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中谷防衛大臣が記者会見 大阪・関西万博開会式での自衛隊音楽隊による映像演奏の実施などついて(2月25日)

  • 日本の防衛

2025-2-27 10:00

 令和7(2025)年2月25日(火)09時24分~09時47分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室で閣議後会見を行った。
 内容は、以下のとおり。

大臣からの発表事項

大阪・関西万博開会式での自衛隊音楽隊による映像演奏の実施について

大臣 :1点、報告事項といたしまして、今度の大阪・関西万博、正式には「2025年日本国際博覧会」でありますが、ここに自衛隊音楽隊による音楽演奏の実施につきまして、報告をさせていただきます。この万博は、政府、経済界、地元自治体の関係者が一丸となって取り組んでいくイベントでありますが、防衛省もそのような観点におきまして、ブルーインパルスの展示飛行を実施することとし、先日その旨を公表をさせていただきましたけれども、これに加えまして、4月12日の土曜日に予定されている開会式において、陸上自衛隊音楽隊が映像演奏により音楽演奏することといたしました。これは、その施設の中で、自衛隊と一般の方々がともにですね、この開会式を盛り上げるという中で、この演奏を実施するということでございます。また、翌13日の開幕日のテープカットのセレモニーにおきましても、同じく陸上自衛隊音楽隊が、ファンファーレ演奏、これを行うことといたしております。演奏内容や演出の詳細につきましては、今後、検討・調整を進めてまいりますが、たくさんの人に喜んでいただけるような、そのような開会式のテーマであります「Re-Connect 巡り、響き、還り、繋がる」にふさわしい、魅力的な演奏にしていきたいと考えております。防衛省・自衛隊としましては、引き続き万博の成功に向けて、できる限りの役割を果たしていきたいと思います。なお、昨日フィリピンに出張にいたしましたが、大統領と面会をし、会談をする機会がありました。その際に、私、胸にミャクミャク君をですね、ピンバッジで付けておりましたけれども、その会談の終わりにですね、今度大阪で博覧会がありますということで、これが当時のキャラクターマスコットでありますということで、ミャクミャク君をお渡しをいたしました。このミャクミャクはどういう意味ですかとか、いろいろ質問がありましたけれども、この趣旨をお答えさせていただきました。

記者との質疑応答

大阪・関西万博開会式での自衛隊音楽隊による映像演奏の具体的なイメージ

記者 :冒頭の御発言であった音楽隊の件ですけれども、映像演奏というのは具体的にどういうものをイメージしていらっしゃるんでしょうか、教えていただけますでしょうか。

大臣 :生で演奏するものではなくて、事前に収録をするということですが、内容については、細部につきましては、調整中ということで、お楽しみということでございます。

フィリピン訪問の所感・成果について

記者 :先ほど大臣おっしゃっていらっしゃいましたけれども、先日のフィリピンの訪問についてですね、訪問全体を振り返っての御所感とですね、成果について改めてお伺いできたらと思います。

大臣 :今回の訪問につきましては、3日間、土曜、日曜、月曜、訪問をしまして、フィリピンの空軍基地、また、防衛相会談を通じまして、非常に目まぐるしく発展をしてきた二国間の防衛協力の現状を確認をしました。また、一層複雑化・緊迫化する地域の情勢、国際情勢を踏まえまして、地域と国際社会の平和と安定に貢献していくために、両国間の防衛面での協力・連携を更に一段と高いものにしていくということでフィリピン側と一致した点において、大変有意義なものでありました。特に、2日間にわたって、現地のテオドロ国防大臣は、私に同行、案内をいただきまして、ずっと終始ですね、話をさせていただきまして、この御案内で視察をした中でもですね、バサというところの空軍基地、またワレスという空軍基地におきましては、まさに目の前が南シナ海を含む地域において日本の供与したレーダーが実際稼働し、そして、それに対して勤務をしているフィリピン軍人、非常に若い人が多かったのですけれども、こういった海洋の監視状況、これを精一杯見ていました。それを見まして、この日本製のレーダーがフィリピンの空の守りのために、そして南シナ海の平和と安定のために、非常に大きく貢献をしているということを間近で拝見することができたということは非常に良かったと思います。翌日に防衛相会談を開催いたしましたけれども、今後、二国間において4つの分野で連携をスピード感をもって深めていくということで一致をいたしました。その4つと言いますと、まず第1に、運用面における連携強化であります。両国間の協力をさらに高みに引き上げるべく、運用当局者間のハイレベルでの「戦略的対話」を新たに立ち上げて、そこで深い情報共有、また高度な運用面での連携に向けて具体的に議論を進めていくということで一致をいたしました。また、軍事情報保護の在り方について、防衛当局間で議論を開始するということでも一致をいたしました。第2に、人的交流の強化です。今後も、引き続きハイレベル交流や防衛大学校等への留学生の受入れなど、重層的な人的交流、これを推進することを確認をいたしました。そして、第3になりますが、装備移転・技術協力の更なる推進であります。双方の利益となる形で協力を更に進めていくとの観点から、防衛装備当局間のハイレベル対話の新たな立ち上げと、日本の官民ミッションのフィリピンへの派遣について一致をいたしました。これに加えまして、日米豪比、日米比など、同盟国・同志国等による連携を今後更に深めていくことについても、テオドロ国防大臣との間で認識を一致をさせることができました。なお、前回のADMMプラスにおきましては、日米豪比韓ですね、この5か国の防衛相会談を開催をいたしまして、今後更にこれを続けていきたいという旨は言及をさせていただきました。そして、マルコス大統領への表敬もありまして、ここで日本とフィリピンが戦略的パートナーとして更に緊密に協力をし、地域と日本と国際社会の平和と安定に日本が貢献をしていくために、より一層防衛面での協力と連携を強化をしていくということで一致をした次第でございます。今回の訪問を踏まえまして、防衛省としては、引き続きフィリピンと安全保障面での協力・連携を強化をしていく考えであります。なお、本日朝、閣議が開かれまして、その中で日本とフィリピンのRAA、これが閣議決定をされました。この日比RAAというのは、両国間でより高度な訓練の実施を可能とするものでありまして、まさに昨日テオドロ国防大臣との間で確認をいたしました両国の防衛面での協力と連携を更に一段高いものに引き上げていくものでございまして、昨年に締結をされまして、もう既にフィリピンの方は国会で承認をされておりますけれども、我が国におきましても、本日閣議決定で日比RAA、これが決定をされたわけでございます。両国間の訓練の実施などができるようになりました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から3年余り、日本の新たな支援策等について

記者 :日ウクライナに関してお伺いしますけれども、ロシアによるですね、ウクライナへの軍事侵攻から3年余りがたちました。現状、トランプ政権がかなり強気にですね、停戦を働きかけようとしていますけれども、一方でウクライナが抜けているといった批判が、ウクライナ自身や欧州から挙がっております。こうした中でですね、アメリカの同盟国である日本、そしてウクライナの公正で永続的な平和の実現に向けて働きかけている日本がですね、3年たった今、これからどういったことをしていきたいというふうにお考えなのか。また、防衛省・自衛隊、これまで車両の提供や傷病者の引き受け等をやっておりますけれども、現在の政治状況を踏まえてですね、新たな支援策等考えていることはあるでしょうか。お聞かせください。

大臣 :我が国としましても、平和秩序を守り抜いて、ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和を実現をしていくと、そのために国際社会と結束をし、断固たる決意で対応しているところでございます。これまで、例えば、UNHCRからの要請を受けて、自衛隊機による人道支援物資の輸送、また自衛隊が保有をしております防弾チョッキ、ヘルメットをはじめとした装備品等の提供、そして自衛隊中央病院のウクライナ負傷兵を受け入れをしていく、そして欧州等の有志国が参加をしております「ITコアリション」及び「地雷除去コアリション」への活動の参加など、様々な取組を通じまして、支援と貢献をしてきたわけでございます。その後の対応としましては、今月の21日には、自衛隊中央病院に加えて、防衛医科大学校病院においても、新たなウクライナ負傷兵2名を受け入れまして、リハビリ治療を実施をするということを発表をいたしました。現時点におきまして、これらに加えた新たな支援策等については、予断をもってお答えすることは困難でありますが、防衛省・自衛隊としては、困難に直面するウクライナの方々を支えて、ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向けまして、国際社会や関係省庁とも連携をしながら、適切に対応してまいりたいと考えております。

日米艦艇の石垣港入港計画について

記者 :日米艦艇の石垣港入港計画について伺います。米軍のドック型揚陸艦「サンディエゴ」と海上自衛隊の訓練支援艦「くろべ」が26日、石垣港に入港する予定がありますが、両艦艇の入港は連動したものなのでしょうか。また、全日本港湾労働組合沖縄地方本部が自宅待機を検討するなど3年連続の米軍による石垣港の利用に不安や反対の声も上がっています。大臣の受け止め、今後の防衛省の対応を教えてください。

大臣 :2月の26日から28日の間、米海軍の輸送揚陸艦「サンディエゴ」が、補給・休養を目的として、石垣港に入港する予定であります。これと同時期に、海上自衛隊の訓練支援艦「くろべ」も入港する予定であると承知をいたしております。この両艦の入港時期については、それぞれの部隊運用上のニーズから設定されたものでありまして、御指摘のような連動したものではございません。両艦の入港につきましては、これまで、米軍、海上自衛隊、石垣市をはじめとする関係機関の間でそれぞれの必要な調整が行われてまいっております。そして、石垣市におきましては、入港にあたって技術的な安全性を確認をしていただいたほか、中山市長からも入港を容認をしているものと承知をしております。その上で、米軍艦船は日米地位協定に基づき我が国の港湾に出入りすることが認められており、このことは、米軍の円滑かつ効果的な活動を確保をしておりまして、もって日米安全保障条約の目的を達成するためには大変重要なものであると認識をしております。そして、当然のことでありますが、米艦船の我が国港湾の出入りにあたりましては、公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであるということは言うまでもありません。防衛省としましても、これまでも米側に対して、安全に最大限配慮するとともに、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるということも求めているところでありまして、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。

閣議決定した日比部隊間協力円滑化協定(RAA)の発効日について

記者 :先ほど紹介のあった日比RAAなんですけれども、発効日が決まっていればお伺いできればと思います。

大臣 :RAAは所管をしているのは外務省でありまして、本日、閣議の決定の中にこの項目がありましたので、お伝えをしましたが、この内容とか時期につきましては、外務省が所管をしておりますので、外務省にお尋ねいただきたいと思います。

記者 :関連してお尋ねします。RAAが閣議決定としましたら、国会に出すための閣議決定ではなく、これによって訓練ができるようになったというふうに大臣おっしゃってましたけれども、その認識でよろしいでしょうか。

大臣 :これにつきましては閣議決定の後は、国会承認も必要だということです。

記者 :先ほどこれで訓練できるようになったというふうにおっしゃっていましたけれども、これで国会の承認と締結を経てという認識でよろしいでしょうか。

大臣 :そのとおりです。

2024年9月に海上自衛隊が参加した多国間共同演習「シーブリーズ」について

記者 :多国間の共同演習シーブリーズについて、何点かお伺いします。昨年9月に海上自衛隊が参加したブルガリア沖黒海での多国間の機雷掃海演習シーブリーズ2024に参加した目的と意義をまず教えてください。

大臣 :シーブリーズは、米国及びウクライナが共催をする多国間演習で、1997年以降、ほぼ毎年実施をされているものであります。我が国は、日本とウクライナの防衛協力・交流の一環としまして、2021年にオブザーバーを派遣をし、2022年からロシアによるウクライナ侵略によって中止をされましたが、2023年から本参加をしております。このシーブリーズ2024につきましては、機雷除去等の内容として、昨年6月25日から7月5日までの間、英国におきまして、そして、9月9日から20日までの間にブルガリアで実施をされまして、海上自衛隊から、まず英国には1名、ブルガリアには10名を参加をさせたものであります。ウクライナとの間では、2018年10月に「防衛協力・交流覚書」を署名をしておりまして、この部隊間交流等をはじめとする防衛協力・交流を推進をしていくということといたしております。防衛省・自衛隊による本訓練への参加は、こうした日・ウクライナ防衛協力・交流の進展の観点から、大変意義深いものであると承知をしております。

2024年の「シーブリーズ」への海上自衛隊の参加を非公表としていた理由について

記者 :関連してお伺いします。黒海のシーレーンの安全確保は国際的にも重要な課題になっており、黒海の状況を把握する上でも戦略的で意義がある訓練かと思いますが、昨年9月の訓練について、公表をされなかった理由を教えてください。

大臣 :訓練の公表につきましては、個々の訓練ごとに、公表の有無や時期などを判断をいたしております。この訓練につきましては、まず艦艇の派遣を伴わなかったことや、少人数の要員の参加にとどまる点など総合的に勘案しまして、積極的に公表することはしませんでした。人数につきましては、英国へは1名、ブルガリアにおきましても10名参加をさせたということでございます。

記者 :最後に、もう1点お伺いします。ロシアのウクライナ侵攻後、ブルガリアなど黒海沿岸国でも浮遊する機雷が確認されていますが、訓練海域では浮遊機雷による危険性はなかったのか教えてください。

大臣 :この訓練への参加に当たりましては、防衛省・自衛隊としましては、あらかじめ主催国である米国・ウクライナに加えまして、沿岸国であるブルガリアとの間で、安全が十分に確保されたブルガリア領海内において訓練を行う旨を確認をいたしております。実際の訓練におきましても、お尋ねの浮遊機雷の危険性は無かったものだとしておりまして、これはブルガリアの領海内での訓練でありますので、これは訓練用のですね、機雷の除去であったというふうに認識しております。

記者 :関連で質問なんですけれども、今回公表しなかった理由のところで伺いたいのは、昔の話になるんですが、シーブリーズ2021の時はですね、1名派遣でも発表されていたようなんですけれども、艦艇の派遣も伴ってなく。1名派遣の時は発表して、今回10名派遣の時はしなかったというのは、整合性というのは。どういう理由になるのでしょうか。

大臣 :御承知のとおり、2021年は第1回目の最初の訓練であったという点を考えまして、公表したところでございます。

(以上)

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