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DSEI Japan 2025 短報──STエンジニアリング

  • 日本の防衛

2025-6-1 10:15

2025年5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。稲葉義泰 INABA Yoshihiro

 シンガポールに本社を構えるSTエンジニアリングは、日本では不整地における人命救助などを実施できる装軌式消防車両「レッドサラマンダー」で知られているが、じつは他にも多様な製品を取りそろえる総合防衛企業である。近年、STエンジニアリングは日本を大きな市場として注目しており、今回DSEI Japanに初出展を果たした。

STエンジニアリングのブース外観。各所に日本語のパネルやサイネージが配置されており、日本市場を強く意識していることがうかがえる 写真:編集部

 記念すべき初出展では、さまざまな製品の展示を行っていた。たとえば、指揮統制システムを含む各種の防衛用電子システム、既存車両に簡単に搭載可能な迫撃砲システムなど、陸上自衛隊でのニーズを意識したものが見られた。

STエンジニアリングが長年にわたり技術開発と蓄積を重ねてきた分野の一つが、無人水上艇(USV)だ 写真:編集部
STエンジニアリングでは、兵器そのものだけではなく、それを運用するのに欠かせない指揮統制システムも開発している 写真:編集部
近年のトレンドである対UAVシステム(C-UAS)についても、STエンジニアリングでは開発および製品化が進められている 写真:編集部

 さらに、現在、海上自衛隊が導入を進める無人水上艇(USV)に関しても、既存船舶を無人化することができる「オータナマスト」(Autonomast)など、シンガポールという船舶の過密航行水域において同社が長年にわたり培ってきた技術の結晶が数多く展示されていた。

既存の水上艇を無人化することができるオータナマストは、STエンジニアリングの優れた技術力とこれまでの知見の蓄積の結晶といえる 写真:編集部

 ちなみに、同社は三菱電機など日本企業との協業に関する覚書(MoU)を結んだことを発表しており、今後はそうした企業とのコラボレーションの成果が反映された製品が発表されることになるかもしれない。

稲葉義泰INABA Yoshihiro

軍事ライターとして自衛隊をはじめとする各国軍や防衛産業に携わる国内外企業を取材する傍ら、大学院において国際法を中心に防衛法制を研究。著者に『「戦争」は許されるのか 国際法で読み解く武力行使のルール』『“戦える”自衛隊へ 安全保障関連三文書で変化する自衛隊』(イカロス出版)などがある。

https://x.com/japanesepatrio6

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