初めにお断りすると、クルマで知られるロールス・ロイスとは別会社。こちらのロールス・ロイスは「エンジンの会社」である。ターボファンエンジンのRB211やトレント、ユーロファイター向けのEJ200などといった航空機用エンジンが著名だが、独MTU社を傘下に収めたため、ディーゼル機関の分野でも大きな地歩を占めている。

　海自のFFM（もがみ型）は、ロールス・ロイスのMT30ガスタービンとMTUのディーゼル機関を使用しているから、まさに「ロールス・ロイスで動いている艦」である。ことにディーゼル機関は汎用製品で軍民の区別など存在しないから、JR貨物のディーゼル機関車でもMTUのディーゼル機関を使用している事例がある。

ロールス・ロイスと日本の関わりの長さを、大きなパネル展示でアピール　写真：井上孝司

貨物船らしき模型をひとつ用意して、そこに「MTUのディーゼル発電機」「ロールス・ロイスのMT30ガスタービン」「減速ギアボックス」「推進用電動機」「推進系統用の機器キャビネット」「ロールス・ロイスのガスタービン発電機」を並べた模型展示。「弊社の製品はこんな使われ方をしています」という趣旨か　写真：井上孝司

「モノ」がある展示はここまでで、それ以外は映像によるアピールがなされていた　写真：井上孝司

映像展示の一例が、このCODLOG/CODLAG推進システムに関するもの。低速航行時に使用する巡航機は電気推進、高速航行時はガスタービンに切り替えたり（CODLOG）、あるいはガスタービンを加勢させたり（CODLAG）といった使い方をする　写真：井上孝司