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DSEI Japan 2025 短報──パトリア

  • 日本の防衛

2025-5-25 15:00

2025年5月22日から21日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。竹内 修 TAKEUCHI Osamu

 陸上自衛隊は96式装輪装甲車の後継装備として、フィンランドで開発された「AMV XP」の導入を進めている。AMV XPを開発したのがフィンランドのパトリアで、フィンランド政府が株式の50.1%、ノルウェーの大手防衛企業であるコングスベルク・ディフェンス&エアロスペースが49.9%をそれぞれ保有している企業だ。

 同社はAMV XPなどの装輪装甲車のほか、120mm自動迫撃砲システムのAMOS(Advanced MOrtar System)と、その軽量化型のNEMO(NEw MOrtar)の開発・製造を手がけている。DSEI JAPANでは、NEMOのシステムを20フィート(約6m)コンテナに収容した、「NEMOコンテナ」を展示した。

入場後に展示会場フロアを見下ろすと、砲塔らしきものを突き出した車両ではない大きなものが目に入る。NEMO迫撃砲システムを20フィートコンテナ内に収容した「NEMOコンテナ」である。車両などの「大物」の展示が少ない今回のDSEI JAPANではひときわ大きな存在感を示していた 写真:編集部

 コンテナは複合装甲または圧延鋼板によって装甲化されており、内部には100発の砲弾が収容できる。コンテナには発電装置やエアコン、NBC(核汚染・生物汚染・化学汚染)防御システムも装備されており、パトリアはNEMOコンテナの用途として、船舶への搭載のほか基地などの拠点防御も挙げている。同社では、自衛隊の海上輸送群が導入する上陸用舟艇「機動舟艇」への搭載を提案することも検討している。

NEMOコンテナは地上に設置するだけでなく、船舶への搭載も可能。砲を備え付けるよりも安く済むという 写真:編集部
NEMOの砲塔部。展示のものも、左右に回ったり、砲が上下したりと動かすことができる 写真:編集部

 同社は各種無人装備も手がけており、会場ではクアッドコプター型UAS(無人航空機システム)「パトリアONE」も展示された。

最大離陸重量7㎏のパトリアONE。実用化にあたっては、寒さの厳しいフィンランドの寒冷地帯での運用テストもクリアしている 写真:編集部

※本記事は、公開後に一部修正しました。

竹内 修TAKEUCHI Osamu

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書に『最先端未来兵器完全ファイル』、『軍用ドローン年鑑』、『全161か国 これが世界の陸軍力だ!』など。

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