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DSEI Japan 2025 短報──トロン・フューチャー・テック

  • 日本の防衛

2025-6-1 10:25

2025年5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。稲葉義泰 INABA Yoshihiro

 ウクライナ戦争以降、世界各国はドローンの脅威をあらためて認識し、その対抗策が次々と開発されている。とくに中国と隣接する台湾においては、その脅威が特に深刻であり、中国本土と隣接する金門島では、ドローンが高頻度で飛来しているとの報告もある。そこで、そうした脅威に対抗するべく製品開発を進めているのが、台湾のスタートアップ企業であるトロン・フューチャー・テック(Tron Future Tech Inc.、創未来科技)だ。

 今回のDSEI Japanにおいて、同社は複数種の対ドローンシステムを展示していた。特に目を引いていたのが、ドローンを電波妨害により無力化(ソフトキル)するシステムだ。これには、妨害装置のほか、レーダーや電波傍受装置、光学・赤外線センサーなどが組み合わされており、ドローンの発見・識別・妨害をワンセットで行うことが可能だ。

 また、電波誘導式ではないドローンにも対処するための迎撃手段(ハードキル)として、「T-101」と呼ばれる小型迎撃体も展示されていた。

Tron Future Techが展示していた対ドローンシステム。これは、各種センサーと妨害装置をセットで装備しているため、単体で基地などに配備することができる 写真:編集部
光ファイバー誘導のドローンや事前に設定された地点への攻撃を行う自爆型ドローンは、電波妨害による無力化ができない。そこで、このようなハードキル手段も取り揃えている 写真:稲葉義泰
稲葉義泰INABA Yoshihiro

軍事ライターとして自衛隊をはじめとする各国軍や防衛産業に携わる国内外企業を取材する傍ら、大学院において国際法を中心に防衛法制を研究。著者に『「戦争」は許されるのか 国際法で読み解く武力行使のルール』『“戦える”自衛隊へ 安全保障関連三文書で変化する自衛隊』(イカロス出版)などがある。

https://x.com/japanesepatrio6

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