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オーストラリアへの「令和6年度型護衛艦」移転に問題がないことを確認

  • 日本の防衛

2024-12-2 10:15

 防衛省は令和6(2024)年11月28日(木)17時00分、オーストラリア海軍の次期汎用フリゲートの最終候補に令和6年度護衛艦が選定されたことを受け、その共同開発・生産を我が国が実施することとなった場合の令和6年度型護衛艦の移転について以下のように公表した。

豪州次期汎用フリゲートの共同開発・生産を我が国が実施することとなった場合の令和6年度型護衛艦の移転について

1

 豪州の次期汎用フリゲートの共同開発・生産を我が国が実施することとなった場合の完成品、部品及び技術情報(以下「完成品等」という。)の我が国から豪州への移転(以下「本件海外移転」という。)について、「防衛装備移転三原則」(平成26年4月1日閣議決定、令和5年12月22日一部改正)及び「防衛装備移転三原則の運用指針」(平成26年4月1日国家安全保障会議決定、令和6年3月26日一部改正)に従い、国家安全保障会議で審議した結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認した。

2

 豪州の次期汎用フリゲートプログラムについては、令和6年2月、豪州政府が、「もがみ」型護衛艦を含む複数の候補艦艇から次期汎用フリゲートを選定する旨発表し、豪州国内での建造を含む調達計画を公表した。本発表以降、我が国は豪州政府の求めに応じて必要な情報提供を行ってきたところ、令和6年11月、豪州政府は、提供された情報に基づき評価を行った結果、2か国の艦艇候補に絞り込み、その1つとして、「もがみ」型護衛艦の能力向上型である令和6年度型護衛艦(4,800トン型)を選定した。
 今後、豪州政府は、我が国を含む艦艇候補の提案国との間で協議を行った後、次期汎用フリゲートプログラムにおいて調達する艦艇を決定する見込みであるが、我が国が選定された場合には、豪州の次期汎用フリゲートの共同開発・生産(以下「本件共同開発・生産」という。)を豪州と実施し、完成品等が豪州へ移転されることとなる。

3

 国家防衛戦略にもあるとおり、豪州とは、インド太平洋地域の「特別な戦略的パートナー」として、日米防衛協力に次ぐ緊密な協力関係を構築することとしている。かかる方針に基づけば、本件共同開発・生産は、豪州との相互運用性及び互換性の大幅な向上に資するとともに、インド太平洋地域の艦艇建造・維持整備基盤の強化や、将来の我が国艦艇の能力向上に資するものであり、我が国の安全保障上極めて高い意義がある。

4

 さらに、本件海外移転の仕向先は豪州であり、最終需要者は豪州国防省及び豪州政府が指定する現地建造企業であるため、適正管理の確実性は高い。加えて、豪州に移転される完成品等は、下記5.のとおり、目的外使用の禁止及び第三国移転に係る事前同意を豪州政府に義務付けること等を考慮すれば、我が国の安全保障上の問題はないと認められる。

5

 本件海外移転は、「防衛装備品及び技術の移転に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定」に基づき実施されるものであり、目的外使用することを禁止し、第三国移転する場合には我が国の事前同意を豪州政府に義務付けることとなるため、完成品等の豪州への移転後の豪州政府による適正な管理が確保されると認められる。

6

 本件海外移転に関する許可その他の外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)に基づく必要な手続については、上記の国家安全保障会議での審議結果を踏まえ、適切に対応することとする。

【参考】令和6年度型護衛艦(06FFM)の概要
 06FFMは、平素からの周辺海域における常時継続的かつ重層的な情報収集・警戒監視活動に従事するとともに海外における国際平和協力活動を行い、有事においても対潜戦、対空戦、対水上戦等の各種活動に活用し得るほか、従来は掃海艦艇のみが担っていた対機雷戦機能も具備した「もがみ」型護衛艦から長射程ミサイルの搭載、対潜戦機能の強化等を図った多目的護衛艦である。

(以上)

令和6年度の予算資料にある「令和6年度型護衛艦」の想像図。独特な形状のアンテナマストなど、「もがみ」型と同様の特徴を有している 画像出展:防衛省
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