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中谷防衛大臣が臨時会見 シャングリラ会合でのスピーチおよび3か国防衛相との会談を終えて(5月31日)

  • 日本の防衛

2025-6-4 11:23

 令和7(2025)年5月31日(土)12時44分~12時53分(現地時間)、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣はシンガポールのシャングリラホテルにおいて、シンガポール防衛相との会談、シャングリラ会合スピーチ、フランス及びアメリカ防衛相との会談後の臨時会見を行った。※日本との時差は1時間。

 大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

大臣からの発表事項

大臣
 今回、開催国のシンガポールとの会談をまず実施をしました。国防大臣に就任をされましたチャン大臣との間で初めてになりますけれども防衛大臣会談を行いまして、今後の日シンガポール間の防衛協力の方向性について議論することができました。大変有意義なものでありました。特に過去のシンガポールとの間との防衛協力、防衛大学校にはもう40年前から留学生が来られておりまして、かなり軍の中枢を占めることになったということで、非常に良くやってくれているというような話もありました。

 その後、第二セッションにおいてスピーチを行いました。スピーチにおきましては私から、地域と国際社会の平和と繁栄の前提が大きく揺らいでいく中で、各国の防衛当局において、インド太平洋地域を俯瞰をしながら、連携と協力を強化をし、シナジーを生み出していくということの重要性を改めて強調し、こうした方向性を「One Cooperative Effort Among Nations:Perspective for the Indo-Pacific」、すなわち、「オーシャン(OCEAN)」の精神と呼ぶということを提案をしまして、これについてはフランス、米国からも同様の考え方が示されました。私はこれまでも各国のカウンターパートとの間で、インド太平洋地域を大きく俯瞰しながら連携と協力を強化していくことの重要性を確認をしてまいりました。今回、シャングリラの会合の場で、こうした方向性を「オーシャン(OCEAN)」の精神として提起できたということは、今後、各国と共にインド太平洋の平和と安定に向けて更に努力をする上においても大変有益であったというふうに思います。

 続きまして、11時10分から約25分間、フランスのルコルニュ軍事大臣と日仏防衛大臣会談を実施しました。会談の中で、これは価値と原則、これを共有しているフランスとの間で、地域情勢、そして日仏の安全保障・防衛協力等について議論をしまして、両国で連携を一層強化をしていくということを確認をしました。

 続きまして、その後、本日12時から約35分間、日米防衛大臣会談を実施をしました。本年の3月に続いての会談となりましたが、ヘグセス長官との対面会談におきましては、更なる信頼関係、これを深めることができました。日米防衛協力の様々な取組について議論をしたほか、米国防省が新たな国家防衛戦略、これを作成をしている過程におきまして、日米間での戦略上の優先事項を緊密に擦り合わせて、そして整合させていくということを確認をいたしました。また、私からサイバー対処能力強化法等の成立を始めとする我が国のサイバーセキュリティ能力向上の取組等について説明をしまして、両国のサイバー領域における協力を一層強化をしていくということで一致をしました。さらに、在日米軍再編、これを着実に実施をすること、並びに同盟の維持・強化のために地元の自治体の理解を得ることの重要性、そして在日米軍の事件・事故の再発防止のための協力を進める必要性について申し上げました。同盟の抑止力・対処力の一層の強化に向けまして、ヘグセス長官と引き続き緊密に連携をしてまいりたいと思っております。

記者との質疑応答

日米防衛相会談について

記者
 日米防衛相会談についてお尋ねします。3月の会談では、防衛費増額について、特定の数字の言及はなかったと明らかにしていましたが、今回は米側から言及はありましたか。現在、米国と関税交渉が行われていますが、防衛装備品の購入や在日米軍駐留経費について話題が及んだかも教えてください。また、「2+2」の開催に向けた調整状況や、在日米軍の指揮統制の向上についてどのような説明があったか聞かせてください。

大臣
 まず、この件につきましては相手方の関係もあることからですね、米側の具体的な発言の有無、また内容について私からは申し上げません。ただし、その上で申し上げますと、3月の防衛相会談においてヘグセス長官との間ではですね、認識を共有したとおりでありまして、防衛力の抜本的強化については、大切なのは防衛力の中身でありまして、我が国自身の判断及び責任で進めるということが重要であると、そして、購入するべき装備品につきましても、何が日本の防衛力の強化に相応しいのかを第一に考えまして、これは日本がですね、考えて決めることでありますので、具体的な機種、数量を決定することとなります。また、同盟強靱化予算につきましては、日米両国の政府の合意に基づいて適切に分担をされていると考えております。現行の特別協定の期間終了、これは2027年の3月31日でありますが、それ以降の経費負担の在り方については、予断をすべきではないと考えます。今後とも、日本側の適切な負担の在り方について不断に検討してまいりたいと考えております。続きまして、次回の「2+2」についても協議をいたしました。開催に向けては現在、外交当局を交えて調整中でありまして、日程については、まだ現時点では何ら決まっておりません。内容については、まず指揮・統制の枠組みの向上について、これは3月の会談でも確認された自衛隊の統合作戦司令部の創設、そして、先般開始をされました在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードといった具体的な進展を踏まえまして、引き続き、自衛隊の統合作戦司令部と米軍との調整・連携要領の細部について、議論を加速していくということで一致をしました。そして、3月の会談に続きまして、ヘグセス長官との対面、これは更に極めて率直な議論を行いまして、更に信頼関係、友情を深めることができました。引き続き、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化に向けて、長官と共に、引き続き緊密に協力していこうということを最後に合意をしてですね、お別れをした次第でございます。

記者
 大臣、今おっしゃった防衛力の抜本的強化についての日本の方針は、今日の日米会談でも改めてヘグセス長官にお伝えしたということでよろしかったでしょうか。

大臣
 基本的にはそのことを伝えました。

(以上)

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