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中谷防衛大臣が記者会見 自衛官の処遇・勤務環境の改善などの質問に回答(10月25日)

  • 日本の防衛

2024-10-29 11:19

 令和6(2024)年10月25日(金)10時32分~10時48分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟1階第1省議室において閣議後の臨時会見を行った。
 内容は、以下の通り。

大臣からの発表事項

 なし。

記者との質疑応答

自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議について

記者 :先ほど官邸で、「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議」の初会合が開催されました。
 どのような話合いが行われたのかと、初回会合を終えての大臣の所感、また方策の年内取りまとめに向けて大臣が閣僚会議に今後期待することを教えてください。

大臣 :本日、「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議」が開催されまして、私も副議長として参加をいたしました。
 本日の会では、私からは自衛官の処遇の改善、そして生活、勤務環境の改善、そして新たな生涯の設計の確立などについて説明を行いまして、閣僚との間で問題認識の共有を図りました。今後とも関係省庁と一層緊密に連携をいたしまして、この議論を深めて、まとめてまいりたいというふうに思っております。
 期待することにつきましては、自衛官が誇りと名誉をもって安心して厳しい任務に従事ができますように、関係省庁が連携して取り組むべき方策の方向性等の年内取りまとめを図っていきたい、そして石破総理のリーダーシップの下で、今後とも関係省庁に御協力をいただいて、そして充実した議論がスピード感をもって行われることを期待をいたします。詳細につきましては、この後、事務方から説明をさせていただきたいと思います。

記者 :今の自衛官の処遇改善に関する関係閣僚会議につきまして、追加での質問なんですけれども、石破総理大臣が意欲を示す内容を具体化するために、担当の大臣としてどのように取り組んでいかれるかということと、また実現に向けた課題をどのように捉えていらっしゃるかという、この2点について伺えたらと思います。

大臣 :私としては、防衛大臣として、自衛隊の隊務を統括をしていくという立場でありまして、まず各自衛隊の声、これをしっかり吸い上げるということが重要と認識をいたしております。
 そして、その上で関係閣僚会議の場をはじめ、自ら率先をいたしまして関係省庁と調整に当たって、よく議論をしていく所存でございます。実現に向けましては、今後、関係省庁が連携して取り組むべき方策の方向性と、令和7年度、この予算に計上すべき項目を年内に取りまとめを行うということとしております。この取りまとめとともに、方策の着実な実行が極めて重要でありますので、しっかりと取り組んでまいたいというふうに思っております。

日米共同統合演習キーン・ソードについて

記者 :日米共同統合演習キーン・ソードが23日開始しましたが、沖縄県内では中止を求める集会も開かれています。このことについて、大臣の受け止めを教えてください。また、日米共同訓練全般について、特に南西地域において徐々に拡大してきていると見受けられますが、今後も今回のキーン・ソードのような規模を維持されるのか、あるいは更なる拡大を目指すのか、また、将来的に実施したい訓練内容などがあれば教えてください。

大臣 :御指摘のとおり、自衛隊と米軍は10月の23日から11月の1日にかけて、日本全国において「令和6年度日米共同統合演習キーン・ソード25」、これを実施をいたしております。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しておりまして、本演習によって、あらゆる事態に即応するための抑止力・対処力を、これを強化をしていくとともに、日米の強固な意志、そして、連携、これを示すことで、我が国の防衛、地域の平和と安全の確保につながるものであると確信をいたしております。国民の皆様方には引き続き丁寧に説明をしてまいりますが、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
 なお、この演習の実施に当たりましては、安全の確保は当然の前提といたしまして、地元の皆様方に与える影響、これは、最小限にとどめるような十分な配慮をして、行ってまいります。今後の訓練規模、内容につきましては、現時点において予断をもってお答えすることは困難でありますけれども、防衛省・自衛隊といたしまして、南西地域の防衛体制の強化、この重要性が高まる中において、引き続き南西諸島を含む地域における日米共同訓練を実施をし、地域の平和と安定、これに向けた日米の一致した意思と能力、これを示すということが大事なことであると考えております。

米軍との指揮統制の見直しについて

記者 :米軍との指揮統制の見直しのテーマでお尋ねいたします。
 9月に日米で作業部会を作ってですね、議論が進んでいると思いますけれども、米軍が想定する統合軍司令部のトップに中将が就くのではないか、という報道が以前から出ておりまして、一方で自衛隊側の統合作戦司令官はフォー・スターですので、どうしても格が違うというところが、一つ今後の争点になろうかと思うのですけれども、大臣としては、決めるのはアメリカ側ですけれども、カウンターパートにはやはり、同格の人間が望ましいというふうにお考えでしょうか。あるいは、もし違った場合には、何か課題が新たに出てくるというふうにお考えでしょうか。

大臣 :その件につきましても、現在作業部会を設けておりまして、日米間で協議をいたしております。本年の年度末におきましては、統合司令部ということを作るわけでございますので、いかにすれば日米間の統合運用、また、指揮統制、これが円滑に行われていくのか、どういう方々が適当であるのかも含めましてですね、日米間の作業部会で検討している最中でございます。

北朝鮮がウクライナ戦線に派兵したことについて

記者 :ウクライナ情勢についてなのですけれども、米韓の国防相は、北朝鮮がウクライナ戦線に兵士を派兵したと公表しました。これについて、日本政府としては、どのような内容を把握しているのでしょうか。また、オースティン長官は「欧州だけでなくインド太平洋地域にも影響を及ぼす」と述べていますけれども、大臣はどのような認識を持ち、どのような対応をとるお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

大臣 :本件につきましては、米国政府並びに韓国政府がですね、北朝鮮の兵士がロシアに派遣をされたことを確認をした旨発表をいたしているということについては、承知をいたしております。
 我が国としましては、米国等とも協力をして関連情報の収集・分析、これを進めているわけでありますが、その結果ですね、今般、北朝鮮の兵士がロシア東部へ派遣をされ、訓練を行っているものだと考えております。その上で、北朝鮮から派遣をされた兵士が、ロシアによるウクライナ侵略に加担する可能性も含めて、深刻な懸念をもって注視をしているところでございます。
 そもそも、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、今回の北朝鮮の兵士の派遣も含めて、最近のロシアと北朝鮮の軍事協力の進展の動きというのは、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くもののみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からみまして、深刻に憂慮すべきものだと考えております。
 我が国といたしましては、引き続き、関連情報の分析・収集を行うとともに、関連する安全保障決議の完全な履行、そして、ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向けまして、国際社会と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。

記者 :先ほどの質問へのお答えの中で、北朝鮮軍がロシアの東部で訓練を行っているものと考えています、という御発言がありましたけれども、これは防衛省独自の情報収集によっても、そういう事実があるというふうに認定したと、そういう理解でよろしいんでしょうか。

大臣 :我々といたしましても、そのような分析をした結果ですね、そのように理解をしております。

自衛官の処遇改善について

記者 :自衛官の処遇改善の関係でお尋ねいたします。先ほど大臣の方からですね、自衛官が誇りと名誉をもって安心して働けるように、という話がございました。誇りと名誉ということなのですが、具体的には何を指しているのでしょうか。

大臣 :自衛隊というのは、そもそも日本の国を守る、防衛する、という目的で作られた組織でありまして、それぞれの隊員がですね、やはり自信と、そして誇りと、そして名誉、これをもってこの職務に当たるべきでありまして、それぞれの隊員の皆さんがですね、そういう気持ちになれるようにですね、こちらとしても、今回の色々と処遇改善とか、また勤務環境の改善とか、また生涯設計の場を通じてですね、今検討しておりますので、結果的にそのような意識をですね、皆さんが持っていただけるようにですね、努力をしていきたいというふうに思います。

記者 :重ねてお尋ねします。内閣府の方で公表されている資料には、いわゆるふさわしい叙勲の在り方の検討という、これまでから言われていることが一文書いているわけですけれども、この地位、名誉について、さらに踏み込むのならば、やはり憲法に自衛隊、自衛官を明記する必要というのがあるというふうにお考えでしょうか。

大臣 :私本人がですね、自民党員でありまして、自民党の中ではですね、そのようなことが議論をしてきておりますが、いずれにしましても憲法につきましては、国会での審議を通じて、3分の2の議決をもって国民に提案をしてですね、国民投票にかかるわけでございますので、この状況をですね、注視をしてですね、国家における幅広い議論、これが展開されるということを期待をし、そして、その上でですね、国民的な議論、そして理解、これが深まっていくものを期待するものでございます。

記者 :自衛隊処遇改善の関係閣僚会議の件でお尋ねです。投開票を控える衆院選の報道各社の情勢調査などでは、与党にとって結構厳しい結果となるのではないかという見方もございます。
 その結果によっては今後、政権運営が厳しくなるのではないかという、そういった見方もある中で、今日このタイミングで初回の会合を実施できた意味、意義などがあれば教えてください。

大臣 :この問題につきましては、長年のですね、課題でありまして、政府の中でもこの問題に対してですね、全ての官庁を通じて関係閣僚会議で議論をしていこうということになっておりました。衆議院が解散される、されないに関わらずですね、実施をされるわけでありまして、今日第1回目の会議ができましたので、今後この会議が継続してですね、実りある議論が得られるということを期待しております。

(以上)

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