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中谷防衛大臣が記者会見 横田基地視察の内容、北朝鮮のミサイル発射などに言及(11月1日)

  • 日本の防衛

2024-11-6 10:45

 令和6(2024)年11月1日(金)17時07分~17時17分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、定例閣議後及び航空自衛隊横田基地視察後の会見を航空自衛隊横田基地の司令部庁舎基地会議室にて行った
 内容は、以下の通り。

発表事項

横田基地の視察について

大臣 :本日は横田基地を視察いたしました。ここ横田基地は日米両国が支え合うところで、我が国の防衛の要であり、強固な日米同盟を体現をする場所であります。昨日の北朝鮮によるICBM級の弾道ミサイルの発射においても、ここ横田基地におきましては、米国、韓国等と緊密に連携をいたしまして、情報収集、そして分析を行う中核的な役割を果たしました。

 また、こうした厳しい安全保障環境の中で、昨日、航空自衛隊のF-35戦闘機及びF-2戦闘機が、日本海上の空域におきまして、米国のF-16戦闘機と日米共同訓練を実施をいたしております。これは、日米同盟の緊密な連携を内外に示す大変意義深いものであったと考えております。

 本日の視察では、まず、米軍の横田基地で、ジョスト在日米軍司令官を表敬をいたしました。昨日の北朝鮮によるICBM級の弾道ミサイルの発射をはじめ、安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟の抑止力・対処力の強化は、不可欠な取組であります。この認識を同司令官と共有をした上でですね、在日米軍と自衛隊が連携して、地域の平和、そして安定に貢献をしていくということを確認をさせていただきました。また、日米共同情報分析組織、通称BIAC、これを視察をいたしまして、日米協力の現場、これを確認をいたしました。
 次に、ここ航空自衛隊の横田基地におきましては、北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応、そして中国やロシアの航空機に対するスクランブル対応など、多岐にわたる任務についてブリーフィングを受けました。24時間不断に情報収集・警戒監視を行うなど、国を守るとの崇高な使命感の下に士気が非常に高く、そして任務に精励をしている隊員の姿を直接確認をしまして、私自身、身の引き締まる思いがいたしました。
 また、昨日のミサイルには実に的確に対応されまして、私としてもこの任務をしっかり対応している隊員を見まして、非常に誇りに思いました。防衛大臣として、こうした隊員の先頭に立ちまして、また道を切り開いて、共に努力をして行こう、そして、国を守るという崇高な使命にしっかりと対応していきたいと思った、覚悟でございます。

北朝鮮のICBM級弾道ミサイル発射について

大臣 :そして、もう1点報告事項でありますが、これまでも発表しているとおりですね、北朝鮮は昨日、少なくとも1発のICBM級弾道ミサイルを発射をいたしました。
 昨日の北朝鮮による発射について、米国及び韓国とも緊密に連携をして分析を進めた結果、当該の弾道ミサイルは、新型のICBM級弾道ミサイルであった可能性があると考えられ、また、固体燃料推進方式の弾道ミサイルであったと推定をしております。一般に、固体燃料推進方式のミサイルというのは、液体燃料推進方式のものに比べて、まず保管や取扱い、これが容易であると、第2に即時の発射などの観点で優位にあるとされております。北朝鮮には、固体燃料推進方式のICBMの開発を目標に掲げておりまして、これまでも実際に固体推進方式のICBM級弾道ミサイルを発射してきておりまして、今回の発射についても、こうした開発の一環であったと考えております。
 その上で、北朝鮮にどのような狙いがあるにしろ、今回の発射は、国際社会全体への緊張をエスカレートさせる暴挙であり、そして、これまでの弾道ミサイルの度重なる発射も含めまして、一連の北朝鮮の行動は、我が国及び地域、国際社会の平和と安全を脅かすものでありまして、断じて容認ができないと思います。防衛省としては、国民の生命・財産を守り抜くために、引き続き、米国、韓国等とともに緊密に連携をしながら必要な情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に全力をあげていきたいと考えております。

記者との質疑応答

横田基地視察への思いについて

記者 :冒頭でも大臣触れられましたけれども、大臣就任後の視察、最初の方の視察としてですね、日米同盟を体現するとおっしゃられた、この横田基地を選ばれた理由、大臣の思い等がありましたらお伺いさせてください。

大臣 :今日は現場を視察をいたしましたけれども、正に、ここの横田基地というのは、航空自衛隊、そして在日米軍が情報収集・分析、そして、ミサイル防衛などで日々、極めて高いレベルで連携をし、支え合って任務を遂行している、正に、我が国の防衛の要であり、そして、強固な日米同盟を体現をする場所であるというふうに思いました。
 昨今、そして昨日、北朝鮮による弾道ミサイルの発射においても、ここ横田基地は、米国、韓国等と緊密に連携して情報収集・分析を行っているということをですね、私の目と耳で確認をさせていただきまして、正にその中核的な地域であると確信を持ちました。
 我が国を取り巻く環境が厳しさを増す中でですね、改めて防衛大臣として、日米の強固な連携を改めて確認をするとともに、正に、過酷な現場で任務に当たっている隊員を激励をいたしましたけれども、本当に1年365日24時間態勢でですね、しっかりと警戒・監視をしていただいているこの横田基地の隊員の皆さんを視察をさせていただきまして、非常に感深くしまして、またこの勤務におけるですね、重要性というものを感じとった次第であります。

北朝鮮の弾道ミサイル発射について

記者 :冒頭もありましたが、北朝鮮のミサイル状況についてなのですけれども、北朝鮮は、昨日発射した弾道ミサイルは、最新のICBM「火星19型」だったということで発表しております。飛翔時間、過去最長で、飛翔高度も過去最高ということで、北朝鮮はICBMの最終完結版だとしています。
 また今月、核実験や新たな軍事衛星の打ち上げといった韓国の分析も報じられていますけれども、これらについて日本政府としての現在の最新の分析状況と、アメリカ大統領選挙などとの関連について見解をお聞かせください。

大臣 :御指摘の北朝鮮の発表につきましては承知をいたしておりますが、その一つ一つにですね、お答えをするということは差し控えさせていただきますが、昨日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射につきましては、冒頭、私から申し上げたとおりでございます。
 また、北朝鮮の軍事動向につきましては、政府として、平素から重大な関心を持って情報収集・分析に努めているところでありますが、お尋ねの点も含めてですね、個々の具体的な情報の内容については、事柄の性格上ですね、お答えすることが困難であることは御理解いただきたいと思いますが、その上で申し上げればですね、北朝鮮は、今後も各種ミサイルの発射、そして衛星の打ち上げ、核実験などの更なる挑発行為に出る可能性はあると考えております。
 こうした北朝鮮による挑発行為と米国の大統領選挙の関連につきましては、防衛省としてお答えすることは差し控えさせていただきますが、どのような狙いがあるにしろ、この北朝鮮による核、ミサイル開発は、我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものでありまして、断じて容認できるものではありません。いずれにしましても、政府としては、引き続き、米国、韓国等とも緊密に連携しながら必要な情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に全力をあげていく考えであります。

北朝鮮兵のロシア派遣について

記者 :私も北朝鮮に関連して2つお尋ねします。ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナの交戦が数日以内にも始まるとの見方も出ています。大臣は先週、北朝鮮兵がロシア東部で訓練を受けているとの分析を明らかにされましたけれども、その後の動きについて、現状どのように把握しているか教えてください。
 また、北朝鮮は派兵の見返りにロシアから核・ミサイル技術を得ているとの指摘もあります。昨日のICBM、先ほど新型の可能性あるということでしたが、これにロシアの技術が使われた可能性など、今回の派兵とミサイル発射のつながりをどう見ているかお聞かせください。

大臣 :北朝鮮の兵士のロシアの派遣にかかる防衛省の分析状況につきましては、先日大臣会見でも申し上げたとおりでございます。また、ロシアから北朝鮮に対する協力につきましては、様々な指摘があるということは承知をしておりますが、防衛省として必要な情報収集・分析に、今努めている最中であります。
 お尋ねの北朝鮮派兵とミサイル技術向上の関連も含めましてですね、個々の具体的な情報の内容につきましては、事柄の性格上、お答えすることは困難であるということは御理解いただきたいと思いますが、いずれにしましても、最近のロシアと北朝鮮の軍事協力、これの進展の動きは、ウクライナ情勢に更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点から見ましても、深刻に憂慮すべきものであると思います。
 我が国としては、引き続き、情報収集・分析を行うとともに、関連する安保理決議の完全な履行、そして、ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向けてですね、国際社会と緊密に連携をして取り組んでいく考えでございます。

(以上)

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