒音軽減を着実に進めていくことにあるものというふうに受け止めております。これは前任の松川市長も同様のお考えだったというふうに承知をしております。政府としては、普天間飛行場の代替施設につきましては、辺野古移設が唯一の解決策であり、現在の計画に基づいて、着実に工事を進めていくこと、そのことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながるものと考えております。一方で、普天間飛行場の全面返還というものが実現するまでの間においても、基地負担の軽減を一層進めていかなければなりません。米側に対しては、航空機の騒音規制措置の遵守をはじめ、安全面に最大限配慮しつつ、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるよう、引き続き、粘り強く働きかけをしてまいります。同時に、航空機の訓練移転を着実に実施をして、住宅防音工事の助成など、地域社会との調和に係る各種施策を講じるといったことも通じて、可能な限り基地負担の軽減に努めていく考えでありまして、今度、佐喜真市長もですね、上京をされるというふうに聞いております。今後もですね、緊密に連携しながら、この点、全力で取り組んでまいる所存です。

陸自・金沢駐屯地内での女性自衛隊員の自死について

記者 :自衛隊員の自殺についてお尋ねいたします。陸上自衛隊金沢駐屯地の敷地内で今年8月1日未明、若い女性自衛隊員が建物から飛び降りて自殺しました。事実関係と非公表の理由を教えてください。また、パワハラやセクハラに該当する行為、懲戒処分に当たる行為などがなかったのかどうか確認をされているかもあわせて教えてください。

大臣 :御指摘の、令和6年8月1日、金沢駐屯地において、隊員の死亡事故の件だと思います。実際にその死亡事故があったのは事実であります。その上で、当該事案については、現在、部隊等において事実関係を調査中であること、また御遺族の心情等に配慮するとともに、亡くなられた女性隊員及び御遺族のプライバシーを保護する必要があるということから、現時点において、お尋ねの事実関係も含めて、お答えすることが困難であるということはどうぞ御理解をお願いします。

在日米軍のPFAS(有機フッ素化合物)対策について

記者 :別の話題で恐れ入ります。在日米軍のPFAS対策について伺います。米国防総省は、米軍の影響でPFASで汚染された飲料水の浄化に関する新しいガイダンスを発表しました。国内でも米軍施設が汚染源とみられる汚染が深刻化していますが、こちらのガイダンスの在日米軍施設での適用について、日米間で何らかの調整や合意はとっているのでしょうか。また、今後、この新しいガイダンスに基づいた浄化作業の要請を米国に対して実施していく考えはありますでしょうか。

大臣 :米国防省が、飲料水に含まれるPFOS等の浄化に関する新たなガイダンスを公表したことは承知をしております。他方で、本ガイダンスが在日米軍基地にどのように反映されるかについては、この点は一義的には米国政府の判断であり、防衛省として予断をもってお答えするということは困難であります。その上で、防衛省としては、PFOS等についてこれまでも様々なレベルで米側とやり取りをしてきておりまして、引き続き関係省庁で連携してまいります。

防衛費増額をめぐる増税停止論について

記者 :先ほどの防衛増税の停止論の話なんですけれども、自民党の総裁選での個別の候補の公約になるということでお答えしないということなんですが、大臣所属されてる茂木派の茂木幹事長だけでなくて、立憲民主党の代表選でも停止論というのは一定程度ありまして、ある程度盛り上がりを見せていると思うんですけれども、他方、防衛省としては、概算要求の際も税制措置を要望している立場な訳で、防衛省として、政治の影響を大きく受ける税制改正ですので、防衛省としての立場を教えてください。

大臣 :繰り返しになりますが、防衛大臣としての会見であります。今、各候補者、まだ立候補を表明されてない方もおられます。これから政策発表という方もおられて、それぞれが安全保障政策関連というのは、意思表示をされたり、あるいは公約の中に入っていたりということであります。先ほどの御指摘もあったように、税制措置以外にも原子力潜水艦導入の話であるとか、あとは、米国内に自衛隊の基地を、というようなことを話された候補者もおられたり、あとはなんですかね、非核三原則の見直しとかですね、本当、候補者によって安全保障関連の公約、税制措置だけではなくて、本当に我が国の防衛政策を非常に大きく左右するような、そういうものがたくさん含まれているのではないかなと思っております。そういうことについて一つ一つですね、今回候補者も多いです。私がコメントをし、それを一つ一つマルかバツかみたいなことを言うことは適切ではないと思っておりまして、正にこれから公平・公正に行われようとする自由民主党の総裁選にですね、投票される党員の方、あるいは議員にも予断を与えてはいけないというふうに思っておりますから、もうこの点は一律ですね、この場では申し上げることは控えようというふうに思います。それはやはり、公正な選挙をする上でですね、必要なことではないかなと、そういうふうに判断を致しましたので、どうぞ御理解をいただき、今後もこれからもいろんな安全保障に関する政策をですね、候補者が発表するかもしれませんが、これからもそのようなスタンスで、この会見では臨んでいきたいというふうに思います。

記者 :総裁選の絡みでお伺いするんですけれども、一般論で構わないので恒久的な財源に裏打ちせずに防衛力の整備を行うという、このことに大臣は不安は感じたりはしないでしょうか。

大臣 :それはある意味、候補者の公約に紐づけてですね、聞いておられる質問と思うので、それをお答えすることでですね、候補者の公約についての私のコメントというふうにとられてしまうと思います。一般論というのは、政府が発表している、ある意味閣議決定をした内容、防衛力整備計画の中に書かれている内容というのが防衛大臣としての私の考え、この場でコメントするべきことでありますから、それは皆さん十分御承知のことと思いますので、私自身が不安に思うかどうかというのは正に個人的な感情の部分でもありですね、正にこれから立候補されんとする候補者の投票、党員投票であったり、議員投票であるということに予断を与えかねないというふうに思いますから、その点も控えたいというふうに思います。

普天間飛行場の返還における段階的移駐の可能性について

記者 :先ほどの宜野湾市長選の質問に関して、もう少し詳しく教えていただきたいのですが、普天間飛行場の返還までの負担軽減を進めていくという大きな方針は分かったのですけれども、その方策として、さっき市長がおっしゃっている段階的移駐が可能かどうか、それについて米側との交渉に乗り出すかどうかについて、いかがでしょうか。

大臣 :普天間飛行場代替施設建設事業の工期に関わることであります。変更後のですね、計画に基づく工事に着手した本年1月10日から、もうこれは既に公表していますが、工事完了までには9年3か月、そして提供手続の完了までに12年要するという旨をもう御説明をしてきております。その上で、普天間飛行場の具体的な返還時期、工期完了ではなく、返還時期については完成後における部隊の移転などのプロセスを考慮する必要があり、これは現段階で具体的にお示しすることは困難でありますが、いずれにしましても、その提供手続完了後については、速やかに、早期に普天間飛行場の全面返還が実現できるように、この点は引き続き米国とですね、緊密に連携してまいります。

記者 :返還期日については、今おっしゃっていただいたと思うんですけれども、佐喜真市長がおっしゃっているのは、恐らく12年後の提供手続完了までの間に先行して一部の常駐機でも移せないかということだと思うんですけれども、そういった可能性はあるのでしょうか。

大臣 :米側とはですね、引き続き緊密に連携しながら話をしているところでありまして、御承知のとおり、辺野古側の埋立区域においては、大浦湾側の埋立工事の工期短縮を、今図るために大浦湾側の埋立てに使用する土砂の仮置きを行っております。そういうことを実際に今行っているところであります。また、当該区域においては、大浦湾側の埋立工事完了後、最終的に滑走路等を整備する配置計画となっているところであります。いろいろと想定をしていく中でですね、例えば、普天間所属機の一部を移駐すると、これが段階的移駐ということになると思います。それを仮に想定した場合に、そうなってくると、辺野古側に一時的な駐機に必要な施設、格納庫であるとか、燃料施設等を造らなければならないということになりますよね、それを仮設するということは最終的には、仮設ですから、それを今度は最終的には撤去等を行わなければいけません。ということは、それに係る工程というのが更に追加されるということになるわけで、となると全体的な工期に影響を与える懸念というのがあるということになるんです。ですから、私どもとしては、引き続き現在の計画に基づいて、着実に工事を進めていくということが普天間飛行場の一日も早い全面返還というのを実現して、その危険性を除去することにつながるというふうに考えておりますので、そういったことを丁寧に説明をしていかなければいけないというふうに思っております。

在沖米兵による性的暴行事件に関する政府内での情報共有について

記者 :最初の記者の質問にありました、米兵の事件の関係で1点だけ確認をしたいのですけれども、先ほど大臣、御回答の中で、この事件についての当該報道を受けて沖縄県警に確認し、というような御説明だったと思うんですけれども、当該事案をですね、発生及び書類送検するということについては、政府内では情報共有が行われていなかったということなんでしょうか。沖縄県警に確認したというのは、どのような意味でおっしゃられているのでしょうか。

大臣 :先ほど私は、9月5日に実際報道がありまして、その報道を受けて、沖縄県警に概要を確認して、沖縄防衛局から沖縄県に対して連絡をしたというふうに申し上げました。これは捜査中の事案であり、政府内での情報伝達の逐一についてお答えするということは差し控えますけれども、お答えとすれば適時、必要な情報共有というのはなされております。繰り返しになりますけれども、防衛省としては今後、捜査当局による捜査及び事件処理の結果を踏まえてですね、適切に対応してまいるということになります。必要な情報共有はなされているということです。

記者 :すいません、ちょっと理解が悪くて。つまりその書類送検がなされるという情報自体は、政府内では当然ながら共有されて、防衛省も御存じであったわけですよね。

大臣 :適時、必要な情報は共有されているということです。どういう内容かについてはちょっと申し上げられませんが。

記者 :分かりました。

大臣 :報道を受けたのは9月5日だと。

(以上)

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