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三菱重工が新装備「機動舟艇」推進装置の供給に向け、覚書に調印(11月22日)

  • 日本の防衛

2024-11-25 11:28

 三菱重工は令和6(2024)年11月22日(金)、防衛省が今年度から調達を開始した「機動舟艇」の推進装置を供給するため、スウェーデンのマリンジェットパワー社および日本国内代理店マツイと覚書を交わしたことを発表した。

「機動舟艇」は、陸上・海上自衛隊の共同部隊として今年度末に新設される「自衛隊海上輸送群」(仮称)向けの新装備。令和6(2024)年度予算で3隻173億円を計上しており、令和8(2026)年度に最初の1隻が納品予定。南西島嶼部等に部隊や物資を迅速に輸送するための機動力となる。
 10月29日に進水した「にほんばれ」も、同輸送群向けに調達された装備のひとつ(小型級船舶)だ。

(参考)自衛隊海上輸送群(仮称)向けの船舶・舟艇の調達 出展:防衛省予算関連資料

 三菱重工が発表したリリースは以下の通り。

新たな防衛輸送用「機動舟艇」に搭載するウォータージェット推進装置の供給へ 揚陸機動舟艇向けで高シェア占めるスウェーデンMJP社と覚書(MOU)に調印

◆ 島しょ部等の小規模港湾にも必要な人員・装備・補給品などを適切に輸送するための課題に挑戦
◆ 自衛隊海上輸送群(仮称)の機動展開能力を支え、本土から遠く離れた南西地域にも対応

 三菱重工業は、今般、防衛省の新たな輸送船舶となる「機動舟艇」に搭載するウォータージェット(WJ)推進装置の供給に向けて、スウェーデンの舶用推進機器メーカーであるマリンジェットパワー社(Marine Jet Power AB、本社:ウプサラ州、以下MJP社)およびMJP社の日本国内代理店をつとめる機械商社の株式会社マツイ(社長:松井 源太郎氏、本社:東京都港区)と協調して取り組むことで合意し、覚書(MOU:Memorandum of Understanding)に調印しました。

 日本には島しょ部が多く、整備されていない小規模な港湾に対しても有事に際し必要な人員・装備・補給品などを適切に輸送できる能力の強化が防衛上の課題となっています。状況に応じて必要な部隊を迅速に機動展開するためには、大型の輸送艦艇に頼らない機動展開を可能にする基盤の整備が必要となります。

 防衛省は、本土から離れた南西地域への人員輸送や物資搬入に必要な能力を向上させる陸上自衛隊・海上自衛隊の共同部隊となる自衛隊海上輸送群(仮称)の新編に取り組んでいます。このため、機動舟艇を含む揚陸用舟艇の同部隊への配備を進める計画です。

 MJP社は、米国の陸軍や欧州の海軍等が運用する揚陸機動舟艇向けに、200台近いWJ推進装置を納入。機動舟艇と同サイズ級の揚陸機動舟艇では世界的に高いシェアを有しており、島しょ部の整備されていない浅瀬湾岸への接岸・揚陸における特殊操船・砂等の吸込みに対する耐久性を含めた安定稼働に高い信頼を得ています。

 三菱重工は、これまでに防衛省および海上保安庁を中心に200台以上のWJ推進装置を納入。国内に網羅的な保守体制基盤を構築し、迅速な保守業務を提供することで、顧客から高く評価をされてきました。

 当社グループ全体の事業計画でも防衛分野を伸長事業と位置付けており、今後も国防に欠かせない企業を目指し、積極的に取り組んで行きます。

(以上)

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