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DSEI Japan 2025 短報──ムーグ

  • 日本の防衛

2025-6-1 09:55

2025年5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

 MOOGというと、日本では航空宇宙関連のムーグよりも、楽器メーカーのモーグの方が知られているかもしれない。実はこの両社、創業者はいとこ同士で、まるっきり無縁というわけではない。

 航空宇宙関連のムーグは、操縦翼面を動かすアクチュエータのメーカーとして知られている。本社は米国。たとえば、F-35の操縦翼面でもムーグ製のアクチュエータが使われている。アクチュエータは航空機以外の用途もあり、艦艇や宇宙機など、ムーグ製品の出番は多岐にわたる。

 そのアクチュエータに関わる技術を活かして進出したのが、リモート・ウエポン・ステーションの分野。DSEI Japanでは、RIwP (Reconfigurable Integrated-weapons Platform)とFMP(Flexible Mission Platform)の模型展示・パネル展示を行っていた。

 RIwPは、米陸軍の対無人機システム関連計画の「M-LIDS」(Mobile-Low, Slow, Small Unmanned Aircraft System Integrated Defeat System)で採用されている。30mm機関砲XM914にL3ハリス・テクノロジーズ製のセンサー機材を組み合わせる構成。

RIwPの模型展示。この組み合わせで固定されているわけではなく、さまざまなセンサーや武器を搭載できる 写真:井上孝司
RIwPはこんな構成が可能です、というパネル展示 写真:井上孝司
FMPの方は、武器だけでなくセンサー搭載用のプラットフォームという一面もある。2種類の架台を用意して、用途に応じてさまざまな装備を組み合わせた上で旋回・俯仰させられますよ、という製品だ 写真:井上孝司
これがFMPの模型。ここでは左右に異なる種類のミサイル発射器を組み合わせている 写真:井上孝司

 また、アクチュエータの分野では、ミサイルにおける導入事例に関する模型展示を実施していた。

ミサイルの後部に取り付けられた操縦用のフィンを動かすために、ムーグのアクチュエータを使いますよ、という模型展示 写真:井上孝司
井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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