新たに取得する重要装備品等8項目を選定、公表(12月27日)
- 日本の防衛
2024-12-30 08:05
防衛省は令和6(2024)年12月27日(金)、新たに取得・研究開発する重要装備品等として8項目を挙げ、それらの事業の概要と選定結果を公表した。
公表内容は以下の通り。
新たな重要装備品等の選定結果について(12月27日)
装備品等の選定に係る手続の明確化・透明化のため、取得実績のない新たな重要装備品等を選定した際は、選定結果を公表することとしています。
今般、当該重要装備品等を選定した理由等についてお知らせ致します。
選定した新たな重要装備品等
○ 艦載用レーザシステム【研究開発】
○ ネットワーク電子戦システム(改)【研究開発】
○ 水中発射型垂直発射装置【研究開発】
○ 共通戦術装輪車(偵察戦闘型)【量産】
○ 艦載型UAV(小型)【量産】
○ FCネットワーク【量産】
○ 12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)【量産】
○ 潜水艦発射型誘導弾【量産】
(参考)経緯
令和元年8月21日(水)「新たな重要装備品等の選定に係る手続きの明確化・透明化の措置について(通達)」の制定
「艦載用レーザシステム」
1 事業の概要
多数の小型無人機への即時対処能力向上を図るため、連続したレーザ照射が可能である高出力レーザの特性を活用して、高いエネルギーを有するレーザ光を目標に照射する艦載型の高出力レーザシステムを研究する。
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、「高出力レーザ発生」、「レーザ照射管制」、「艦載適合性」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、艦載用レーザシステムについて、所要の要件を満たすことを確認できたことから、国内で研究することとし、令和7年度予算案に研究関連経費を計上した。
なお、ライフサイクルコストについては、今後、研究開発が進捗した段階で算出する。
「ネットワーク電子戦システム(改)」
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、「拡張性」、「電波収集」、「電波妨害」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、ネットワーク電子戦システム(改)について、所要の要件を満たすことを確認できたことから、国内で開発することとし、令和7年度予算案に開発関連経費を計上した。
なお、量産単価※は約104億円、ライフサイクルコスト※は約1,333億円と見込んでおり、引き続き精査を行っていく。
※ 選定手続における見積りであり、今後、変更があり得る。
「水中発射型垂直発射装置」
1 事業の概要
スタンド・オフ防衛能力の強化として、発射プラットフォームの更なる多様化及び水中優勢獲得のため、潜水艦に搭載可能で、より長射程化された誘導弾を発射できる垂直誘導弾発射システム(VLS)を研究する。
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、「発射性能」、「船体制御性能」、「耐水圧性能」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、水中発射型垂直発射装置について、所要の要件を満たすことを確認できたことから、国内で研究することとし、令和7年度予算案に研究関連経費を計上した。
なお、ライフサイクルコストについては、今後、研究開発が進捗した段階で算出する。
「共通戦術装輪車(偵察戦闘型)」
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、令和3年度に取得した参考品(共通戦術装輪車(偵察戦闘型))に対する性能確認試験の結果を踏まえ、「機動性能」、「監視性能」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、共通戦術装輪車(偵察戦闘型)について、所要の要件を満たすことを確認できたことから、量産取得を行うこととし、令和7年度予算案に取得経費を計上した。
なお、量産単価※は約15億円、ライフサイクルコスト※は約2,902億円と見込んでおり、引き続き精査を行っていく。
※ 選定手続における見積りであり、今後、変更があり得る。
「艦載型UAV(小型)」
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、「通信性能」、「センサ性能」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要を満たしているか評価。
この結果、艦載型UAV(小型)について、所要の要件を満たすことを確認できたことから、「V-BAT」(Shield AI 製)の量産取得を行うこととし、令和7年度予算案に取得経費を計上した。
なお、量産単価※は1 機あたり約6億円、ライフサイクルコスト※は約388億円と見込んでおり、引き続き精査を行っていく。
※ 選定手続における見積りであり、今後、変更があり得る。
「FCネットワーク」
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、令和元年度から着手した研究開発成果を踏まえ、「センサ情報のリアルタイムな情報交換」、「ネットワーク射撃のための武器管制」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、FCネットワークについて、所要の要件を満たすことを確認できたことから、量産取得を行うこととし、令和7年度予算案に取得経費を計上した。
なお、量産単価※は約6億円、ライフサイクルコスト※は約448億円と見込んでおり、引き続き精査を行っていく。
※ 選定手続における見積りであり、今後、変更があり得る。
「12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)」
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、令和4年度から着手した研究開発成果を踏まえ、「長射程」、「誘導性能」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)について、所要の要件を満たすことを確認できたとともに、スタンド・オフ防衛能力を早期に強化するため、量産取得を行うこととし、令和7年度予算案に取得経費を計上した。
なお、12式地対艦誘導弾能力向上型は地発型、艦発型及び空発型でファミリー化し、統合してライフサイクルコストを管理しているところ、その誘導弾関連のライフサイクルコスト※1、※2 は約8,393億円と見込んでおり、引き続き精査を行っていく。
※1 誘導弾の経費を含まない(誘導弾の経費(量産単価等)から保有数量が推定される懸念があるため、公表しない)。
※2 選定手続における見積りであり、今後、変更があり得る。
「潜水艦発射型誘導弾」
1 事業の概要
自艦の行動範囲を秘匿し、高い隠密性を有して行動できる潜水艦に装備し、我が国への侵攻に際して遠方から火力を発揮して、洋上の敵艦船等を阻止・排除するため、潜水艦発射型誘導弾を取得する。
(カプセルに装填された状態)
2 選定結果
新たな重要装備品等を選定するにあたり、令和5年度から着手した研究開発成果を踏まえ、「長射程」、「誘導性能」等の要求性能を満たすか否か、また代替案の分析やプロジェクト管理の強化のための取組といった所要の要件を満たしているか評価。
この結果、潜水艦発射型誘導弾について、所要の要件を満たすことを確認できたとともに、スタンド・オフ防衛能力を早期に強化するため、量産取得を行うこととし、令和7年度予算案に取得経費を計上した。
なお、ライフサイクルコスト※1、※2は約2,084億円と見込んでおり、引き続き精査を行っていく。
※1 誘導弾の経費を含まない(誘導弾の経費(量産単価等)から保有数量が推定される懸念があるため、公表しない)。
※2 選定手続における見積りであり、今後、変更があり得る。
(以上)
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